心不全の通院がつらいと感じる方へ – 通いやすいクリニックで安心の医療を
1. 心不全は長く付き合う病気です
近年、生活習慣の欧米化に伴う虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など)の増加や高齢化による高血圧や弁膜症の増加などにより、心不全の患者さんが急増しています。50歳代での慢性心不全の発症率は1%であるのに対し、80歳以上では、10%になることが報告されています。1980年以降、高齢化の一途をたどる我が国でも、近未来的に患者数の増加が続くと予想されており、こうした状況を、感染症患者の爆発的な広がりになぞらえて
「心不全パンデミック」と呼ぶこともあります。
心不全は一度良くなったから治療終了、というわけにはいかない病気です。慢性的に心臓のポンプ機能が低下することで息切れやむくみ、疲れやすさなどの症状が出現し、再び症状が悪化する「再燃」や「増悪」を繰り返すこともあります。良好な状態を維持するためには、定期的な通院による経過観察と治療の調整が欠かせません。夏場と冬場で利尿剤や降圧剤の量を変更することも珍しくなく、季節や生活スタイルに応じた投薬の調整が必要です。また、特に心不全による入院治療を終えた直後は再増悪のリスクが高いと言われており、退院後1ヶ月以内に約10%の患者さんが再入院するとも言われています。だからこそ、「早めの受診」や継続的なフォローアップが大切なのです。
最近発表された「2025年版心不全診療ガイドライン」でも心不全による入院からの退院後の外来診察のタイミングとして14日以内の外来診察を推奨しています。
しかし実際には、
高齢の心不全患者さんやご家族から「通院自体がつらい」というお悩みをよく耳にします。心不全の入院は救急車で自宅から離れた施設に運ばれることも多く、14日以内の外来受診というのはご高齢の方にとっては大変なものと思います。また、慢性期となり症状が落ち着いていても、ご高齢で足腰が弱っていたり、息切れしやすかったりすると通院だけで疲労困憊してしまうことがあります。次の章では、心不全患者さんが感じる「通院疲れ」の実情と背景について見ていきましょう。
心不全患者さんの「通院疲れ」とその背景
「通院疲れ」とは、病院やクリニックへの通院そのものが肉体的・精神的な負担となり、疲れてしまう状態を指します。もちろん「移動や待ち時間も含めて」のお話です。特に心不全の患者さんでは以下のような理由から通院が大きな負担となりがちです。
- 身体的な負担: 心不全の症状である息切れや倦怠感のため、ちょっと歩くだけでも疲れてしまいます。階段の上り下りや長距離の移動が難しく、家から医療機関までの移動だけでヘトヘトになる方もいます。ご家族が付き添っても、移動や車への乗り降り自体が一苦労です。
- 待ち時間の負担: 大きな病院ほど外来は混雑し、「診察までの待ち時間が長いので通院のハードルが高い」という声もよく聞かれます。いくつかの診療科に同じ日に通院できることがメリットである場合もありますが、その際には1日がかりの受診になりますし、「検査は予約になりますので、別の日に来てください」ということも珍しくありません。実際、長時間待合室で待機するのは心不全患者さんにとってつらいだけでなく、感染症など別のリスクへの不安も伴います。
- 精神的な負担: 「また悪化したらどうしよう」「主治医にうまく症状を伝えられるだろうか」といった不安を抱えて通院する方も多く、精神的な緊張から疲れてしまうケースもあります。特に急な体調変化で受診した際には、救急外来だと主治医ではない医師に診てもらうことがほとんどでること、いつも診てもらっている主治医が外来の日ではないことなどへの不安などを不安に思われる方もいらっしゃいます。もちろんカルテや検査結果などは共有しているわけですが、「いつもの様子」を知っている医師に診てもらうことは大きな意味があります。
