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高血圧

高血圧とは


高血圧とは

血圧とは、血液が動脈を流れる際に血管の内側にかかる圧力のことです。よく、血圧の”上”とか”下”という言い方をしますが、上は心臓が収縮して血液を送り出したときの「収縮期血圧」のことで、下は心臓が拡張したときの「拡張期血圧」のことです。 診察室で140/90mmHg以上、家庭血圧で135/85mmHg以上の時、高血圧と診断されます。診察室で測った場合と自宅で測った場合で定義が違うことに注意しましょう。 血圧は変動するのが一般的で、たまたま測った血圧が高いときには血圧が高いといえますが「高血圧症」とは言い切れません。高血圧症とは、繰り返して測っても血圧が正常より高い場合をいいます。

測定場所 高血圧と診断される値
診察室 140/90 mmHg以上
家庭(自宅) 135/85 mmHg以上

高血圧はその数値によって下の図のように細かく分類されています。しかし、年齢や合併症にかかわらず、すべての成人高血圧患者さんにおける主要な降圧目標は「130/80mmHg (家庭では125/75mmHg)未満」とシンプルで明確なものに設定されています。

高血圧とは

降圧目標は原則 130/80(家庭では125/75)未満

高血圧管理・治療ガイドライン2025

ほとんどが無症状である高血圧とその原因


高血圧とは

日本の高血圧患者は、全体として約4,300万人いると推定されており、日本人のおよそ3人に1人が高血圧という状況です。ではその原因は何なのでしょうか。
高血圧の90-95%は「本態性高血圧」であり、遺伝的要因と食生活、運動不足や精神的ストレスなどの環境的要因が重なって引き起こされると考えられています。 残りの5-10%は二次性高血圧といわれ、ホルモンの異常や薬物の副作用など、何らかの原因がある高血圧です。この中には、腎動脈狭窄、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫などのように外科手術により高血圧の治療が期待できるものが含まれます。

ただ、高血圧そのものは無症状であることが多いので、健康診断などを通じて早期に発見し、適切な対策を講じることが大切です。家庭用血圧計を購入し、自宅で毎日測る習慣をつけることをお勧めします。健診で血圧高値を指摘された場合には、放置せず、一度当院へご相談ください。

高血圧は何が怖い?


高血圧は動脈硬化の病気のリスクを高めます。 血圧の高い状態が続くと、血管の壁が圧力やストレスにさらされ続けることになります。その結果、血管の壁が厚くなったり、硬くなったりする動脈硬化の原因となります。そして、狭心症や心筋梗塞、脳卒中などの重篤な血管疾患や、腎臓病なども引き起こしやすくなります。

高血圧の危険性

高血圧は、収縮期血圧が140以上の人たちでは3.5倍、収縮期血圧が160以上の人たちでは4~8倍に脳・心血管疾患発症リスクが上昇すると言われています。また、高血圧の診断基準は140/90mmHg以上ではあるものの、少し高い血圧(正常高値血圧:収縮期血圧 120-129 mmHgかつ拡張期血圧 80 mmHg未満)」の段階から脳・心血管疾患発症リスクが約2倍に上昇したとも報告されており、血圧に関しては今後のガイドライン改訂ではまた基準や目標値が変わってくるかもしれません。

頸動脈あるいは冠動脈などに狭窄がある場合,血圧を下げると悪影響を及ぼすから下げすぎは良くないという意見もかつてはありましたが、今現在はほぼ否定されており、逆にそのような動脈硬化のリスクが高い人ほどより血圧を低めを保った方が良いというデータが多くなっています。一方、高齢者やフレイル(虚弱)の方では、血圧を厳しく下げすぎることにより、めまいや転倒のリスクが高まる可能性があるため、個々の状態に応じた調整は必要です。

当院では循環器内科専門医として動脈硬化性疾患の検査やフォローアップも行っています。血管年齢を測るABI(足関節上腕血圧比)検査や首の血管の動脈硬化を見る頸動脈エコー検査、心臓の機能をチェックする心臓超音波検査も行っていますので、動脈硬化が心配な方は一度ご相談ください。

Kuwahara K, et al. Hypertens Res. 2024;47:1861-1870.
Lewis CE, et al. N Engl J Med. 2021;384:1921-1930.

