医師が解説:マンジャロを安全に使うコツ
2型糖尿病や肥満症に対する治療選択肢が広がり、週に1回自己注射であるマンジャロ(チルゼパチド)に関心を寄せる方が増えています。食欲や血糖に関わるホルモンの働きを利用し、生活の中に取り入れやすい一方で、副作用や薬の増量の進め方には丁寧な配慮が必要です。本記事では総合内科専門医/循環器内科専門医である僕が循環器内科・総合内科の視点から、安全に継続しやすくするための考え方をお伝えします。
「マンジャロという薬の詳細はこちらもご覧ください」
(1)問診・体重測定
(2)糖尿病がある方は血糖のチェック
(3)血圧・脈拍などの確認
を診察の時に行っています。初回投与開始時には経験豊富な看護師から専用キットを使った自己注射の指導を行っていますので、自己注射というものに不安がある方もご安心ください。
A. はい。導入・増量・フォローのすべてを対面診療のみで行っています。
Q2. 来院前のセルフチェックは?
A. ①数年間の体重変化(おおよそで構いません)、②あれば最近の健康診断や採血結果など、③服用中の薬(お薬手帳)、④マンジャロの使用に当たって不安な点などをメモにまとめて頂けると診察の役に立つかと思います。
Q3. 打ち忘れたときは?
A. 次回まで72時間以上あれば気づいた時点で投与、72時間未満ならスキップし、次の元々の予定日に投与します。2回分の同時投与は行いません。
Q4. どのくらいで効果を感じますか?
A. 体重や血糖はゆっくり確実に変化していきますが、初月から効果を実感される方も多くいらっしゃいます。海外の主要試験でも体重や血糖値の持続的な改善が示されています。
Q5. 胃もたれや吐き気が強いときは?
A. 脂もの・甘味・炭酸・早食いを避けて、少量をこまめに摂るようにしましょう。症状が続くときは症状を緩和する薬を併用したり、必要に応じて一時減量することもあります。激しい腹痛や持続する嘔吐がある場合にはすぐ受診してください。
Q6. マンジャロで体重が減った後はマンジャロを続けた方がいいですか? この点は多くの方が疑問に思われる点です。こちらの記事をご覧ください。
「マンジャロで血糖も良くなって体重も減った! その後もマンジャロは続けた方が良い?」
マンジャロの基本――“適応”と“増量の考え方”
マンジャロはGIP/GLP-1受容体作動薬で、2型糖尿病が適応です。通常は2.5mgから始め、4週間以上の間隔で段階的に増量します。マンジャロを処方している経験からは開始食・増量した最初は嘔気などを自覚される方が多く、継続して使用しているとそのような症状が目立たなくなってくる印象です。嘔気などが目立たなくなってきても、食事量は以前より抑えられているという方が多いことも特徴だと思います。増量を急ぐほど効果が早いとは限らないため、焦る必要は無いと思います。保管は2~8℃、冷蔵できない場合は室温(30℃以下)で21日以内が基本です。打ち忘れは次回まで72時間以上なら投与、72時間未満ならスキップという原則を守ります。「マンジャロという薬の詳細はこちらもご覧ください」
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ゼップバウンドとの関係――“成分は同じ”、使い分けは“適応”
同じチルゼパチドが成分であるゼップバウンドは肥満症が適応です。薬の中身は全く同じであり、肥満症→ゼップバウンド、糖尿病→マンジャロというように製品名が違うのみということになります。対面診療で整える「安全に使うためのコツ」
当院はマンジャロの処方は糖尿病の治療目的、メディカルダイエット目的を問わず、対面診療のみで対応しています。理由は何か副作用が疑われる症状があった時に、診察をしたり採血の検査をしたりするまでが処方する医師の責任だと思っているからです。 当院では、(1)問診・体重測定
(2)糖尿病がある方は血糖のチェック
(3)血圧・脈拍などの確認
を診察の時に行っています。初回投与開始時には経験豊富な看護師から専用キットを使った自己注射の指導を行っていますので、自己注射というものに不安がある方もご安心ください。
よくある副作用と、その“前さばき”
