訪問診療と往診の違いとは?
住み慣れたご自宅で医師に診療してもらえる「在宅診療」というサービスがあります。
在宅医療には、定期的に訪問する「訪問診療」と、必要な時に駆けつける「往診」の二種類の方法があります。どちらも医師が患者様のご自宅に訪問する点は共通していますが、具体的に何が異なるのでしょうか。
本記事では「訪問診療」と「往診」の概要や違い・共通点をわかりやすく解説し、その違いを知っておくべき理由についてもご説明いたします。
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♦記事のポイント♦
- 訪問診療:あらかじめ予定を立てて定期的に医師が患者様の自宅を訪問し、診察・治療や健康管理を行う在宅医療サービス。往診:患者様の急な体調悪化など突発的な事態に対し、ご本人やご家族からの依頼を受けて臨時で医師が訪問し診療するサービスです。
- 医療機関ごとに在宅医療の体制や方針には違いがあり、特に往診への対応範囲や時間帯は施設によって様々です(例:深夜の往診対応が難しい場合もあれば、時間帯に関係なく往診可能な場合もあります)。
- 地域で在宅医療を支える医療機関として「在宅療養支援診療所」(および「在宅療養支援病院」)があります。これらは24時間の連絡体制を整え、必要に応じて往診や訪問看護で対応できる準備をした施設です。他の医療機関とも連携しながら地域の在宅医療を支える拠点となっています。
- 在宅医療サービスの利用を検討する際は、まず現在かかっているかかりつけ医や担当のケアマネジャーに相談し、患者様の状態や希望に合った方法を選ぶことが大切です。
1. 訪問診療と往診の違い
訪問診療と往診はいずれも通院が困難な患者様に対し、医師が自宅を訪れて診療を行う在宅医療サービスです。しかし、その訪問の頻度や目的には明確な違いがあります。以下でそれぞれの概要を説明します。
- 訪問診療(定期的な在宅診療): 患者様の病状にかかわらず、計画を立てて定期的に医師が訪問して診療する形態です。例えば週に1回や月に数回など、あらかじめ日時を決めて医師がご自宅を訪問し、診察・投薬・健康相談などを行います。患者様やご家族と十分に話し合って治療方針を立て、継続的に健康管理や療養のサポートを提供します。定期訪問により病状の早期発見・悪化予防が期待でき、訪問看護師やリハビリスタッフとも連携して急変時の入院調整まで対応します。
- 往診(臨時の訪問診療): 一方、往診は急な病状の悪化など特別な事態が生じた時に限り、患者様やご家族からの依頼に応じて医師が自宅に駆けつけて診療を行うものです。あらかじめ、訪問の予定を組むのではなく、必要な時に不定期で行われる臨時の診療です。往診では急な発熱や呼吸困難などへの対処が中心となり、訪問診療のような継続的・予防的ケアは原則行わない点が特徴です。
以上のように、計画的かどうか(定期性の有無)が訪問診療と往診の大きな違いです。
訪問診療は継続的な治療・健康管理を目的として定期訪問しますが、往診はあくまで突発的な体調不良への対処が目的となります。
2. 往診対応の体制と違いはなぜ重要か
両者の言葉の意味が分かったところで、サービスを選ぶ上で特に注目したいのは各医療機関の往診対応の体制です。前述の通り往診の必要性は24時間365日いつ発生するかわからないという特徴があります。そのため医療機関によって、「深夜や休日の往診は対応が難しい」「時間帯に関係なく必要時は往診する」といった対応方針の違いが生じます。実際、往診は医師や看護師の当直体制など負担も大きいため、対応可能な範囲は施設ごとに異なるのが現状です。
また、ご自宅での療養生活では訪問看護師や介護ヘルパーなど複数の在宅サービスを併用するのが一般的です。急変時には主治医である医療機関が訪問看護ステーションと連携し、看護師が先に駆けつけるケースや、医師と同行して対応するケースもあります。それぞれメリットがありますので、どちらが優れているというより、患者様やご家族が在宅医療に何を求めるかを考えて選択することが大切です。
例えば、夜間の急変時にも往診に来てほしいのか、定期訪問だけで十分で往診は必要ないと考えられるケースなど、ご自身の希望や不安に合わせて在宅医療サービスを検討する必要があります。訪問診療と往診の違いは、この検討における重要な判断基準の一つになり得ます。実際に利用を検討する際には、ぜひこれらの違いを念頭に置いてみてください。
3. 24時間対応の「在宅療養支援診療所」とは
在宅医療を支える仕組みとして、「在宅療養支援診療所」および「在宅療養支援病院」と呼ばれる医療機関があります。これは、24時間いつでも連絡を受けられ、必要に応じて医師が患者宅に赴く(往診する)体制を整えた施設です。地域において在宅医療の窓口・拠点となる存在で、深夜・休日でも電話相談を受け、症状に応じて医師が往診を行います。訪問看護を導入していれば、看護師が先に状況を伺いに行く場合もあります。入院が必要な際は受け入れ先の調整を行い、他の医療機関とも連携します。こうした24時間対応の体制があることで、在宅療養中の患者様やご家族も夜間の急変時に相談先があり安心です。
大切なのは、地域で信頼できる在宅医療の主治医を見つけておくことです。そのためにも、まずは普段お世話になっているかかりつけ医やケアマネジャーに相談し、適切な在宅医療サービスを紹介してもらうと良いでしょう。
本多内科医院からのご案内
本多内科医院は、横浜市神奈川区の在宅診療クリニックとして「在宅療養支援診療所」の届出を行い、24時間365日対応できる体制を整えております。
終末期の方に対しては在宅での看取りにも対応しています。
定期的にご自宅へ伺う訪問診療はもちろん、急な体調悪化時の臨時往診にも対応し、地域の皆様の在宅療養を支援しています。
横浜市神奈川区・西区・保土ヶ谷区・鶴見区・港北区周辺で在宅医療の利用をお考えの方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
自宅で療養中の患者様が医師の診療を受けられる訪問診療と往診について、それぞれの違いと共通点をご説明しました。
訪問診療は計画的・定期的に訪問する在宅医療であり、往診は患者様の急な体調不良に対応して臨時に行われる診療です。どちらも医師が自宅に来てくれる点は同じですが、提供される医療サービスの目的や頻度が異なります。また、医療機関によって往診対応の範囲や方針に差があるため、在宅医療を選ぶ際にはこの違いを知っておくことが重要です。
まずは信頼できるかかりつけ医やケアマネジャーに相談し、患者様の状態や希望に合ったサービスを選択しましょう。在宅医療の活用によって、横浜市神奈川区でも住み慣れた自宅で安心して療養を続けることができるよう、私たちも全力でお手伝いいたします。
📍 Myクリニック本多内科医院(横浜市神奈川区反町4丁目27-1)
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監修: Myクリニック本多内科医院 院長 本多洋介