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ヒスタグロビン注射の効果はいつから?どのくらい続く?花粉症での使い方

ヒスタグロビン注射の効果はいつから?どのくらい続く?花粉症での使い方

花粉症のつらさは「毎年のこと」と分かっていても、症状が辛い時期には「何とか楽になる方法はないか」と思う方も多いはずです。薬は飲んでいるのに鼻づまりが抜けない、眠気で集中できない。そんな時に花粉症治療の助けになりうる治療方法が「ヒスタグロビン注射」です。 総合内科専門医の立場から、効果が出るまでの目安、投与期間、使いどころや注意点を、分かりやすく、まとめます。

■ ヒスタグロビン注射とは?

ヒスタグロビンは、ヒスタミンと免疫グロブリンを合わせたお薬で、花粉症、蕁麻疹、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などに保険適応のある医療用医薬品です。 このヒスタグロビン注射は「非特異的減感作療法」と言われ、スギ花粉などの特定のアレルギー原因物質に対して感受性を低下させる「特異的減感作療法」とは異なり、アレルギーの原因に関係なく、アレルギー体質を改善する効果が期待できます。
⇒スギ花粉に対する「特異的減感作療法」である舌下免疫療法に関してはこちらをご覧ください

■ 効果はいつから?目安について

ヒスタグロビンは即効性のある治療方法ではなく、目安として治療開始から数週間(3〜4週間程度)で効果が出てくる場合が多いです。そのため、症状が出始めてからヒスタグロビンの投与を始めるよりも、花粉のシーズンが始まる少し前から投与を始めることをおすすめしています。

■ 花粉症での使い方:回数・間隔・いつ始める?

ヒスタグロビン注射1バイアルを注射用水1.5mLに溶解し皮下に注射します。通常1回1バイアルを、成人では週1~2回で計3~6週間を行います。これを1クールとするので、3~6週間の間に3~6回投与します。 十分な効果のあらわれない場合には、更に1クールの注射を行います。この場合は1回投与量を増量しての投与が可能ですので、症状をみながら2バイアルへの増量を検討します。 これがヒスタグロビンの投与方法になります。効果が認められたら、維持療法として注射を行っていきます。ヒスタグロビン維持療法は、初期の治療で得られたアレルギー反応抑制効果を維持するため、治療終了後3~4ヶ月に1回の頻度で追加注射を続ける方法で、花粉症や通年性アレルギーの症状を長期的にコントロールすることを目指します。
スギ花粉のピークは早い地域で2月下旬から始まり、広い範囲では3月上旬~中旬にピークを迎える見込みと言われておりますので、外来では、1月後半から2月頭から投与を開始される方が多いです。花粉の時期は2か月程度続きますし、ヒノキの花粉症の方も多いですので、花粉症の症状が出始めてから開始する方も実際は多くいらっしゃいいます。

■ヒスタグロビンの費用について

1回あたりの負担額は約1,200円(初診時)、再診時は約600~700円となります(3割負担の場合)。 ノイロトロピン注射と併用する場合は、初診時に約1,300円、再診時に約800円となります。

■ 併用はできる?内服・点鼻・点眼との組み合わせ

ヒスタグロビン注射は単独で症状が治まる人もいらっしゃいますが、基本的には抗ヒスタミン薬やロイコトリエン拮抗薬の内服、点眼薬や点鼻薬と併用して花粉症の時期を乗り切るための治療方法と考えています。 抗ヒスタミン薬などとは違う機序でアレルギー反応に対してアプローチするため、併用することでより花粉症の治療効果が高まることが多いです。

■ヒスタグロビンの効果に関する報告

1クール(1回1バイアル)での効果

国内の比較試験(約100人規模)では、1回1バイアルを週2回、6週間(計12回)行い、67%の方が症状の改善が得られたと報告されています。

効果が弱いときにはの「追加治療・増量」のデータ

「1回1バイアルでは十分でない人」に対して、量を増やした場合 1回1バイアルで効果が弱かった人に、 ⇒1回2バイアルにすると64.8%(35/54)(1回1バイアルの 34.0%(18/53)より高い)の効果が得られたと報告されています。 そのため、当院では2クール目はヒスタグロビン2バイアルでの投与をおすすめしています

■ヒスタグロビンはどんな症状に向く?向かない?

ヒスタグロビンが向いている症状

くしゃみ・鼻水

花粉症の「くしゃみ」「鼻水」は、ヒスタミンが関わる部分が大きいので、ヒスタグロビンが効果を発揮しやすい症状です。  

ヒスタグロビンが向いていない症状

鼻づまり

鼻づまりは、ヒスタミンだけでなく、鼻の粘膜を腫らせる物質(ロイコトリエンなど)も関わっています。 そのため、鼻づまりが強い方は、注射だけに頼るよりも、次の治療が効果的な場合が多いです。  

点鼻ステロイド(例:ナゾネックス、アラミストなど)

ガイドラインでも、鼻づまりを含めて花粉症の症状を抑える薬として効果が高いとされています。ステロイドと聞くとドキッとする方もいらっしゃいますが、点鼻のステロイドは極めて安全と報告されています。  

鼻づまりが強い時期だけ使う内服(セレスタミン、ディレグラなど)

「鼻づまりが強い期間だけ、できるだけ短く使う」ことが基本です。2週間を超えての継続的な使用は推奨されていません。   ※目のかゆみ・充血は、ヒスタグロビンの適応が「鼻炎」なので、点眼薬を使っていく方が効果的です。

■ よくある質問:「他の花粉症注射」と何が違う?

