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心房細動について その3 心房細動どうやって治す?

心房細動の治療法とは?循環器内科医がわかりやすく解説

「心房細動(しんぼうさいどう)」は、動悸や息切れの原因となるだけでなく、脳梗塞の大きなリスク因子として知られています。 この記事では、心房細動の治療法について
  1. ライフスタイルの改善
  2. 薬物治療
  3. カテーテルアブレーション
の順に詳しく解説します。 初めて診断された方や、治療後に不安を感じている方にもわかりやすくお伝えします。 心房細動に関してはこちらの記事もご覧ください: 「心房細動について その1 症状と早期発見について」

心房細動とはどのような病気?

心房細動は、心臓の「心房」と呼ばれる部分が異常な電気信号により震えるように動き、脈が不規則になる不整脈の一種です。この状態が続くと、心房の中で血液がよどみ、血栓ができやすくなります。その血栓が脳に飛ぶことで心原性脳梗塞を引き起こすことがあり、命に関わるケースも少なくありません。 症状としては、動悸、息切れ、疲れやすさ、めまいなどがありますが、まったく自覚症状のない方もいらっしゃいます。そのため、知らないうちに進行し、脳梗塞で初めて気づくケースもあります。

治療の第一歩:生活習慣の改善で心房細動を予防

なぜ生活習慣が大事なのか?

心房細動の発症には生活習慣が深く関わっています。たとえば肥満、高血圧、睡眠時無呼吸症候群、飲酒、喫煙、ストレスなどが心房細動のリスク因子です。これらを改善することで、心房細動の発症や再発を抑えることが期待できます。

具体的な生活改善のポイント

  • 体重の管理 肥満は心臓に大きな負担をかけます。適正な体重を保つことは、心房細動の予防に繋がります。
  • 適度な運動習慣 ウォーキングなどの軽い有酸素運動は、自律神経のバランスを整えるのに有効です。ただし、無理な運動は逆効果になる場合もあるため、医師と相談しながら進めましょう。
  • 禁煙と節酒 喫煙や過度な飲酒は心房細動の発作を誘発します。心房細動と診断された方には禁煙が強く推奨されます。
例)20代男性 職場の飲み会の翌日朝から動悸があり、勤務先の病院で心電図を施行したところ心房細動の所見であった。抗不整脈の投与を行い、不整脈は停止。その後不整脈の薬を「pill in the pocket」しているが、節度あるお酒の飲み方をしたところ、不整脈の出現は無く経過している。これは僕の研修医時代の同級生のお話です。 ※「pill in the pocket」は直訳すると、「丸薬をポケットに」です。つまり、発作が起きたときだけ、その発作を抑える薬を内服(頓服)する方法です。
  • ストレス管理と睡眠の質向上 自律神経の乱れも心房細動の原因になるため、十分な休息と良質な睡眠が不可欠です。

心房細動が持続する場合や症状が出現する場合:薬物療法による心房細動のコントロール

心拍数を整える「レートコントロール」

心房細動そのものを止めることが難しい場合でも、心拍数を適切に抑えることで症状を和らげる治療法です。 β遮断薬やカルシウム拮抗薬などを用いて、脈の速さをコントロールします。 徐脈性心房細動と呼ばれる脈がゆっくりであるタイプの心房細動の場合には逆効果になる場合もあるので、注意が必要です。

不整脈を抑える「リズムコントロール」

こちらは心房細動を一時的に停止させ、正常なリズム(洞調律)を保つことを目的とした治療です。 抗不整脈薬(例:シベンゾリン、アミオダロンなど)が使用されます。 薬の選択は年齢、腎機能、心機能やその他の合併症の有無により異なります。

脳梗塞を防ぐ「抗凝固療法」

心房細動の患者さんでは、抗凝固薬による脳梗塞の予防が非常に重要です。 以下のような方は特に注意が必要です:
  • 75歳以上の方
  • 高血圧・糖尿病・心不全などの持病がある方
  • 過去に脳梗塞を起こした方
抗凝固薬には、ワーファリンや最近主流となっているDOAC(直接作用型経口抗凝固薬)などがあります。 自己判断で中止せず、定期的な医師の診察を受けましょう。 心房細動の抗凝固療法に関してはこちらもご覧ください: 「心房細動について その2 なぜ脳梗塞は起きるのか?~原因・予防・治療法まで解説~」

根本治療を目指す:カテーテルアブレーション

カテーテルアブレーションとは?

心房細動を引き起こす異常な電気信号の発生源を、カテーテルで焼灼して取り除く治療法です。 局所麻酔下で行われ、入院期間は通常数日程度。体への負担が比較的少ないため、近年では心房細動の根治療法として広く行われています。

アブレーションの対象となる方

  • 発作が頻回で、薬物治療が効きにくい方
  • 比較的若年で、将来的な合併症リスクを減らしたい方
  • 生活の質(QOL)を大きく損なっている方

当院から総合病院に紹介した症例:40代男性

Aさんは40代の会社員。数年前から動悸や疲労感に悩まされていましたが、病院受診を先延ばしにしていました。ついに動悸症状が強くなり、胸の苦しさも感じたため、当院を受診されたところ、心房細動が原因であることが分かりました。その後「pill in the pocket」で対処していましたが、発作が頻回であったため、総合病院の不整脈科に紹介させて頂きました。アブレーションを受け、再発も無く、元気に仕事に復帰されています。元々脳梗塞のリスクも低い方であったため、一定期間のDOAC内服も終了となっており、当院で定期的な心電図チェックのみを続けています。

アブレーション後の注意点とアフターケア

カテーテルアブレーション後も、再発予防や脳梗塞予防のための治療は必要です。多くの場合、術後数ヶ月は抗凝固薬の継続が必要となります。 また、脳梗塞のリスクが高い方は抗凝固薬の内服を継続するケースもあります。 心房細動の再発が起こる可能性もゼロではありませんので、定期的な心電図検査やホルター心電図などを通じたフォローアップが大切です。 当院では、アブレーション後の患者様の長期的な管理や再発予防のための生活指導も行っています。

まとめ:心房細動と正しく向き合い、安心して暮らすために

心房細動は命に関わる重大な疾患ではありますが、早期の発見と治療、そして継続的な管理により、多くの方が症状をコントロールしながら安心して生活することが可能です。 もし「動悸が気になる」「不整脈があるかも」「薬だけでいいのか不安」などのお悩みがありましたら、ぜひ一度当院にご相談ください。  

📞 電話:045-755-3039 📧 メール:mychondaiin@gmail.com 📍 Myクリニック本多内科医院(横浜市神奈川区反町4丁目27-1)

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監修: Myクリニック本多内科医院 院長 本多洋介

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