マンジャロを使っている方が体重減少を維持するためにはどうすればいい?
「
マンジャロ(チルゼパチド)で血糖も良くなって体重も減った!その後もマンジャロは続けた方が良い?」の記事では、SURMOUNT-4試験の結果、マンジャロを使用して体重が減り、ウェストが細くなったものの、マンジャロを中止した後にリバウンドした人が多かったという内容をまとめました。
マンジャロの血糖改善・体重減少効果に関する記事はこちらをご覧ください。
今回は「
マンジャロを使っている方が体重減少を維持するためにはどうすればいい?」という内容についての説明です。
当院では通常、肥満を伴う糖尿病患者様に対してマンジャロを投与しておりますが、今回の内容は「肥満症」という観点からお話しさせて頂きます。
マンジャロをやめると体重が戻る理由
肥満という状態は「食べ過ぎ」「カロリーが多すぎる」などの生活習慣だけの問題ではなく、
慢性的な代謝疾患と考えられています。
そのため、高血圧の方が薬をやめると血圧が高くなるように、薬をやめると体重も生理的に戻ってしまいやすくなるのです。
① 食欲が元に戻り、ホルモンバランスが変化する
マンジャロ投与中は、GLP-1やGIPといったホルモンの作用で食欲が抑えられています。
しかし中止すればこの効果はなくなり、空腹感が強くなります。
体重減少に伴いレプチン(満腹ホルモン)が減少し、グレリン(空腹ホルモン)が増えることもリバウンドの一因となります。
② 減量による代謝低下(省エネモード)
体が軽くなると、基礎代謝も下がります。これは生理的な反応で、
減量後は同じ生活でも消費カロリーが少なくなるため、リバウンドしやすくなります。
③ 身体の恒常性と「溜め込み」現象
体重を一定に保とうとする
セットポイント(体の恒常性)により、体は元の体重に戻ろうとします。
その結果、脂肪を蓄えやすく、燃焼しにくい体質になることも。
④ 行動変容の維持の難しさ
薬で食欲が抑えられていた期間は摂取カロリーの管理が容易ですが、中止後は意志の力だけに頼る必要があり、
食事・運動習慣を保つのが難しくなります。
マンジャロによる減量効果を維持する方法
継続的な治療と生活習慣改善の重要性
SURMOUNT-4試験では、マンジャロを継続していた群は体重がさらに減少し、中止した群は大きくリバウンドしました。
この結果から、
マンジャロは継続することで体重管理に有効であることが分かります。
肥満は慢性疾患であり、
高血圧や糖尿病と同様に長期的な管理が必要です。
リバウンドを防ぐための具体的な戦略
- 治療の継続: 可能であれば医師と相談の上、マンジャロを継続する。
- 代替薬への切替: 他の肥満治療薬(GLP-1作動薬など)へのスイッチを検討する。
- 段階的な中止: 徐々に減薬することで、ホルモンバランスの急変を防ぐ。
- 生活習慣の強化: 食事・運動を見直し、筋力維持や消費カロリーの増加に取り組む。
運動習慣のある人は薬中止後のリバウンドが少ないとする研究もあり、
日常生活の中で継続できる行動が鍵となります。
長期に体重維持できている人に共通するのは、
食事記録・運動・朝食習慣などを日常的に継続していることです。
まとめ
マンジャロは
GLP-1/GIP二重作用によって強力な減量効果を発揮しますが、それは投与中に限られた効果です。
肥満という慢性疾患に対しては、薬物療法と並行して生活習慣の改善を続けることが重要です。
たとえマンジャロを中止しても、食事・運動の工夫や代替治療を組み合わせて、
体重管理を継続できるよう主治医と戦略を立てましょう。
マンジャロは「魔法の薬」ではありませんが、
正しく使えば強力なサポーターになります。
📍 Myクリニック本多内科医院(横浜市神奈川区反町4丁目27-1)
この機会に下記の当院公式LINEをご登録ください。
ワクチンの予約に使用できる他、今後多方面での展開を考えております。
監修: Myクリニック本多内科医院 院長 本多洋介