このように、心不全の患者さんやご家族にとって通院そのものが大きな負担になっている現状があります。もちろん、状態が極度に悪く総合病院でないと診療が難しい場合、先進的な医療を継続する必要性がある場合など総合病院に通い続ける必要がある患者さんもいらっしゃいます。しかし、通院が負担に感じられると受診を先延ばしにしてしまい、結果として症状を悪化させて再入院につながってしまうことも避けたい事態です。では、こうした「通院疲れ」を和らげ、心不全の患者さんが無理なく治療を続けるにはどうすれば良いのでしょうか?当院では、そのお悩みに応えるために様々な工夫とサポート体制を整えています。
当院は心不全でも通いやすいクリニックです
心不全の患者様に少しでも安心して通院を続けていただける環境を提供するため、当院は次のような特徴を備えております。
予約不要ですぐ受診可能
当院は予約制を取っておりませんので、事前予約なしで直接ご来院いただけます。体調の変化や不安を感じたときに「すぐ診てもらいたい」と思われたら、そのままお越しください。月曜日から土曜日まで毎日診療を行っておりますので、平日仕事で忙しいご家族と一緒に土曜日に受診することも可能です。思い立った時、気になった時にいつでも受診できる柔軟な診療体制が整っています。
待ち時間の短縮に配慮
大病院とは異なり地域のクリニックである当院では、比較的ゆとりをもって患者様をお呼びできます。
必要な検査を院内で当日実施できる設備も整えており、効率よく診療が進むため長時間お待たせすることはほとんどありません。
状態が悪い場合には先に血圧や脈拍、酸素飽和度などを測定させて頂き、緊急性がある場合には必要な処置を先に行わせて頂きます。実際、「長い時間待つこともなく、すぐ相談できて助かる」というお声もいただいております。待ち時間が短いことは高齢の患者様の負担軽減だけでなく、「受診のハードルが低くなる」点でも重要です。
アクセス良好で通いやすい
当院は東急東横線「反町駅」から徒歩4分、JR「東神奈川駅」から徒歩9分という駅近の立地にあります。駅から平坦な道のりで来院できるため、足腰に不安がある方も比較的移動しやすい環境です。専用駐車場はありませんが近隣にコインパーキングがございますので、お車での送迎時にも便利な場所です。電車でも車でもご自宅から通いやすい環境となっております。
完全バリアフリーの環境
当院は建物の1階に位置し、入口に段差は一切ありません。車椅子や歩行器をご利用の方でもそのままスムーズにお入りいただけますし、院内には車椅子対応の広いお手洗いもございます。待合室・診察室もゆとりあるスペースを確保しており、ストレスの少ないリラックスできる環境作りに努めています。
専門医による親身な診察
当院では総合内科専門医・循環器内科専門医である院長が診療を担当します。心不全を含む循環器疾患に精通した医師が総合病院と同等レベルの専門的な診察・治療を提供しております。現在、大きな病院の循環器内科に通院中の方でも、当院で継続診療を承ることが可能です。例えば定期的な心臓超音波検査や血液検査(NT-proBNP検査など)もクリニックで実施できます。総合病院での長い待ち時間や移動の負担を減らしつつ、必要な検査・治療を受けていただけますので、安心してご相談ください。
通院が難しい場合は訪問診療をご利用ください
「それでもやはり家から出るのが難しい…」という患者様もご安心ください。当院では医師がご自宅に伺う訪問診療(在宅診療)にも対応しております。通院が困難な方や、ご自宅で療養中の方を対象に、定期的に医師が訪問して診察・治療・薬の処方を行います。心不全をはじめとする慢性疾患をお持ちで「頻繁に通院するのが現実的に負担…」と感じている場合は、ぜひ一度ご相談ください。以下の横浜市内の地域であれば、当院の訪問診療サービスをご利用いただけます。
訪問診療 対応エリア: 横浜市 神奈川区、西区、鶴見区、港北区、保土ヶ谷区
訪問診療をご利用いただくことで、患者様は住み慣れたご自宅にいながら必要な医療ケアを受け続けることができます。通院の負担や交通費を大幅に軽減できるのは大きなメリットです。さらに、当院は在宅療養支援診療所として24時間365日対応の連絡体制を整えており、訪問診療中の患者様に緊急時は時間帯を問わずご連絡いただけます。容体が急変した際には、状況に応じて臨時の往診や提携病院への迅速な入院手配も行いますので、在宅療養中も万全のサポートが受けられます。医師だけでなく訪問看護師とも連携し、日々のバイタルチェックや生活面のサポートも行うことで、心不全の悪化兆候を見逃さず早期発見・早期対応する体制を整えています。
