はじめに
マンジャロ(一般名チルゼパチド)は、週1回投与の糖尿病治療薬です。食事に関係なく朝昼夕の投与しやすいタイミングを選択可能です。臨床試験ではHbA1cの明確な低下が示され、体重減少も併せて報告されています。本記事では循環器内科専門医の視点から、エビデンスに基づいた単剤で期待できる下がり幅の考え方、治療目標の立て方を患者さんに寄り添って解説します。マンジャロ単剤のエビデンス
2型糖尿病患者を対象にチルゼパチド投与とセマグルチド(オゼンピック)投与を比較検討した海外第3相試験であるGPGL試験(SURPASS-2)でもマンジャロ単剤で強力な血糖低下作用を示し、オゼンピック1mgと比較しても、マンジャロは標準用量の5mg/週以上で血糖降下作用が上回り、投与開始40週後のHbA1cは2%以上改善しました。単剤でHbA1cが2%以上低下するのは今までの薬剤では考えられないような素晴らしい血糖降下作用であり、マンジャロ単剤での糖尿病管理の可能性を示す結果でした。消化器症状(悪心・下痢・嘔吐・便秘)は増量期に多い一過性のものが中心でした。
糖尿病薬を中断していたもしくは未治療の日本人2型糖尿病患者を対象としたSURPASS-J-monoではチルゼパチド投与とデュラグルチド(トルリシティ)投与を比較検討しており、糖尿病治療で目標とするHbA1c7.0以下の達成率がトルリシティでは67%だったのに対して、マンジャロの単独投与のみで、HbA1c 7.0%未満の治療目標を達成した割合が94%以上という、素晴らしい血糖低下効果を示しました。
ポイント:臨床試験の数字はあくまで“目安”ですが、マンジャロは強力な血糖低下効果を示しており、単剤で糖尿病を管理できる可能性があります。一方で、急激な血糖低下は糖尿病性網膜症の悪化などを引き起こすこともあるため、私たちは“どれだけ下げるか”に加え、“どれくらいの速さで下げるか”ということも考慮しながら、投薬の調整を行います。
HbA1cの目標はどう決める?
糖尿病の目標値(HbA1c)は、年齢や合併症、低血糖の起こりやすさ、生活スタイルなどによって一人ひとり異なります。一般的な目安として、日本糖尿病学会は「HbA1c 7.0%未満」を合併症予防の基本目標として推奨しています。さらに、低血糖リスクが低く安全に治療を強められる方では「6.0%未満」を目指すことがあります。一方で、高齢の方や低血糖の既往がある方、他の病気を抱えている方など、治療の無理ができない場合には、「8.0%未満」ゆるやかな目標を設定することがあります。これらの目標値は医師が患者さんの状態やこれまでの経過などを総合的に考慮して設定するため、ご自身の具体的な目標値については必ず主治医に確認しましょう。マンジャロの投与が適していると思われる方
1) 食後血糖が高く、体重管理にも課題がある方
1回の食事量が多い、食生活が不規則で食後に血糖が大きく上がりやすいタイプで、体重も少しずつ増えてきた方です。マンジャロは食後のインスリン分泌を助け、食欲・胃排出にも作用するため、血糖と体重の両面で前向きな変化が期待できます。2) まずは単剤で治療を開始したい方
薬が増えるのは避けたい、でも早めにA1cを目標へ近づけたいという方です。単剤(ほかの糖尿病薬なし)で始める治療スケジュールは、「何が効いているか」も分かりやすく、治療効果が判定しやすいことが利点です。自己注射という点に不安がある方もいらっしゃると思いますが、当院では経験豊富な看護師が、やり方を丁寧にお伝えしますので、ご安心ください。実際、週に1回の注射に慣れると、毎日の内服薬よりも生活に取り入れやすいという方が多くいらっしゃいます。「医師が解説:マンジャロを安全に使う当院でのコツ」の記事もご覧ください
3) 現在他の糖尿病薬を使用しているが、目標値に達しない方
内服を重ねてもA1cが目標に届かないという方にもマンジャロは適しています。単剤でHbA1cが2%以上低下するという研究結果も報告されており、作用機序の異なる週1回製剤へのスイッチや追加は、糖尿病管理を良い方向に導いてくれる可能性があります。よくある質問(FAQ)
Q1.HbA1cはどれくらいで下がり始めますか?
血糖値は数日〜数週で改善が見られますが、A1cは“過去2〜3か月の平均”のため、HbA1cは1〜3か月かけて変化が現れます。焦らずに定期的なチェックで改善を確認していきます。Q2.マンジャロは体重にも効きますか?
2022年にNew England Journal of Medicineという有名な論文雑誌に掲載されたSURMOUNT-1試験などで体重減少効果が報告されています。「マンジャロの体重減少効果に関してはこちらの記事もご覧ください。」
当院の強み(受診の流れ)
• 予約不要:体調の変化などを感じた時にそのまま受診いただけます。 • 専門医による対応:総合内科専門医/循環器内科専門医が、糖尿病だけでなく、高血圧や脂質異常症などの生活習慣病や動脈硬化性疾患も含めて総合的に診療します。 • 院内でHbA1cのチェックが可能:その日のうちにHbA1cのチェックが可能なため、治療効果の判断→投薬の増量や調整が速やかに可能です。 当院では最新のガイドラインを踏まえて、新しい治療薬も導入して糖尿病の診療を行っています。糖尿病患者さんでマンジャロを使用してみたい、興味があるというかたは是非一度ご相談ください。
参考文献
1. Frías JP, et al. N Engl J Med. 2021;385(6):503-515. 2. Inagaki N, et al. Lancet Diabetes Endocrinol. 2022;10(9):623-633. 3. Jastreboff AM, et al. N Engl J Med. 2022;387(3):205-216.📞 電話:045-755-3039
📧 メール:mychondaiin@gmail.com
🏥 診療科:内科、循環器内科
🔷 総合内科専門医、循環器内科専門医
📍 Myクリニック本多内科医院(横浜市神奈川区反町4丁目27-1)
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