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夏に流行しやすい感染症

夏に流行しやすい感染症

梅雨から夏にかけては、高温多湿を好むウイルスや細菌が活発になり、さまざまな感染症が流行します。代表的なものとして、いわゆる「夏風邪」と呼ばれる手足口病や咽頭結膜熱(プール熱)、ヘルパンギーナなどがあります。これらは主に子どもがかかりやすく、発熱やのどの痛み、水ぶくれなどの小さな発疹が特徴ですが、通常は特に治療せずに数日で自然に回復します。また、夏は食べ物が傷みやすいため、細菌性の食中毒も増加傾向にあります。食中毒といっても程度は様々で、下痢や嘔吐、血便を伴うことがあり、乳幼児や高齢者では重症化する場合もあります。
  • 手足口病 – エンテロウイルスの感染で起こり、手のひら・足裏・口内に米粒大の発疹ができます。発熱は軽く、発疹には痛みが出ることもあります。感染者の咳やくしゃみからの飛沫感染、便からの感染によりうつることが多いです。手足口病は、学校保健安全法で出席停止が定められている感染症ではありません。そのため、発疹が残っていても、症状が落ち着いていれば登園・登校は可能です。ただし、症状が治まった後も2~4週間は便からウイルスが排泄されるため、周囲への感染の可能性があります。登園・登校については、本人の状態や周囲の流行状況などを考慮して判断する必要があります。
  • 咽頭結膜熱(プール熱) – アデノウイルス感染が原因で、38~39℃の高熱とのどの痛み、結膜炎(目の充血)を伴います。プールを介して感染することもあるため「プール熱」とも呼ばれ、夏場(6月~8月)に増加します。プール熱は学校保健安全法で出席停止が定められている第二種感染症です。症状が消えてから2日を経過するまで、登校・登園はできません。
  • ヘルパンギーナ – コクサッキーウイルス(エンテロウイルスの一種)が原因で、突然39~40℃の高熱が出て、のど奥に小さな水疱性発疹ができます。1~4歳の幼児に多く、激しいのどの痛みや食欲不振、頭痛などを伴うことがあります。ヘルパンギーナは学校保健安全法で出席停止期間が定められている感染症ではありません。しかし、症状が治まるまで、特に発熱や喉の痛みがある間は、登園・登校を控えることが推奨されます。
  • 伝染性膿痂疹(とびひ) – 皮膚に細菌(主にブドウ球菌)が感染して起こる疾患で、小さな水疱ができてかさぶたになります。掻きこわすと周囲に感染が広がりやすく、プールなどでは直接肌が触れることで悪化・感染拡大する恐れがあるため注意が必要です。伝染性膿痂疹(とびひ)は、学校感染症の第三種に分類されますが、出席停止が義務付けられている病気ではありません。病変部をガーゼや包帯で覆うなど適切な処置を行い、他の人にうつす可能性が低い状態であれば、登園・登校は可能です。ただし、病変が広範囲に及ぶ場合や全身症状がある場合は、医師の判断で学校を休むことを支持する場合もあります。
  • 食中毒 – サルモネラやカンピロバクター、黄色ブドウ球菌などが原因で、汚染された食品(特に加熱不足の肉・魚、放置した弁当など)を食べることで発症します。激しい腹痛や下痢、発熱、血便などを起こし、症状が続く間は脱水に注意が必要です。食中毒の潜伏期間は原因となる細菌やウイルスによって異なります。例えば、サルモネラやカンピロバクターは通常6~72時間で症状が現れ、ノロウイルスは24~48時間、黄色ブドウ球菌による食中毒は数時間以内に発症します。

感染経路や発症のメカニズム

夏のウイルス感染症は主に 飛沫感染接触感染(経口感染) で広がります。例えば、咳やくしゃみで口や鼻のウイルスが飛び、近くの人が吸い込むことで感染します。また、手足口病やヘルパンギーナでは患者の便や唾液にウイルスが含まれているため、汚染された手指で口元を触ると感染します。咽頭結膜熱では感染者の目やに・唾液にもウイルスが含まれており、ご家庭内でのタオルやおもちゃを介した接触感染も多いことが知られています。これらのウイルスが体内に侵入すると粘膜で増殖し、免疫反応により発熱や炎症(のどの痛み、発疹など)を引き起こします。 一方、食中毒は 経口感染 が主なルートです。夏は気温上昇で食品の腐敗・細菌増殖が起こりやすくなります。例えば、バーベキューなどで加熱が不十分な肉や魚を食べるとサルモネラやカンピロバクターによる食中毒が起きやすいです。特に鶏肉や卵には注意が必要です。黄色ブドウ球菌が作る毒素も夏場の弁当などで食中毒の原因になり得ます。ウイルス性胃腸炎(ノロウイルスなど)も嘔吐物や便を介して感染するため、食品や調理器具の衛生管理も同様に重要です。

