LINE 友だち追加

ブログ

「糖尿病と睡眠時無呼吸症候群の危険な関係」放置すると何が起きる?医師が解説

「糖尿病と睡眠時無呼吸症候群の危険な関係」放置すると何が起きる?医師が解説

この記事は、総合内科専門医・循環器内科専門医である内科医が、日本のガイドラインや主要な研究論文にもとづいてまとめています。 横浜市神奈川区の内科クリニックで、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病と、心臓・血管の病気、そして睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療を日々行っています。 外来でよく伺うのが、次のようなお悩みです。
  • 「食事も運動も薬も頑張っているのに、HbA1cがじわじわ上がってきた気がする」
  • 「最近太ってきて、いびきがうるさいと家族に言われる」
  • 「夜ぐっすり寝たはずなのに、朝からだるくて頭が重い」
こういった方の中に、糖尿病と睡眠時無呼吸症候群の両方を抱えている方が少なくありません。 この記事が、「自分の眠りと血糖」を振り返るきっかけになれば幸いです。
「夜になると血糖が上がる?」眠っているあいだに起きていること 糖尿病の治療は「食事療法」「運動療法」「薬物療法」が柱となってきます。これは間違いないとことなのですが、これらを丁寧に行っていても血糖コントロールが悪化することはしばしば経験します。 最近、眠っているあいだの呼吸が、血糖コントロールに大きな影響を与えていることが分かってきました(1)
睡眠時無呼吸症候群とは 睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、眠っているときに
  • 呼吸が10秒以上止まってしまう(無呼吸)
  • 呼吸が浅く弱くなる(低呼吸)
状態が何度も繰り返される病気です。いびきや日中の強い眠気が有名な症状ですが、本人は自覚していないことも多く、「家族に息が止まっていると言われて初めて気づいた」という方もいらっしゃいます。

⇒睡眠時無呼吸症候群に関してはこちらの記事もご覧ください。

低酸素と“ストレス状態”がインスリンの効きを悪くする 無呼吸が起こると、血液中の酸素が一時的に下がります。血中の酸素飽和度が下がると、体は「息が止まっている、危険だ」と判断して、交感神経をフル稼働させ、アドレナリンやコルチゾールといったストレスに関与するホルモンを分泌します。 この状態が一晩のうちに何十回も繰り返されると、
  • インスリンが効きにくい「インスリン抵抗性」が進みやすくなる
  • 夜間の血糖値が高くなりやすい
  • 朝起きたときの血圧や脈拍も上がりやすい
といった変化が起きます (1)。 実際、2型糖尿病の患者さんでは、睡眠時無呼吸症候群を合併している方が多いことが、いくつもの研究で報告されています (2)。
糖尿病の人に隠れやすい「眠りのサイン」 「自分はいびきもあまりかかないし、大丈夫だろう」とおっしゃる方もいます。ところが、典型的な「いびき」の症状が無くても、糖尿病と睡眠時無呼吸症候群が重なっている場合、油断は禁物です。 こんなサインがあるときは要注意です
  • 健康診断や通院中に「血糖値が高め」「HbA1cが下がりにくい」と言われている
  • ここ数年で体重が増え、お腹まわりや首回りが太くなった
  • 家族から「いびきが大きい」「息が止まっている」と言われたことがある
  • 朝起きたときに、頭痛・のどの渇き・強いだるさがある
  • 昼間の会議・運転中に眠気が強く、うとうとしてしまう
  • 朝の血圧だけ高い/血圧の薬を飲んでもなかなかコントロールできない
  • 動悸や「脈が飛ぶ」感じ、不整脈を指摘されたことがある
これらがいくつも当てはまる場合、睡眠の質の低下と睡眠時無呼吸症候群が、糖尿病治療の足を引っ張っている可能性があります (3)。
睡眠時無呼吸症候群のセルフチェックしてみませんか?
⇒睡眠時無呼吸症候群のセルフチェックはこちらの記事もご覧ください。
肥満だけじゃない?日本人に多い「首・あご・体型」のリスク 「睡眠時無呼吸症候群は、ものすごく太った人の病気」というイメージをお持ちの方もいます。 しかし、実際の診療では、いわゆる“軽度肥満”や、やせ型なのにあごが小さい方にも少なくありません。日本人は欧米人に比べてあごが小さい傾向にあるため、軽度の肥満でも睡眠時無呼吸症候群を発症しやすいという特徴があります。また、加齢とともに筋肉の緊張が低下し、気道が狭くなりやすくなります。 睡眠時無呼吸症候群の原因はさまざまですが、様々な要因が関係していることが多いです。
肥満と睡眠時無呼吸症候群の関係 もちろん、肥満は睡眠時無呼吸症候群と糖尿病、どちらの重要な危険因子でもあります。
  • 首の周りの脂肪が増えると、あお向けに寝たときに気道が狭くなりやすい
  • お腹の内臓脂肪が増えると、横隔膜が押し上げられて呼吸が浅くなる
  • 夜間、足のむくみが首元に移動し、さらに気道を圧迫する
といったメカニズムが知られています。
糖尿病・肥満・睡眠時無呼吸症候群の「三角関係」 糖尿病・肥満・睡眠時無呼吸症候群は、それぞれが別々の病気のように見えて、実は次のような三角関係を作ります。
  1. 肥満になる → 首・お腹に脂肪がつきやすくなり、睡眠時無呼吸症候群が起こりやすくなる
  2. 睡眠時無呼吸症候群がある → 夜間の低酸素・睡眠不足でインスリン抵抗性が悪化し、血糖が上がりやすくなる
  3. 血糖が高い状態が続く → 筋肉量が減りやすくなり、さらに太りやすく、疲れやすい体質になる
⇒肥満になり、1に戻る この「三角関係」が長く続くと、 心筋梗塞・脳梗塞・心不全・腎臓病などの重い合併症のリスクが高まることが報告されています(3)。 CPAPは「血糖の薬」ではありませんが、糖尿病治療の心強い味方です 睡眠時無呼吸症候群の代表的な治療が、CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)です。 眠っている間、鼻に装着したマスクから一定の圧力で空気を送り込むことで、内側から気道を広げ、無呼吸を減らす仕組みです。

