片頭痛とは?
片頭痛はズキズキする拍動性の痛みで、悪心、嘔吐および光過敏、音過敏を伴う頭痛のことです。
頻度は月に1~2回の症例が多く、少ない場合は年に数回程度。多い例では週に1回程度と言われています。
頭痛が出現する前兆として視覚症状、感覚症状、言語症状を伴うものがあります。
片頭痛の有病率と特徴
有病率は15歳以上で約8.4%と報告されており、男性が3.6%、女性が13%で、これは欧米諸国でも同様です。つまり、女性が男性の3倍片頭痛に悩まされているということになります。
また、前兆があるものが15%、前兆のないものが75%とされています。
片頭痛は20代~40代の女性に好発する疾患です。
片頭痛の治療
急性期治療
痛くなった時の対処法で、以下の薬剤が使用されます。
- アセトアミノフェン
- セレコックスなどのNSAIDs製剤
- トリプタン製剤
予防治療 (内服)
月2回以上の片頭痛の発作がある場合は、予防治療が推奨されています。予防治療により、発作の頻度や痛みの強さを改善することを目指します。
使用される薬剤の例:
- ミグシス(ロメリジン塩酸塩):Ca拮抗薬
- インデラル(塩酸プロプラノロール):β遮断薬
- トリプタノール(アミトリプチリン)
注射による予防薬
抗CGRP関連抗体薬について
片頭痛の病態において、三叉神経終末から放出される神経ペプチドであるCGRPが発作の疼痛に密接に関与しているとされています。
CGRPは血管拡張因子であり、炎症メディエーターの産生や分泌の促進、炎症組織の充血、浮腫、疼痛を引き起こします。
このCGRPの作用を抑えるのが、抗CGRP受容体抗体薬です。
在宅での自己注射が可能な薬剤になります。

作用機序による分類
- CGRPに結合し痛みのシグナルを抑える:エムガルティ(ガルカネズマブ)、アジョビ(フレマネズマブ)
- CGRP受容体に結合しシグナル伝達を阻害:アイモビーグ(エレヌマブ)
現在使用可能な主な製剤
製品名 |
作用機序 |
投与方法 |
自己注射 |
エムガルティ |
CGRPに結合 |
初回2本、以降1ヶ月毎に1本 |
○ |
アジョビ |
CGRPに結合 |
4週毎1本 or 3本まとめて12週毎 |
○ |
アイモビーグ |
CGRP受容体に結合 |
4週毎1本 |
○ |

片頭痛の原因とメカニズム
治療対象となる患者
片頭痛の発作が平均月4回以上あり、従来の内服が効果不十分もしくは継続困難な方が対象です。
効果(エムガルティの臨床試験 CGAN 試験)
- 片頭痛日数が50%以上減少:約50%
- 75%以上減少:約25%
- 頭痛が0に:約9%
注射開始1か月後に効果が現れることもあります。
ただし、効果がみられない方も10~20%存在します。
費用
1年を通して計算すると薬剤の種類によって差は無く、月12000-14000円前後(3割負担の場合)となっています。このコストは抗CGRP受容体抗体製剤のデメリットと言えるかもしれません。
医療費助成である、付加給付制度が利用できる場合もあります。付加給付制度とは、企業などの健康保険組合や共済組合において、1ヶ月間の医療費の自己負担限度額決めておき、限度額を超過した費用を払い戻す制度のことを言います。
付加給付制度における自己負担限度額は健康保険組合によって異なりますので、ご加入されている保険事業所にお問い合わせください。尚、国民健康保険には付加給付制度がありません。
処方医師の条件
抗CGRP受容体抗体薬は、すべての医師が処方できるわけではありません。以下の条件を満たす医師に限られます。
- 初期研修終了後、5年以上の頭痛診療の臨床経験を有する医師
- 日本神経学会、日本頭痛学会、日本内科学会、日本脳神経外科学会のいずれかの専門医資格を有する医師
当院の院長は日本内科学会の「総合内科専門医」であるため、処方可能です。
片頭痛でお悩みの方、抗CGRP受容体抗体製剤の投与をご希望の方など、是非一度当院へご相談ください。
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📍 Myクリニック本多内科医院(横浜市神奈川区反町4丁目27-1)
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監修: Myクリニック本多内科医院 院長 本多洋介