↓当院の心臓と足を守る訪問診療についてはこちらもご覧ください↓。
訪問診療の症例紹介:総合病院から切り替えた80代男性の場合
最後に、当院の訪問診療をご利用いただいているある80代男性患者様のケースをご紹介します。A様は慢性心不全を患い、以前は市内の総合病院に定期的に通院されていました。ところが加齢に伴う足腰の衰えや軽い認知症状も出てきたことで、次第に「通院そのものが難しい」状況となってしまいました。ご家族からも「病院へ連れて行くたびに疲れ果ててしまう」「待ち時間も長く、帰宅する頃には本人も付き添いもぐったりしてしまう」というお声が上がり、主治医と相談のうえで当院の訪問診療に切り替えることになりました。
当院ではA様に対し、医師の訪問診療を月1回、訪問看護師の訪問を週1回程度の頻度で開始しました。医師が定期的に心音や呼吸状態、浮腫の状態を診察し、必要に応じて血液検査なども自宅で実施しました。訪問看護師は毎週のバイタルサイン測定(血圧・脈拍・体温)、体重チェックやむくみの観察を行い、その結果はすぐに当院の医師と情報共有致します。こうした多職種チームでの密なモニタリングにより、わずかな体調の変化(例えば体重増加や足のむくみの悪化)も見逃さず察知し、早期に利尿剤の増量など治療調整を行うことができます。実際、塩分過多と服薬忘れから体液貯留を来し、心不全悪化を認めたことがありましたが、訪問看護師から連絡を頂き、早急に利尿剤の調整を行ったことがありました。その結果、増加傾向であった体重も元に戻り、心不全増悪による再入院を未然に防ぐことに成功し、この半年間は入院も再発もなく安定した状態を保っています。A様ご本人も「病院に行かなくていいので本当に楽になった。家で診てもらえる安心感は大きいです」と笑顔を見せておられ、ご家族も「生活リズムを整えやすくなり、負担が減った」と大変喜んでくださいました。
この症例は、
通院困難な心不全患者様でも適切な在宅医療、多職種との連携を組み合わせることで病状を安定維持できることを示しています。総合病院の主治医とも連携を図りながら、必要に応じて当院での採血データを共有したり、点滴治療を自宅で行うことも可能です。患者様・ご家族の負担を軽減しつつ、医療面の質を落とすことなく継続ケアを提供できるよう努めています。
まとめ~安心して心不全の診療を続けるために
心不全は決して一人で抱え込まず、医療者と二人三脚で長く付き合っていくべき病気です。
通院がつらいからと受診を控えてしまい、薬を飲まなくなってしまったりすると、せっかく安定していた症状が悪化し、入院治療が必要になるリスクが高まります。当院は、心不全の患者様が安心して通えるクリニックとして、できる限りのサポート体制を整えております。ご自宅で療養を続けたい方には訪問診療や訪問看護を活用し、外来通院される方には通院しやすい環境を提供することで、患者様とご家族に寄り添った医療を実践しております。
「通院が大変で疲れてしまう」「このまま自宅で過ごしたいけれど治療は続けたい」というお悩みがございましたら、ぜひ一度本多内科医院にご相談ください。予約なしでいつでも受け付けておりますので、まずはお気軽にご来院いただくか、お電話・メール・LINEでお問い合わせいただければ幸いです。患者様一人ひとりの状況に合わせて最適な診療プランをご提案し、心不全と上手に付き合いながら安心して暮らせるよう全力でサポートいたします。
🏥 診療科:内科、循環器内科
🔷 総合内科専門医、循環器内科専門医
📍 Myクリニック本多内科医院(横浜市神奈川区反町4丁目27-1)
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ワクチンの予約に使用できる他、今後多方面での展開を考えております。
監修: Myクリニック本多内科医院 院長 本多洋介