花粉症の注射には、作用も対象もさまざまな種類があります。  

ステロイド注射[保険適応外]

ケナコルトと呼ばれるステロイド注射は炎症を強く抑えるとされていますが、”保険適応外”の自費診療となっております。糖尿病、骨粗しょう症などのリスクもあるため、花粉症での投与は一般的には推奨されておりません。 一方、点鼻のステロイド薬は安全性も高く、鼻閉や鼻炎の症状には効果が高いとされておりますので、混同しないようにしましょう。  

ゾレア[保険適応]

ゾレアはアレルギー反応の引き金となる「IgE抗体」をブロックする保険適応の薬です。他の薬剤と異なり、既存の治療では十分な効果が得られない患者さんなど、重症以上の花粉症患者さんを対象に使用される注射薬です。 花粉症の重症度分類は、”鼻閉”と“くしゃみ発作または鼻漏”の度合いと回数で決まります。1日中鼻が詰まって苦しい状態や、1日に21回以上くしゃみや鼻水が続く場合は最重症に分類され、ゾレアの使用を検討する目安となります。ゾレアの投与頻度は2週間または4週間に1回で、患者さんの血液検査の結果(血清中総IgE濃度)と体重に合わせて投与量を変更します。 高価な製剤であり、3割負担の方で約4000円~50000円の自己負担となります。花粉症の場合には約6000円~20000円程度の自己負担の方が多いですが、体重や採血結果によって変動があります。 ※ゾレアは自己注射が可能な製剤もありますが、花粉症に対するゾレアの投与は医療機関での注射が必要になります。

ノイロトロピン注射

ノイトロピン注射は、アレルギー性鼻炎をはじめ、皮膚のかゆみや神経痛など複数の疾患に対して効果をもつ医薬品です。ノイトロピン注射を使用した臨床試験では、アレルギー性鼻炎によるくしゃみ・鼻づまり・鼻水の症状を改善したという報告があります。ヒスタグロビンとの併用で効果が期待できるため、当院ではヒスタグロビンの注射にノイロトロピンを併用して投与しております。

■ 副作用・注意点:打てない人、ワクチン、献血

打てない人(場合)

以下の3つの患者さんはヒスタグロビン注射が禁忌となり投与できません。
  1. 激しい喘息発作時の患者さん〔症状を増悪させることがあります。〕
  2. 月経直前及び期間中の患者さん〔一時的に症状を増悪させるおそれがあります。〕
  3. 妊婦又は妊娠している可能性のある患者さん〔人の血液製剤を投与するため妊婦さんに完全に安全か確認試験がされていません。〕
喘息に関しては発作時ではなく、安定している状態であればヒスタグロビンの投与は可能です。若い女性の方の方は月経直前や期間中を避けての投与スケジュールを建てていきます。

ワクチンとの関係

ヒスタグロビンに含まれる抗体が生ワクチン中のウイルスを中和し効果を妨げるため、ヒスタグロビン投与後3~4ヶ月以上、または生ワクチン接種後2週間以上間隔を空ける必要があります。生ワクチン(麻しん・風しん・おたふく・水痘など)を接種する場合には接種間隔の調整が必要です。 人の血液を使っているとなると副作用が気になる人もいるかもしれませんが、昭和42年に発売されて以降、重度の感染症が発症したと国内で発表になったことはありません。 正確な市販後調査などはされていませんが、副作用として一番多いのは注射部位の疼痛・硬結・発赤・腫脹・熱感が出現することだと予想されます。しかしこの頻度は一般的なインフルエンザなどの予防接種でも起こりうることですし、その他の特別な副作用も報告されておらず、比較的安全に使用できるお薬と言われています。

■ 受診の目安:こんな時は相談してください

  • ・市販薬/処方薬を使ってもシーズン中は花粉症の症状で辛い
  • ・薬で眠気が出やすく、薬を増やせない(運転, 接客, 会議が多い)
  • ・毎年花粉症の症状が辛く、今年こそは症状を和らげたい

■ 横浜市神奈川区での花粉症治療は当院へご相談ください

Myクリニック本多内科医院は、予約なしでの診察を基本に、花粉症の診療を行っています。僕自身もスギ花粉症で悩まされており、花粉症で悩まされる方々の気持ちはよくわかります。当院では通常の花粉症診療はもちろん、ヒスタグロビン注射、舌下免疫療法など様々な治療法を取り入れています。

【参考文献】

  • 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会(編). 鼻アレルギー診療ガイドライン 2024年版(第10版). 2024.
  • PMDA(医薬品医療機器総合機構). ヒスタグロビン皮下注用 添付文書(2024年改訂). 2024.
 

📞 電話:045-755-3039

📧 メール:mychondaiin@gmail.com

🏥 診療科:内科、循環器内科

🔷 日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会循環器内科専門医

📍 Myクリニック本多内科医院(横浜市神奈川区反町4丁目27-1)

この機会に下記の当院公式LINEをご登録ください。 ワクチンの予約に使用できる他、今後多方面での展開を考えております。  

監修: Myクリニック本多内科医院 院長 本多洋介

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