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スマートウォッチで不整脈を発見する意義-その2-

心房細動の発症リスクと心房細動から起こる合併症

正常な心臓は、心臓内で発生する電気信号によって規則正しい収縮と拡張(拍動)を繰り返しています。心房細動とは、心房と呼ばれる心臓内の部屋が小刻みに震えて痙攣し、うまくはたらかなくなってしまう心臓の病気(不整脈の一種)のことをいいます。

心房細動にかかると、動悸、めまい、脱力感、胸の不快感、息苦しさといった症状が出ることがありますが、その一方で自覚症状のない方も多くいらっしゃる病気です。普段は無症状であり、健康診断で心電図検査を受けた際に心房細動が偶然見つかる方もいらっしゃいます。しかし自覚症状がない場合でも、心房細動が原因となって脳梗塞などが起こることがありますので、心房細動が見つかったら早めに治療を受けることが大切です。心房細動を原因とした脳梗塞は非常に広範囲な脳梗塞になることが多く、大きな後遺症を残すことが多いため、注意が必要である。下の図に心房細動に伴う合併症をお示しします。

 

心房細動は加齢に伴い、起きやすくなっており、男性に多いとされています。また、海外のいくつかの研究では、年々心房細動の患者数が増えていると報告されており、日本でも同じように増えていくと考えられています。様々な報告がありますが、心房細動の生涯リスクは30%程度とされています(BMJ. 2024: 385: e077209)。3人に1人が心房細動になると考えると、他人事では無いのでしょうか。

また、心房細動は高血圧、糖尿病、メタボリックシンドローム、慢性腎臓病などの生活習慣病をお持ちの方に起こりやすいことも知られており、心房細動の予防には、生活習慣病を改善することも大切です。また、心筋梗塞や心臓弁膜症などの心臓の病気がある方は、心臓に負担がかかりやすくなっているため心房細動が起こる可能性が高くなります。

慢性の肺疾患や甲状腺機能亢進症などの病気に心房細動が併発することもあります。生活習慣病がある方、心疾患、肺疾患、そして甲状腺機能亢進症などをお持ちの方においては検脈、スマートウォッチや携帯心電計による心房細動の検出が特に重要となってきます。

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