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尿が泡立つのは糖尿病のサイン?正しい知識と対処法を医師が解説

尿が泡立つのは糖尿病のサイン?正しい知識と対処法を医師が解説

トイレで自分の尿に泡が立っているのを見て、「もしかして糖尿病のサインでは?」と不安になったことはありませんか?尿が泡立つ現象は、一時的な生理現象で異常ではない場合もあれば、体の異常を示すサインの場合もあります。病気の場合には腎臓の病気や糖尿病、尿路感染症などが隠れている可能性もあるため注意が必要です。 本記事では、尿が泡立つ原因を生理的な場合と病的な場合に分けて解説し、糖尿病や腎臓疾患との関係、受診の目安と対処法について医師がわかりやすく説明します。泡立つ尿が気になる方はぜひ最後までお読みいただき、ご自身の健康状態の確認の参考にして頂ければと思います。

尿が泡立つ原因:生理現象の場合と病気の場合

尿が泡立つ症状は、尿中に混ざる成分や排尿時の状況によって起こります。一時的で問題のない場合もあれば、体の不調のサインとなる場合もあります。ここではまず、生理的(病的ではない)原因と、注意が必要な病的原因に分けて見ていきましょう。

生理的な原因で尿が泡立つこともある

誰にでも起こり得る生理的な理由で、尿に泡が生じる場合があります。主な原因は次のとおりです。
  • 水分不足(脱水):体内の水分が不足して尿が濃くなると、泡立ちやすくなります。暑い夏の時期や、発熱や下痢などで脱水状態になることも原因となり得ますが、十分な水分補給を行えば尿の濃度は正常に戻り、泡立ちも改善します。
  • 排尿の勢い:勢いよく排尿すると尿が空気と混ざり、物理的に泡が生じることがあります。男性で立って排尿する場合など、強い尿流によって一時的に泡立つことは珍しくありません。
  • 洗浄剤や石鹸の残り:意外な理由ですが、便器内のトイレ洗浄剤や石鹸成分が残っていると、それと尿が反応して泡立つことがあります。清掃後や入浴後の排尿で泡が出た場合は、洗剤の影響かもしれません。ご家族の様子も聞いてみるのが良いでしょう。
  • 一時的なタンパク尿:激しい運動をした後や高熱が出た時など、一時的に尿中のタンパク質が増えることで尿が泡立つことがあります。これは運動や発熱により一過性に腎臓に負荷がかかるためで、病的な所見ではありません。休息すれば速やかに改善するのが通常です。
このような生理的原因による泡立ちは、泡が細かくても数分以内に自然に消えるのが特徴です。まずは落ち着いて様子を見て、水分が足りない、少し脱水気味である場合には、水分をしっかり補給してみましょう。水分摂取によって尿が薄まり、泡立ちが治まるケースはよくあります。水分補給によって泡立ちが無くなるようであれば一旦様子を見ていただいて問題ありません。

病気が原因で尿が泡立つ場合は要注意

一方で、体の不調や病気が原因で尿が泡立つこともあります。とくに以下のような場合は注意が必要です。
  • 腎臓の機能低下によるタンパク尿:腎臓は本来、血液をろ過して浄化することが役割です。この腎臓の血液をろ過する機能が低下すると、本来体内に留まるべきタンパク質が尿中に漏れ出てしまい「蛋白尿」が生じます。尿中にタンパク質が増えると界面張力の変化で泡立ちやすくなり、細かい泡がたくさんできてなかなか消えないのが特徴です。慢性腎臓病(CKD)や糸球体腎炎、糖尿病性腎症など腎臓自体の病気ではタンパク尿により尿が泡立つことがあります。腎臓病は初期には自覚症状が乏しいため、尿の泡立ちが数少ないサインとなる場合もあります。細かい泡がたくさんできてなかなか消えない状態が何日も続くようであれば医療機関の受診を考えましょう。
  • 糖尿病・高血圧など生活習慣病による腎障害:高血圧や糖尿病といった病気が長く続くと腎臓の血管が傷み、腎機能の低下、蛋白尿を引き起こすことがあります。生活習慣病をお持ちの方で尿が泡立つことが続く場合には腎臓の機能や尿検査のチェックを検討してください。
 
  • 尿路感染症(膀胱炎など):細菌感染による尿路の炎症でも尿が泡立つことがあります。感染が起こると尿中に白血球や膿が増え、尿が濁ったり臭いが強くなったりするため泡立ちを伴うことがあります。この場合、排尿時の痛みや頻尿、残尿感、発熱などの症状を伴うのが通常で、放置せず早めに医療機関で治療を受けることが重要です。
  • その他の原因:まれに肝臓疾患で尿中に胆汁成分が排出され泡立つ場合や、血液のがんである多発性骨髄腫などで異常に増えたタンパク質が尿中に出て泡立つ場合もあります。これらは頻度としては決して高くありませんが、泡立つ尿の背景に他の病気が潜んでいる可能性も念頭に置く必要があります。