予防法

夏の感染症を防ぐには、基本は 手洗いうがい衛生管理 です。外出から戻ったら石鹸で十分に手を洗い、ウイルスを流水で洗い流しましょう。咳エチケット(マスク着用や咳をハンカチ・袖で覆う)も有効です。感染の兆候がある場合には、タオルや食器は家族と共用せず、洗濯や食器洗浄の際は他のものと分けて高温で洗うようにしましょう。プール熱や手足口病では、患者と同じタオルを使用しないこと、密に接触するのを避けることで、感染拡大を抑えられます。 食中毒予防としては、調理時の衛生管理が欠かせません。生ものは鮮度を保ち、調理後はすぐ冷蔵保存する、食材は中心部までしっかり加熱するといった基本を徹底しましょう。作り置きの食べ物の常温保存は絶対に避けましょう。調理器具やまな板はよく洗い、まな板は使い分けることも有効です。また、家庭内の掃除や換気も忘れずに行い、特にキッチンやトイレの清潔を保つことでウイルス・細菌の蔓延を防ぎます。 体調管理も重要です。夏場は冷房で体を冷やしすぎて免疫力が低下しやすいため、室温は適度に設定し、外との温度差に注意しましょう。こまめな水分補給で体内の循環を保ち、栄養バランスの良い食事と十分な睡眠で抵抗力を高めることも大切です。不規則な生活は体調を崩しやすくなります。

熱中症との違い

最近、熱が出たから熱中症だと思うとおっしゃり、病院に受診され、調べた結果、感染症による発熱であったというケースが散見します。夏によくみられる熱中症と感染症は、原因と症状の現れ方が大きく異なります。熱中症は暑い環境下で体温が制御できなくなり、大量の発汗による脱水や電解質異常が原因で起こります。激しい運動や外出直後に急激に体調が崩れ、高体温(40℃近くに達することも)やけいれん、意識障害など重篤な症状を呈するのが特徴です。皮膚は熱く乾燥し、汗がかけなくなることも多いです。 これに対し、感染症による発熱は病原体と戦う炎症反応が原因で、通常は徐々に症状が現れます。感染時は鼻水・咳・のどの痛みなど、炎症に伴う症状が出やすく、リンパ節の腫れや関節痛、寒気を伴うこともあります。また、感染症の場合は発熱時に体が汗をかいて熱を下げようとするため、皮膚は湿っていることが多いです。一方、熱中症では寒気や震えなどの症状は一般に見られません。 まとめると、熱中症は「暑さ・脱水」が原因で皮膚が熱く乾燥する急性疾患であり、感染症は「ウイルスや細菌」が原因で咳やのどの痛みなど炎症症状を伴ってゆっくり発熱する違いがあります。確かに咳や痰や喉の痛み、お腹の症状などが目立たない場合は、何が原因か判断に悩む場合があります。判断に迷った場合は、まず涼しい場所で休み水分・塩分を補給し、症状が続くようなら早めに医療機関を受診しましょう。

受診の目安と家庭でできる対策

夏の感染症では、多くの場合家庭で安静と対症療法で回復しますが、症状が重い場合は医療機関を受診してください。次のような場合は早急に受診を検討しましょう:
  • 高熱(38℃以上)が数日続く、あるいは水分を摂れないほどのどが渇いている
  • 嘔吐や下痢が激しく、脱水症状が疑われる
  • 呼吸が苦しそう、ひどい咳や痰が続く
  • 激しい頭痛、腹痛、首が痛くなる(髄膜炎の兆候)
  • 意識がもうろうとする・けいれんする・激しくぐずる(子ども)
特に小さい子どもや高齢者は症状が急変しやすいため注意が必要です。普段と違う様子が見られたり、ぐったりして水分をとれないようであれば、早めに受診しましょう。なお、熱中症が疑われる場合も冷却・水分補給を行い、できるだけ早く医療機関で診断を受けることが大切です。

家庭での一般的な対策

家庭での一般的な対策としては、まず十分な水分補給と安静を心がけます。発熱時や下痢・嘔吐時は脱水が進みやすいため、スポーツドリンクや経口補水液などで塩分も補いながらこまめに水分をとりましょう。一度に大量に飲むと嘔吐してしまう場合もあり、少量を何度にも分けて飲むほうが体に負担がかかりません。また、食欲がなくても消化の良いおかゆやスープ類を薄めて与えるなど、体に優しい食事を心がけましょう。睡眠と栄養を十分にとり、体力回復に努めることも重要です。 発熱時には、冷やし過ぎに注意しつつ首や脇の下、足の付け根など大きな血管が通る部分を冷却する方法が効果的です。例えば、水で濡らしたタオルや冷たいタオルを首筋や脇の下にあて、体温を徐々に下げましょう。氷水などで急激に冷やすと血管が収縮して熱を逃がしにくくなるので、緩やかに冷やすことがポイントです。

感染症が疑われる場合の家庭内感染拡大防止

感染症が疑われる場合には、家庭内での感染拡大防止も忘れないようにしましょう。症状のある人はマスクを着用し、タオルや食器は別にし、可能であれば別室で休ませましょう。家族がこまめに手を洗い、アルコール消毒をする、換気を良くして湿度管理をすることで、家庭内感染を防ぐことができます。

感染症の予防には基本対策を徹底しましょう

感染症の予防には、「夏風邪予防」としての基本対策も有効です。外出後の手洗いうがいや咳エチケットを徹底し、規則正しい生活で体調を整えましょう。 体調管理と衛生対策を心がけて、元気に夏を乗り切りましょう。 体調不良でお困りの際には我慢せず、神奈川区横浜市反町にある「Myクリニック 本多内科医院」にご相談ください。

📞 電話:045-755-3039

📧 メール:mychondaiin@gmail.com

📍 Myクリニック本多内科医院(横浜市神奈川区反町4丁目27-1)

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監修: Myクリニック本多内科医院 院長 本多洋介

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