更年期障害と不整脈の関係:動悸の原因と心疾患との鑑別
更年期にみられる動悸・不整脈の症状と原因
更年期は、一般的に閉経を挟んだ前後5年、つまり45歳から55歳くらいを指しますが、個人差があります。40代後半から症状が出始める人が多いですが、30代後半から症状が現れる人もいます。更年期には、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌低下に伴い、自律神経のバランスが乱れやすくなります。その結果、ホットフラッシュ(のぼせ・発汗)やイライラだけでなく、急に心臓の鼓動が強くなったり速くなったりする「動悸」や、「脈が飛ぶ」ような不整脈が生じることがあります。
実際に、安静時に突然胸がドキドキして息苦しくなる症状は更年期以降の女性によくみられます。日中仕事をしているときや家事をしているときは気にならないけど、夜にテレビを見ているときに「動悸」や「脈が飛ぶ」症状を自覚される中高年の女性は多いです。
更年期に特徴的な不整脈の種類があるわけではありません。しかし、ホルモン変動に伴い、エストロゲンが減少し、交感神経の緊張が高まることで、洞性頻脈(緊張時や運動時のように脈が速くなる状態)や期外収縮(いわゆる「脈が飛ぶ」状態)などが起こりやすい傾向があります。交感神経が優位になると心拍数が上昇し血圧も上がるため、「胸がドキドキする」「脈が速い」といった動悸の症状につながります。このように更年期には自律神経のバランスが不安定になり、心臓自体に異常がなくても動悸や不整脈が生じることがあるのです。
心臓の病気との鑑別が重要な理由
更年期の動悸や不整脈の多くは一時的な自律神経失調によるもので、大きな心臓疾患が隠れているケースは多くはありません。実際に、女性ホルモン低下に伴う更年期症状のひとつとして動悸が現れている場合、他の更年期症状(ほてりや不眠、不安感など)を併発することも多くみられます。こうした場合は過度に心配しすぎず、まずは生活習慣の見直しやストレスの軽減を図ることも大切です。
しかし一方で、
年齢とともに増えてくる不整脈の中には注意すべき心臓の病気が存在するのも事実です。とくに心房細動は更年期以降に発症が増える不整脈で、脈が非常に不規則になることが特徴です。中高年の女性にも起こりうる不整脈であり、放置すると心房内にできた血栓(血のかたまり)が原因で脳梗塞を発症するリスクが高まります。実際に心房細動になると脳卒中のリスクは通常の5倍、死亡率は2倍になるというデータも報告されています。更年期の動悸だからと自己判断で放置してしまい、実は心房細動による不整脈だったというケースでは重大な合併症を招きかねません。「更年期症状による動悸」なのか「治療が必要な不整脈」なのかをしっかり鑑別することが重要です。
心房細動の詳細についてはこちらの記事もご覧ください。
横浜市神奈川区の本多内科医院で可能な検査と診断
動悸や不整脈の症状があるとき、まずは医療機関で心臓の検査を受けてみることをおすすめします。自己判断で「更年期だから大丈夫」と思い込まず、専門医による評価を受ければ安心につながります。特に動悸に加えてめまい、倦怠感、失神、胸の痛みなどが伴う場合は、放置せず早めに内科または循環器内科を受診してください。脈の乱れ自体は一過性でも、これらの症状を伴う場合は精密検査が必要な不整脈の可能性があります。
本多内科医院(横浜市神奈川区)では、循環器専門医の立場から更年期の方の動悸・不整脈について丁寧に診察し、必要な検査を速やかに行っています。院内にて心電図検査で不整脈の有無や種類をその場で確認できるほか、症状が出たり消えたりする場合には24時間ホルター心電図による詳細な不整脈の評価も可能です。また、心臓の構造やポンプ機能を評価する心臓超音波検査(心エコー)も同日に実施できます。血液検査による心不全マーカー測定や胸部レントゲン検査なども含め、当日中に必要な循環器検査を受けていただけるのが当院の強みです。こうした検査により狭心症や心不全など心臓の病気がないかをその日のうちに評価できるため、早期に不安を解消することができます。万一検査で異常が見つかった場合には、その後の専門的治療について適切な医療機関と連携し対応いたしますのでご安心ください。
更年期障害への治療とプラセンタ療法