尿が泡立つ症状と糖尿病の関係

「尿が泡立つ=糖尿病?」と心配される方も多いですが、実際、糖尿病は尿の泡立ちと深い関係があります。糖尿病になると血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が常時高くなり、腎臓から余分な糖が尿中に漏れ出る「尿糖が陽性」の状態になります。一般的に糖が尿と一緒に出てくるのは、血糖値が160mg/dlを超えた段階です。尿に糖が増えることで尿の粘度が高まり、泡立ちやすくなることがあります。尿が甘酸っぱいような、甘い臭いがする場合は、尿中の糖が増えているサインかもしれません。しかし、尿のにおいは食事やサプリメントの影響を受けることも多いため、実際にはにおいだけで糖尿病かどうか判断するのは困難と言えます。 尿の泡立ちは糖尿病の初期症状の一つとして知られており、実際、血糖のコントロール状況によって尿糖が多い日少ない日があるため、「泡立つ日」と「泡立たない日」が出ることもあります。特に果物や清涼飲料、ジュースなど糖分の多いものを摂取した後に尿の泡立ちが強く見られるようであれば、糖尿病の可能性を疑う必要があります。 糖尿病は初期では自覚症状に乏しい病気ですが、以下のような典型的な症状が現れることがあります。
  • 喉の渇き(口渇)や水をよく飲むようになる
  • 尿の回数が多い
  • 急激な体重減少(食事量は変わらないのに痩せてくる)
  • 疲れやすい、だるい などの全身症状

「見逃しがちな糖尿病の初期症状とは?早期発見のためのポイント」はこちらの記事ご覧ください
見逃しがちな糖尿病の初期症状とは?早期発見のためのポイント もし尿の泡立ちに加えてこれらの症状が同時に見られた時は、糖尿病を発症している可能性も考えましょう。健診でこれまでに糖尿病予備軍と言われている場合、ご家族に糖尿病の方が多くいらっしゃる場合には特に注意が必要です。「もしかして糖尿病かも?」と感じたら、早めに医療機関を受診して血液検査や尿検査を受けることをおすすめします。尿検査で尿糖の有無を調べれば糖尿病の兆候は比較的簡単に確認できます。また、血液検査で血糖値やHbA1cを測れば正確な診断が可能です。早期に発見できれば食事療法や運動療法を含めた生活改善と適切な薬物療法によって、糖尿病の進行を食い止め合併症を防ぐことができます。尿の泡立ちは放置せず、これまで述べてきた項目で気になるところがあれば、一度医療機関に相談してください。
「糖尿病は防げる!原因から学ぶ、今日からできる生活改善5選」に関してはこちらの記事もご覧ください。

尿が泡立つときの対処法:受診の目安とセルフチェック

尿が一時的に泡立っただけで他に症状がなく、すぐ泡が消える場合は過度に心配しすぎる必要はありません。まずは前述の生理的な原因に心当たりがないか振り返り、水分を十分に摂って様子を見てみましょう。それでも尿の泡立ちが何日も続く場合や、明らかに普段と違う尿の変化・体調の変化がある場合は、早めに医療機関で相談することをおすすめします。次のような場合は受診を検討してください。
  • 泡立ちが持続する:泡立ちが数日以上続く、あるいは日に日に泡の量が増えている。一過性ではなく慢性的に尿の泡立ちが続く場合は病的な原因が隠れているかもしれません。
  • 尿の色や匂いの異常:尿が白く濁っている、赤みがある、あるいは甘い匂いやアンモニア臭など異常な臭いを伴う場合は気を付けましょう。この場合、尿に何らかの物質が混入しているサインの可能性があります。
  • 痛みやむくみ等の症状:背中や腰の痛みや下腹部痛を感じる、顔や足にむくみが出ている場合も注意が必要です。これらの症状は腎臓や尿路の異常を示唆します。
  • 持病のある方で症状が悪化:糖尿病や高血圧といった持病がある方で、最近尿の泡立ちが強まってきた。生活習慣病が身体に負担をかけて、腎機能低下が進行している可能性があります。
上記のような症状に気づいたら、早めに専門医に相談しましょう。原因を自己判断で見極めるのは難しいため、少しでも不安がある場合は医療機関を受診して検査を受けることをおすすめします。受診する診療科に迷う場合は、尿の悩みであっても、まずは内科を受診すれば大丈夫です。尿検査で尿タンパクや尿糖の有無を調べれば、かなり早い段階で原因の手がかりを得ることができます。検査の結果、尿の泡立ちとタンパク尿が両方確認された場合は腎臓の病気が、泡立ちと尿糖が確認された場合は糖尿病の可能性が高くなります。また、泡立ちに加えて尿潜血や白血球増加、同時に残尿感や排尿痛が認められれば尿路感染症が疑われます。このように当日に簡単にできる検査出る尿検査が原因を調べることにつながり、適切な治療方針を立てることができます。