最も多いのは胃腸症状(吐き気、下痢、腹部不快感、便秘)です。導入・増量時に出やすいため、脂っこい食事・炭酸・早食いを控え、少量をゆっくり摂取するようにお伝えしています。副作用の程度によっては症状を緩和する薬を併用することもありますが、多くの方が使用していくうちに副作用が目立たなくなる印象です。腹痛などがあった場合には腹部診察を行い、大きな異常では無いかをチェックしています。低血糖を“起こしにくくする”工夫
マンジャロを単独で使用した場合の低血糖は多くありませんが、スルホニル尿素薬やインスリンと併用するとリスクが上がります。他の糖尿病薬と併用する際には他剤を減量するなどの工夫をしています。それでも低血糖になる場合には、他の疾患が隠れている可能性を考慮したり、必要に応じて自己血糖測定を取り入れたり、間歇スキャン式持続グルコースモニタリング(CGM)システムを使用することもあります。見逃したくない“注意のサイン”
持続する上腹部痛(背部への放散/吐き気を伴う)は膵炎のサイン、発熱や右季肋部痛は胆嚢炎を疑います。目のかすみや急な見えにくさは糖尿病網膜症の顕在化・一時的増悪の可能性があります。気になる症状がある際にはすぐにご相談ください。また、嘔吐・下痢が続く場合は脱水と腎機能悪化を避けるため、早めの受診をお願いします。“打ち忘れ”と曜日の再設計
投与曜日は固定が基本です。マンジャロの注射を打ち忘れた場合は、次の投与予定日まで3日間(72時間)以上あるかどうかで対応が異なります。- 3日以上ある場合は気づいた時点で直ちに注射し、その後は予定通りの曜日に注射を続けます。
- 3日未満の場合は、その回は投与せず、次の予定日に通常通り投与してください。
FAQ(よくある質問)
Q1.診療は対面のみですか?A. はい。導入・増量・フォローのすべてを対面診療のみで行っています。
Q2. 来院前のセルフチェックは?
A. ①数年間の体重変化(おおよそで構いません)、②あれば最近の健康診断や採血結果など、③服用中の薬(お薬手帳)、④マンジャロの使用に当たって不安な点などをメモにまとめて頂けると診察の役に立つかと思います。
Q3. 打ち忘れたときは?
A. 次回まで72時間以上あれば気づいた時点で投与、72時間未満ならスキップし、次の元々の予定日に投与します。2回分の同時投与は行いません。
Q4. どのくらいで効果を感じますか?
A. 体重や血糖はゆっくり確実に変化していきますが、初月から効果を実感される方も多くいらっしゃいます。海外の主要試験でも体重や血糖値の持続的な改善が示されています。
Q5. 胃もたれや吐き気が強いときは?
A. 脂もの・甘味・炭酸・早食いを避けて、少量をこまめに摂るようにしましょう。症状が続くときは症状を緩和する薬を併用したり、必要に応じて一時減量することもあります。激しい腹痛や持続する嘔吐がある場合にはすぐ受診してください。
Q6. マンジャロで体重が減った後はマンジャロを続けた方がいいですか? この点は多くの方が疑問に思われる点です。こちらの記事をご覧ください。
「マンジャロで血糖も良くなって体重も減った! その後もマンジャロは続けた方が良い?」

当院の強み――予約不要・総合内科/循環器専門医が一体で対応
当院は予約不要で受診可能です。総合内科専門医・循環器内科専門医が、糖尿病だけでなく高血圧・脂質異常症などの心血管リスクまで一貫して診療していきます。月曜日から土曜日まで開院しておりますので、マンジャロ使用中の体調不良の際にもすぐにご相談いただけるかと思います。気になる点などあれば相談だけでも構いませんので、どうぞ遠慮なくご相談ください。参考文献
- Frías JP, et al. N Engl J Med. 2021;385(6):503-515.
- Jastreboff AM, et al. N Engl J Med. 2022;387(3):205-216.
- Aronne LJ, et al. JAMA. 2024;331(1):38-48.
📞 電話:045-755-3039
📧 メール:mychondaiin@gmail.com
🏥 診療科:内科、循環器内科
🔷 総合内科専門医、循環器内科専門医
📍 Myクリニック本多内科医院(横浜市神奈川区反町4丁目27-1)
この機会に下記の当院公式LINEをご登録ください。 ワクチンの予約に使用できる他、今後多方面での展開を考えております。監修: Myクリニック本多内科医院 院長 本多洋介
