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高血圧と頭痛:放っておくと危険な症状とは?医師が解説

高血圧と頭痛:放っておくと危険な症状とは?医師が解説

「頭痛が続き、血圧も高い……受診すべきか迷う」。そんなときに、一番つらいのは“判断”そのものではないでしょうか。高血圧は多くが無症状のまま進みますが、頭痛を伴うときには見逃したくないサインが隠れていることがあります。本記事では循環器内科専門医の立場から、受診の判断基準、放置した場合のリスク、受診前にできるセルフチェックまで、順序立ててわかりやすくご説明します。

頭痛と高血圧の関係を整理しましょう

まず知っておきたいのは、一般的な高血圧そのものが頭痛の直接原因であるとは限らないことです。人の脳には血流を一定に保つ「自動調節」という仕組みがあり、ある程度の血圧変動では頭痛は起きにくいと考えられています。一方で、
  • 突然の激しい頭痛(雷鳴様)
  • 片麻痺・ろれつ障害・視野の欠け・意識がもうろうといった神経症状を伴う頭痛
  • 発熱や項部硬直、けいれん、頭部外傷後、妊娠中・産後に起きる頭痛
は、脳出血・くも膜下出血・高血圧性脳症などの二次性頭痛の可能性があり、早急な評価が必要です。もともと片頭痛や緊張型頭痛がある方でも、いつもと違う頭痛であれば二次性頭痛を完全に否定できません。「いつもと違う症状である」ということは重要なキーワードです。
片頭痛に関してはこちらの記事もご覧ください
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いますぐ受診を考える「レッドフラッグ」

次のチェックリストは、救急受診を検討するサインです。1つでも当てはまれば、ためらわずに受診をご検討ください。
  • 今までにない突然の激痛、秒〜分でピークに達する頭痛
  • 身体の片側が動かしにくい・しびれる、ろれつが回らない、視野が欠ける、急な視力低下、意識障害、けいれん
  • 発熱+頭痛+うなじ(後頭部)のこわばり
  • 頭をぶつけた直後/数日内の頭痛の増悪
  • 妊娠中・産後に新規発症または明らかな悪化
  • がん・免疫不全がある/高齢になってから初めての頭痛
数値はあくまで目安です。血圧計で高値が出ても、症状の質や程度によって緊急度は大きく変わります。迷ったときは安全を考えて、医療機関に受診することを優先しましょう。

受診の判断の流れ

  1. 頭痛+レッドフラッグがある → 救急外来へ。特に著明な高血圧に急性の臓器障害(脳・心・腎・眼)が疑われるときは高血圧緊急症の可能性があります。目安として収縮期180mmHg/拡張期120mmHg前後以上で神経症状や胸痛・呼吸困難・視覚異常などがあれば、速やかな医療機関での評価が必要です。
  2. 頭痛はあるが、明らかな臓器障害のサインがない → いったん安静にして5分以上置き、姿勢を整えて血圧を再測定します。緊張・痛み・カフェインで一時的に上がることもあります。落ち着いたら当日〜数日以内に内科・循環器内科で評価を受けましょう。
  3. 慢性的に血圧が高め/頭痛と上昇が重なりやすい → 家庭血圧の記録が診療に役立ちます。朝(起床1時間以内・内服前)と就寝前に各1〜2回を1週間測り、記録した血圧を外来にお持ちください。医師は数値だけでなく、頭痛の時間帯や誘因との関係も合わせて判断します。

高血圧を伴う頭痛を放置した場合のリスク

短期的には、著しい血圧上昇に臓器障害が重なる高血圧緊急症に進展し、脳出血・心筋梗塞・急性腎障害・視力障害などを招くおそれがあります。これは時間との勝負です。中長期的には、症状が目立たなくても脳卒中(脳梗塞・脳出血)、心不全、慢性腎臓病の進行、網膜症などの合併症リスクが積み上がっていきます。治療は生活習慣の見直し(減塩・節酒・体重管理・睡眠・運動)を土台に、必要に応じて単剤または配合剤による薬物療法を段階的に調整してします。治療目標や薬の選択は年齢・合併症・服薬状況などによって変わってくるため、これらを踏まえて個別に決めていきます。

自宅でできるセルフチェックと受診前の準備

  1. 血圧を測定する環境を整えましょう 排尿を済ませ、5分間安静。背もたれのある椅子に座り、足は組まず、腕は心臓の高さで支持します。カフは測定のズレが起きにくい、上腕タイプをおすすめします。
  2. 測定のしかた 朝(起床1時間以内・内服前)と就寝前に各1〜2回、1週間測定します。連続で2回測ったときは平均を取り、血圧を測っている間はテレビを見たり、会話することは控えましょう。
  3. 一緒に記録したいこと 頭痛の発症時刻・性状(ズキズキ/締め付け)・持続時間、鎮痛薬やカフェイン飲料・エナジードリンクの摂取、睡眠時間、薬の飲み忘れ、ストレスや脱水の有無など。数値と症状の並行記録が診断の補助や助けになります。
  4. 救急受診の目安 レッドフラッグに該当/180/120mmHg前後の高値が繰り返す/視覚異常・神経症状が出現——こうした場合は救急外来の受診を検討してください。

