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高齢者の在宅医療を支える訪問診療とは?特長と利用時の注意点

高齢者の在宅医療を支える訪問診療とは?特長と利用時の注意点

横浜市神奈川区の高齢化率は、横浜市全体の高齢化率よりも低いものの、上昇傾向にあります。2020年時点で、神奈川区の高齢化率は22.0%で、横浜市全体の高齢化率24.7%を下回っています. しかし、高齢者人口は増加しており、2025年には3,000人増加し、高齢化率も23%に達すると予想されています。 横浜市神奈川区でも進む高齢化に伴い、近年は自宅で医療を受ける「訪問診療(在宅医療)」のニーズが高まっています。 当院(Myクリニック本多内科医院)は地域の在宅診療クリニックとして訪問診療を提供しており、高齢のご家族を抱える方や介護関係者の皆様からのご相談も増えています。 今回の記事では、訪問診療(計画的な医師の自宅訪問による診療)のメリットとデメリットについて解説します。 ご家族やケアマネージャー、訪問看護ステーションのスタッフ、病院の退院支援担当の方々にも参考になる内容です。ぜひ選択の判断材料にしてください。 当院の訪問診療に関してはこちらのページもご覧ください

従来の医療との違いと訪問診療の必要性

従来の医療では、体調が悪くなると患者さん自らが病院やクリニックに通院し、診察・検査・治療を受けるのが一般的でした。健康な方や若い方であれば定期的な通院も難しくありません。しかし高齢者や障がいのある方の中には、身体機能や認知機能の低下により通院が困難なケースも多く見られます。 日本は高齢化が急速に進んでおり、2025年には65歳以上の高齢者人口が約3,500万人(うち75歳以上は約2,200万人)に達する見込みです。退院後に本来は自宅療養が可能な病状でも、高齢や障がいのために通院自体が難しく、自宅での療養継続が叶わないケースが増えると予測されています。しかし、すべての人が療養型病院や老人ホームなどの施設に入所できるわけではなく、病床や施設には限りがあります。このような背景から、近年は自宅で医療を受ける在宅医療が重要視され、急速に整備が進められています。 実際、在宅医療(訪問診療など)の需要は急速に拡大しており、患者が住み慣れた自宅で過ごせることや入院医療費の抑制につながるメリットから今後もこの傾向は続くとみられています。 訪問診療は在宅医療の中心的なサービスで、医師や看護師が定期的に患者さんの自宅を訪問して診療を行うものです(必要に応じて随時対応する「往診」と区別されます)。 通院が難しい患者さんにとって、自宅で計画的な診療が受けられる訪問診療は大きな支えとなります。

訪問診療のメリット

訪問診療には多くのメリットがあります。ここでは主なメリットを挙げます:
  • 住み慣れた自宅で療養できる 最大のメリットは、患者さんが自宅という安心できる環境で生活しながら治療を続けられることです。通院の負担が無くなり、ストレスの軽減や生活の質(QOL)向上につながります。病院ではなく自宅で家族と過ごせることで精神的な安定感が得られ、残された時間を本人の望む形で過ごすことができます。
  • 通院が不要になり負担軽減 通院のための移動や待ち時間が無くなるため、患者さん本人にも介護する家族にも負担が減ります。特に体力の衰えた高齢者にとって、毎回の通院が無いことは大きな利点です。また、外出機会を減らすことで病院での感染症リスクを避けられる点もメリットと言えます。
  • 多職種チームによる包括的ケア 訪問診療では医師だけでなく看護師やリハビリスタッフ、歯科医師、薬剤師、管理栄養士など様々な職種が連携し、患者さんを支えます。 例えば定期訪問時に看護師が褥瘡(床ずれ)予防や清拭などのケアを行ったり、必要に応じて歯科医師が訪問して口腔ケアや嚥下機能のチェックを行います。 歯科の関与は誤嚥性肺炎の予防に重要であり、栄養士による食事指導やリハビリ専門職による生活動作訓練も含めて、自宅で総合的なケアを受けられるのが強みです。 自宅という生活の場で行われるリハビリテーションは実践的で、日常生活で必要な能力の維持・向上に直結します。薬剤師が訪問して服薬状況を確認し、薬の飲み方や種類を調整するといった支援も受けられます。こうしたチーム体制により、患者さんは住み慣れた環境の中で継続的かつ包括的な医療サービスを享受できます。
  • 患者の希望に沿った療養が可能 病院とは異なり、自宅療養では生活リズムや習慣を極力維持できます。入院中はどうしても病院のルールに合わせた生活になりますが、自宅なら趣味の時間を持つなど本人の希望に沿った過ごし方ができます。自由度の高い環境で療養できることは、患者さんの尊厳や満足感を高め、精神的な安定にも寄与します。

訪問診療のデメリット

一方で、訪問診療には注意すべきデメリットや課題も存在します。主な点を挙げます:
  • 自宅で受けられる医療に限界がある 自宅での診療では、病院のような高度な検査機器や手術設備を使った医療行為は行えません。容体が急変した場合や高度な検査・処置が必要になった場合、入院や救急搬送が必要となります。 訪問診療の担当医が24時間連絡対応する体制があるため、救急車を呼ぶかどうかの適切な判断は可能になりますが、自宅での診療であるため、病院に入院している状況と比較した際には、急変時のリスクや限界があることをあらかじめ理解しておく必要があります。
  • 家族の介護負担が増える 自宅で療養する場合、日常の介護や見守りは家族の協力に大きく依存します。通院に代わって医師が来てくれるとはいえ、訪問日以外の時間帯は家族がケアを担う場面が多くなります。 たとえ本人が強く在宅療養を望んでも、同居家族の負担が大きくなりすぎると在宅療養の継続は困難です。 実際に訪問診療を開始しても、介護するご家族の負担が許容範囲を超えてしまえば中止せざるを得ないケースもあります。
  • 家庭の状況によっては実施が難しい場合も ご家族の協力体制だけでなく、自宅の環境や経済的条件によっては訪問診療を受けたくても難しいことがあります。 例えば介護用ベッドや住宅改修が整っていない、あるいは一人暮らしで支援者がいない場合などです。 ただし現在では自治体の制度や介護サービスにより、在宅療養に必要な福祉用具のレンタルや訪問介護サービスなども充実しつつあります。

訪問診療を検討する方へ – 選択のポイントと相談先

訪問診療には大きなメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあることを見てきました。すべての医療サービスに共通しますが、何かを選択するときには良い面と悪い面の両方を十分に考慮することが大切です。 在宅療養を続けるには、患者さん本人の意思だけでなく家族の意思統一や支援体制も欠かせません。迷う場合には、かかりつけ医や病院の医療相談員(退院支援室のソーシャルワーカー)、担当のケアマネージャーなどに率直に相談してみましょう。 プロの立場から、在宅療養の具体的なイメージや必要なサービスについてアドバイスを受けることができます。訪問看護ステーションや地域包括支援センターと連携して情報収集するのも有効です。 横浜市神奈川区で訪問診療をご検討中の方は、地域の在宅診療クリニックである当院・Myクリニック 本多内科医院までお気軽にご相談ください。 患者様とご家族が安心して在宅療養を送れるよう、多職種と連携しながら全力でサポートいたします。 訪問診療のメリット・デメリットを踏まえ、ぜひご本人とご家族にとって最善の選択をしていただければと思います。  

📞 電話:045-755-3039

📧 メール:mychondaiin@gmail.com

📍 Myクリニック本多内科医院(横浜市神奈川区反町4丁目27-1)

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監修: Myクリニック本多内科医院 院長 本多洋介

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