CPAPとHbA1cの研究からわかっていること 最近のメタ解析では、
  • CPAPをよく使えた方では、HbA1cが平均0.2〜0.3%程度下がった
  • 夜にマスクをつけている時間が長いほど、HbA1cの改善が大きい傾向がある
といった結果が報告されています (4)。 一方で、すべての試験で同じような結果が出ているわけではなく、効果にばらつきがあることも分かっています。 つまり、CPAPは「それだけで糖尿病が治る魔法の装置」ではありませんが、
  • 夜間の低酸素や睡眠不足を改善し
  • ストレスホルモンの過剰な分泌を抑え
  • インスリン抵抗性の改善を「後押ししてくれる」
治療と考えると良いと思います。 大切なのは「組み合わせ」 糖尿病と睡眠時無呼吸症候群の両方をお持ちの方では、
  • 食事療法
  • 運動療法
  • 糖尿病の薬(内服薬・注射薬)
  • 体重(肥満)のコントロール
  • 睡眠時無呼吸症候群の治療(CPAPやマウスピースなど)
バラバラではなく、一つの体の中で起きている一つの問題として対処することがとても重要です。
当院でよくあるご相談と、診療の流れ ここからは、横浜市神奈川区にある内科・循環器内科クリニックとして、 実際にどのように診療しているかのイメージをお伝えします。
① まずはお話と全身のチェックから
  • 糖尿病・高血圧・脂質異常症の状態
  • ここ数年の体重の変化
  • いびき・無呼吸・日中の眠気・夜間頻尿
  • 動悸、不整脈、むくみ、息切れなど心臓・血管の症状
を丁寧にうかがい、血液検査や心電図、必要に応じて心エコーなども組み合わせて、全身の状態を確認します。
② 睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合
  • ご自宅で行える簡易検査(終夜の呼吸状態を調べる検査)のご紹介
  • 症状や結果によっては、精密検査へのご紹介
など、患者さんの生活スタイルやご希望に合わせて検査の方法を相談します。精密検査は在宅での検査のご案内も可能です。
③ 結果を踏まえて、一緒に治療方針を決めていきます 検査の結果や日頃の生活を踏まえて、
  • 糖尿病治療(薬の種類や量、生活習慣)の見直し
  • 体重管理や食事・運動の具体的な工夫
  • CPAPやマウスピース治療が始まった場合の使い方・続け方のフォロー
  • 心不全・不整脈など心臓の病気があれば、その治療方針
を組み合わせて、「無理なく続けられる、患者さんそれぞれに合わせた現実的なプラン」を一緒に考えていきます。
当院では、まず総合内科・循環器内科の立場から全身を診たうえで、治療に向き合っていきます。
「どこに相談したらいいか分からない」という方の、最初の相談窓口になれれば幸いです。
横浜市神奈川区で「糖尿病と眠り」が気になる方へ
  • 糖尿病と診断されている
  • 健康診断で血糖値が高めと言われた
  • さらに、いびき・日中の眠気・朝のだるさ・血圧のコントロール不良などが気になる
このような方は、「年齢のせい」「忙しさのせい」と決めつけてしまう前に、一度、睡眠時無呼吸症候群の可能性を一緒に調べてみることをおすすめします。 横浜市神奈川区にある当院(本多内科医院)の診療では、
  • 糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病
  • 心臓病・血管の病気
  • 睡眠時無呼吸症候群
を「ばらばらの病気」ではなく、一つの体の中で起きている出来事として捉えます。そして、長く元気に過ごしていただくためのお手伝いを心がけています。 「この記事を読んで、自分にも当てはまるかもしれない」と感じた方は、どうぞお気軽にご相談ください。 受診の前に不安な点があれば、お電話やホームページ、LINEからお問い合わせください。
参考文献
  • Gentile S, et al. J Clin Med. 2025;14:5574.
  • 糖尿病12巻2号(通号122) 2020年2月
  • Tasali E, ey al. Circ Res. 2025;137:764-787。
  • Herth J, et al. Eur Respir Rev. 2023;32:230083.
 

📞 電話:045-755-3039

📧 メール:mychondaiin@gmail.com

🏥 診療科:内科、循環器内科

🔷 総合内科専門医、循環器内科専門医

📍 Myクリニック本多内科医院(横浜市神奈川区反町4丁目27-1)

この機会に下記の当院公式LINEをご登録ください。 ワクチンの予約に使用できる他、今後多方面での展開を考えております。  

監修: Myクリニック本多内科医院 院長 本多洋介

友だち追加
< マンジャロ単剤でHbA1cはどこまで下がる?糖尿病の治療目標を医師が解説【2025】
電話でお問い合わせ LINE 友だち追加 お問い合わせ