本多内科医院でできること(横浜市神奈川区)

当院(本多内科医院)は予約不要です。思い立った日に受診いただけます(診療状況によりお待ち頂く可能性はあります)。循環器内科専門医が次のような流れで丁寧に評価します。
  • 問診・診察:頭痛の経過、既往歴、降圧薬・鎮痛薬・サプリやカフェインの影響、睡眠やストレスを確認します。
  • 検査:必要に応じて心電図、血液・尿検査などを行い、脳・心・腎・眼に臓器障害のサインがないかを層別化します。
  • 家庭血圧の評価:家庭血圧の記録と頭痛のタイミングを照らし合わせて治療方針を検討します。血圧測定の手技に不安がある方は一緒に確認致します。
  • 治療:ガイドラインに基づく生活習慣の調整と薬物療法を、必要性に応じて段階的に決定します。脳血管疾患や高血圧緊急性が疑われ、救急での評価が望ましいと判断した場合は、連携医療機関へ迅速に紹介いたします。
「薬は最小限にしたい」「まずは測定のやり方を整えたい」「配合剤に切り替えるべきか悩む」などのご希望も遠慮なくお伝えください。患者さんの価値観やご要望と医学的な見地の双方を踏まえて治療を進めます。
生活習慣病の食事療法についてはこちらもご覧ください。

よくある質問(FAQ:セルフチェックを含む)

Q1.「高血圧の頭痛」に特有のパターンはありますか? A. 多くの高血圧は無症状で、頭痛の直接原因とは限りません。ただし突然の激痛や神経症状を伴う場合は二次性頭痛を疑います。いつもと違う・不安が強いときは受診してください。 Q2. どの数値なら救急に行くべきでしょうか? A. 収縮期180mmHg/拡張期120mmHg前後を1つの目安とし、麻痺・意識障害・視覚異常・胸痛・呼吸困難などがあれば救急受診を検討します。数値のみではなく症状の有無を優先して判断します。「いつもと違う症状である」ということは重要なキーワードです。 Q3. 鎮痛薬は飲んでも大丈夫ですか? A. アセトアミノフェンが選択肢になることがありますが、自己判断での連用は避けましょう。NSAIDsは血圧や腎機能に影響する場合があり、服用中の降圧薬との相互作用にも注意が必要です。外来でご相談ください。 Q4. 家庭血圧はどう役立ちますか? A. 朝晩の記録は診療室単回測定より日常の状態を反映しやすく、治療効果の評価や薬の調整に役立ちます。家での血圧は正常だが病院だと高い「白衣高血圧」、家では高いが病院では低い「仮面高血圧」という状況もありますので、家庭血圧の記録は治療の大きな助けになります。 Q5. 外来に行く前のセルフチェックは? A. 1週間分の家庭血圧、頭痛のメモ(時間帯・性状・誘因・随伴症状)、内服・サプリ、カフェイン摂取、睡眠、レッドフラッグの有無を整理してお持ちください。細かな記録が難しい場合には可能な限り、外来で医師に病状や症状のタイミングを伝えてください。

まとめ:不安を一人で抱え込まないでください

  • 頭痛を伴う高血圧症の場合には、症状の質と脳・心臓・腎臓・眼などの臓器障害を疑わせる症状の有無で緊急度を判断します。
  • 迷うときは安全を取って早めの受診をお願い致します。
  • 家庭血圧の継続測定と専門医による評価が、安心して治療を進める第一歩です。

当院のご案内(横浜市神奈川区のクリニック)

本多内科医院(内科・循環器内科)は横浜市神奈川区にある地域のクリニックです。予約不要/総合内科・循環器内科専門医による安心の対応。頭痛と血圧の不安、測定のコツ、治療の相談まで、患者さんと話し合いながら進めます。アクセス、受付時間、初診時にお持ちいただくものは当院ホームページにも掲載しています。ご不明な点などあればお気軽にご相談ください。

📞 電話:045-755-3039

📧 メール:mychondaiin@gmail.com

🏥 診療科:内科、循環器内科

🔷 総合内科専門医、循環器内科専門医

📍 Myクリニック本多内科医院(横浜市神奈川区反町4丁目27-1)

この機会に下記の当院公式LINEをご登録ください。ワクチンの予約に使用できる他、今後多方面での展開を考えております。

監修: Myクリニック本多内科医院 院長 本多洋介

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参考文献

  1. Whelton PK, et al. 2017 ACC/AHA Guideline for High Blood Pressure in Adults. Hypertension. 2018.
  2. Umemura S, et al. Japanese Society of Hypertension Guidelines for the Management of Hypertension (JSH 2019). Hypertens Res. 2019.
  3. Do TP, et al. Red and orange flags for secondary headaches in clinical practice (SNNOOP10). Cephalalgia. 2019.
  4. World Health Organization. Guideline for the pharmacological treatment of hypertension in adults. 2021.
  5. Mancia G, et al. 2023 ESH Guidelines for the management of arterial hypertension. J Hypertens. 2023.
  6. Bress AP, et al. The Management of Elevated Blood Pressure in the Acute Care Setting. Hypertension. 2024.
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