本多内科医院での症例紹介:尿の泡立ちから分かったこと

当院(横浜市神奈川区 本多内科医院)にも、「尿の泡が気になる」という理由で受診される方がいらっしゃいます。最後に、実際に当院であったケースを2例ご紹介します。同じ「尿の泡立ち」に不安を感じて来院された方ですが、それぞれ原因や結果は異なりました。

ケース1:尿の泡立ちが気になり受診、検査異常なし(脱水が原因)

50代の男性患者様が「最近トイレで尿に泡が立つ」と心配して当院を受診されました。尿検査と血液検査を実施しましたが、腎機能や血糖値などに明らかな異常はなく、尿タンパクや尿糖も検出されませんでした。総合的に見て深刻な病気の兆候はないと判断し、生活状況を詳しく伺ったところ、日中あまり水分をとらない生活習慣があり、尿の色が濃いことがわかりました。この患者様の場合、脱水による尿の濃縮が泡立ちの原因と考えられました。水分補給の重要性を説明し、時間を決めて水分摂るようにして頂き、経過を見ていただいたところ、その後尿の泡立ちは改善し、不安も解消しました。

ケース2:健診に行っていなかった方が尿の泡立ちで受診、糖尿病と判明

健康診断を長年受けておらず体調に不安を感じていた60代女性の患者様が、「尿の泡がなかなか消えない」とのことで当院を受診されました。お話を伺うと、ここ数ヶ月で喉の渇きが増え体重も少し減った気がするとの訴えがありました。直ちに尿検査を行ったところ尿糖と尿タンパクが陽性で、さらに血液検査でも高血糖が認められました。その場で測定した血糖値とHbA1cの値が10.1%と明らかな糖尿病であったため、2型糖尿病と診断し、その日から血糖コントロールの治療を開始しました。幸い腎臓の機能はまだ保たれていましたが、患者様は「糖尿病と言われて最初は怖かったけれども、尿の泡のおかげで病気に気づけてよかった」とおっしゃっており、以後、糖尿病の治療のため定期的に通院されています。尿の泡立ちという症状がきっかけで糖尿病を早期発見できたケースと言えるでしょう。

本多内科医院の強みと受診するメリット

  • 予約不要ですぐに受診可能本多内科医院は月曜日から土曜日まで毎日開院しており、予約なしで直接ご来院いただけます。体調に不安を感じたときに「すぐ受診できる」体制を整えているため、思い立ったタイミングでご相談いただけます。尿の異常を主訴にいらっしゃった場合には、待ち時間を短縮できるように、先に尿検査をさせて頂く場合もあります。
  • その日に必要な検査が受けられます:院内の検査設備が充実しており、尿検査はもちろん血糖値やHbA1cなど糖尿病関連の検査も当日中に測定可能です。結果をその場で速やかに確認できるため、初診の日に原因の大まかな見立てと今後の治療方針についてお伝えすることができます。当日日に糖尿病かどうかが判明することは患者さんにとって大きなメリットだと考えています。
  • 循環器専門医による総合的なサポート当院は循環器内科専門医が診療を行っています。糖尿病は動脈硬化性疾患(高血圧、脂質異常症、心臓病、脳卒中など)とも深く関係するため、血圧管理やコレステロール管理、心臓の疾患のチェックまで含めた総合的な医療をご提供できます。糖尿病の方で動悸や胸の痛みなどの気になる症状がある場合も、当院で検査・評価が可能です。その上で精密検査の必要があれば信頼できる総合病院の先生をご紹介させて頂きます。当院では生活習慣病全般を踏まえて、合併症予防まで見据えたケアに努めています。
尿の泡立ちが気になっている方は、お一人で抱え込まずにぜひ当院へご相談ください。本多内科医院(横浜市神奈川区 東急東横線 反町駅徒歩4分)では地域の「かかりつけ医」として皆様の不安に寄り添い、必要な検査・治療を迅速に行っております。 早めの受診によって原因を特定し適切な対処をすることで、大きな病気を未然に防ぐこと、検査結果が問題なかった時には安心感へもつながります。尿の泡立ちが気になったら、お気軽にご来院ください。私たち医師・スタッフ一同、皆様の健康を全力でサポートいたします。  

📞 電話:045-755-3039

📧 メール:mychondaiin@gmail.com

🏥 診療科:内科、循環器内科

🔷 総合内科専門医、循環器内科専門医

📍 Myクリニック本多内科医院(横浜市神奈川区反町4丁目27-1)

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監修: Myクリニック本多内科医院 院長 本多洋介

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