高血圧の治療について


高血圧の治療では、まずは生活習慣の改善による血圧コントロールがメインになります。減塩を中心とした食事療法や有酸素運動を中心とした運動療法をまずは日々の生活に取り入れていき、「1カ月以内に再評価」を行います。
生活習慣の改善指導を行い、目標が達成されなければ、ガイドラインに沿って血圧を下げる薬(降圧剤)の開始を検討します。もちろん、 「仕事が忙しく改善していくのに時間が必要」「生活習慣の改善が実践できてきたのでもう少し薬を使わずに様子を見たい」など個々の患者様に合わせた方法を一緒に考えていきます。
なお、合併症のリスクが高いと判断した場合には、降圧剤を処方することもあります。その場合は薬物療法と生活習慣の改善を並行して行い、血圧の数値が安定していれば薬を減らしていく、さらには中止にすることを目標にしていきます。

長時間作用型ジヒドロピリジン系 Ca 拮抗薬(アムロジピン・アゼルニジピン・シルニジピンなど)
レニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬(オルメサルタン・アジルサルタン・テルミサルタンなど)
少量のサイアザイド系利尿薬(ヒドロクロロチアジド・フルイトランなど)
β遮断薬(カルベジロール・ビソプロロール・アテノロールなど)

の 4種が治療開始時から使用する主要な降圧薬に位置付けられています。β遮断薬は頻脈傾向や心不全リスクのある高血圧患者に有効であり、サイアザイド系利尿薬は塩分過多や体液貯留傾向の患者に顕著な降圧効果が得られる場合があります。血圧の数値だけではなく、他にお持ちの疾患も考慮した薬剤選択を常に心がけています。

高血圧の治療

薬をなるべく飲みたくないと思われる方もいらっしゃいますし、それも当然のお気持ちだと思います。しかし、生活習慣病の治療を先延ばしにすると心臓や脳・腎臓へ負担がかかることがあります。当院は生活習慣の改善を土台にして、必要最小限の薬剤を選び、将来的な減量・中止も視野に入れて二人三脚で治療を進めます。

高血圧に関するよくある質問Q&A


Q.高血圧は症状がなくても治療すべき?

A.血圧の数値によっては内服する必要があります。高血圧は症状があるから治療を行う病気ではなく、脳出血や脳梗塞・心筋梗塞などの重篤な病気にならないために治療していく病気になります。


Q.高血圧の薬(降圧薬)は一生飲み続ける?

A.血圧の数値次第になります。薬を飲んでいても、食事療法や運動療法をしっかり取り入れることにより、最終的に薬の力を借りなくても血圧の管理に成功している方も多くいらっしゃいます。


Q.血圧が測るたびに数値が違うのはなぜ、大丈夫?

A.血圧はある程度は変動があるのが一般的です。夜勤明けだったり夜更かしをした後は高いということもあります。早朝の高血圧などは睡眠時無呼吸症候群の関与なども考えられるため、変動がある場合には朝・夕と測定し、記録を医師にお見せください。


Q.家庭血圧の正しい測り方は?

A.朝の血圧測定は起床後1時間以内で排尿を済ませた後で、服薬や朝食より前に座った状態で行いましょう。夜の血圧測定は就寝前の落ち着ける時に座った状態で、入浴、飲酒、食事の直後の測定は避けましょう。


Q.高血圧の食事は?

A.まずは減塩を意識しましょう。目標は目安1日6g未満ですが、塩分量よりも加工食品を食べない、外食を減らす、麺類は汁を飲まないなどの日々の心がけを大事にしましょう。野菜・果物・魚・大豆を中心としたDASH食も有効です。DASHは「Dietary Approaches to Stop Hypertension」の略で、高血圧を防ぐ食事法という意味です。ご興味がある方は受診時に「DASH食で摂取すべき食べ物・避けるべき食べ物」の案内をお渡ししています。


Q.高血圧に効果的な運動は?

A.長時間継続して行える有酸素運動を行いましょう。代表的なものとしてはウォーキング、ジョギング、ランニング、サイクリング、水泳などが挙げられます。頻度としては週に3~5日、1回あたり20分~30分以上が目安とされています。運動を始めたばかりの人や慣れていない人は、無理をしないように週に2~3回から始めて、徐々に頻度を増やしていきましょう。


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