更年期障害による動悸と診断された場合、その症状緩和のための治療法はいくつかあります。まず基本となるのは生活習慣の改善やストレスケアです。規則正しい生活や適度な運動は自律神経を安定させ、更年期症状の緩和に役立ちます症状が強い場合には、ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬(例えば当帰芍薬散や桂枝茯苓丸など)、必要に応じて抗不安薬の処方が検討されます。こうした治療と並行して、
更年期障害の治療選択肢の一つにプラセンタ療法があります。
プラセンタ注射とは、ヒト胎盤から抽出された有効成分を含む注射薬(当院ではラエンネック製剤を使用)を定期的に投与する治療です。プラセンタには自律神経やホルモンのバランスを調整し、体の自然治癒力(免疫力や抵抗力)を高める作用があることが知られています。また、厚生労働省から更年期障害の治療薬として認可も受けており、定期的に注射を行うことで幅広い更年期症状の改善が期待できます。プラセンタ療法はほてりや倦怠感だけでなく動悸や睡眠障害など様々な更年期の不調を和らげるケースが報告されています。
症例紹介:50代女性・プラセンタ注射で動悸が改善した例
最後に、当院で治療を行った患者様の一例をご紹介します。50代のAさんは、閉経前後から静かにしていても突然胸がドキドキする発作に悩まされていました。典型的な更年期症状(ほてり・発汗、不眠など)も見られましたが、「心臓の病気ではないか」と不安に感じ当院を受診。来院当日に心電図と心エコー検査を行った結果、心臓に明らかな異常はなく、心疾患の心配はありませんでした。
Aさんの動悸は更年期に伴う自律神経失調によるものと考えられ、プラセンタ注射を週1〜2回のペースで開始しました。すると数週間で動悸発作が減少し、一ヶ月後にはほとんどし自覚症状を認めることは無くなりました。Aさんも『検査で心臓に問題がないと分かり安心しました。プラセンタのおかげでつらい動悸が治まり、本当に助かりました』と喜んでいます。現在も定期的にプラセンタ注射を続け、更年期症状のケアを行っています。
動悸や不整脈でお悩みの方へ:まとめ
更年期の時期に見られる動悸や不整脈の多くは、ホルモンバランスの変化に伴う一時的な自律神経の乱れによって引き起こされることが多く、過度に心配する必要はありません。とはいえ、実際に症状があると「このままで大丈夫なのか」と不安になったり、「年齢的なものだから仕方ない」と見過ごしてしまったりする方も少なくありません。
しかし、更年期の年代は同時に、心臓の病気や高血圧、不整脈などが現れやすくなる時期でもあります。特に心房細動や狭心症など、早期発見が重要な疾患が隠れているケースもあり、自己判断で放置するのはとても危険です。だからこそ、症状が気になった時点で一度きちんと検査を受け、心臓に異常がないかを確認しておくことが、安心と健康の第一歩となります。
本多内科医院では、循環器専門医が常駐し、更年期女性に特有の動悸や不整脈に対して丁寧な問診と的確な診察を行っています。当院の特徴は、心電図・心エコー・ホルター心電図など、心臓に関する検査をすべて同日に受けていただける体制が整っている点です。
受診した日に心エコー検査を行い、明らかな心臓の異常がないことを確認することは安心へと繋がります。当院では画像を一緒に見ていただきながら説明を行っております。
また、更年期に伴う動悸が心臓の病気ではなかった場合でも、症状のつらさは決して軽視すべきものではありません。当院では保険適用のプラセンタ注射をはじめとした、更年期障害に対する治療も行っており、心と体のバランスを整えるお手伝いをしています。実際に、動悸の症状で来院された多くの方が、検査によって安心を得た上で、プラセンタ治療により症状の改善を実感されています。
「動悸が続いてつらい」「更年期かもしれないけれど心臓も心配」「どこに相談してよいか分からない」——そうした悩みをお持ちの方こそ、ぜひ一度、当院にご相談ください。更年期の時期を不安なく、前向きに過ごすために。本多内科医院が全力でサポートいたします。どうぞお気軽にご来院ください。あなたの「この動悸って更年期?それとも心臓?」という疑問に、私たちがしっかりとお応えします。
🏥 診療科:内科、循環器内科
🔷 総合内科専門医、循環器内科専門医
📍 Myクリニック本多内科医院(横浜市神奈川区反町4丁目27-1)
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ワクチンの予約に使用できる他、今後多方面での展開を考えております。
監修: Myクリニック本多内科医院 院長 本多洋介