夕方になると足がパンパンになって、靴がきつく感じる。
靴下の跡がくっきり残って、「これって年齢のせいかな」と思いながらも、心のどこかで不安が消えない。足のむくみ(浮腫)を主訴に受診される方は、そのような方が多いです。
むくみは珍しい症状ではありませんが、原因も様々です。心臓や腎臓が原因として起こることもあれば、足の静脈の流れが滞ることにより起こることもあります。
この記事では、下肢静脈瘤を原因とした浮腫の特徴と受診の目安、必要な検査を、総合内科・循環器内科の視点で整理します。
まず最初に:今日受診が必要な“危険サイン”
むくみは急を要さないことが多いですが、いくつか危険なサインである場合があります。次のような場合は、静脈瘤より先に、血栓や感染症など緊急性のある原因を除外する必要があります。
- 1. 片足だけが急に腫れた/痛い/熱を持っている/赤い
- 2. いつもと違う強い張りや歩きにくさが出た
- 3. 息切れ、胸の痛み、動悸、めまいなどもある
これらの症状がある場合は、早めに内科、循環器内科、血管外科を標榜している医療機関を受診ください。
むくみの原因は「時間帯・左右差・押して凹みが残るかどうか」をチェック
足のむくみを見分けるとき、この3つを確認しましょう。これだけでいくつかの原因をある程度絞り込むことが出来ます。
1) 時間帯:朝と夕方で差がありますか?
朝はそこまで目立たないけれども、夕方に悪化するなるタイプは、静脈のうっ滞が関係していることが多いです。立ち仕事や座りっぱなしの日ほどむくみがつらい、という訴えもヒントになります。
2)左右差:両足ですか、片足ですか?
静脈瘤は両足に起こることもありますが、基本的には「左右差があることが多い」です。片足のむくみでも急激に悪化している場合には他の疾患を考える場合もあります。
3)押した跡:すねを押すと凹みが残りますか?
指で数秒押して凹みが残る“圧痕”は、診察の大切な手がかりです。”圧痕性浮腫(pitting edema)”といい、皮膚の下に水が溜まっていることを示すサインです。非圧痕性の浮腫では甲状腺機能低下症やリンパ浮腫を疑います。

下肢静脈瘤を疑う症状:見た目だけではありません
下肢静脈瘤というと「足の血管がボコボコ膨らんでいる病気」という印象が強いかもしれません。ですが、実際には見た目より先に、次のような症状が前面に出ることがあります。
- • 夕方に足がむくむ、だるい、重い
- • ふくらはぎが張る感じが続く
- • 夜間〜明け方のこむら返りが増えた
- • すねのかゆみ、湿疹、色素沈着などの皮膚の変化
こうした症状は、「疲れ」や「冷え」と区別がつきにくいのが判断の難しいところです。これらの症状が続く場合には一度医療機関にご相談ください。

受診の目安:症状の程度で3段階に分けました
「むくみは気になるけど、病院に行くほどではないかも」という場合はどれくらいのスピード感で考えたらよいか、下の分類を参考にしてください。
A:早めの受診(当日〜数日以内)
先ほどの危険サインに当てはまる場合です。痛み、熱感、腫れが強い場合には我慢せず、早めに医療機関へご相談ください。
B:近日中(1〜2週間のうち)に受診
- • むくみが続く、または繰り返す
- • 夕方には足がだるく、家事や仕事がつらい
- • 血管のふくらみが目立つ、皮膚が荒れている・肌の一部に色が違うところがある(色素沈着)などの変化がある
この段階早めに受診しておくと、将来の皮膚トラブルを防ぐ意味でも有益です。イギリスの国立医療技術評価機構(NICE)でも、症状のある静脈瘤や皮膚変化は超音波などでの評価をすることが推奨されています。
C:まずは相談(都合のよいタイミングで)
- • 夕方だけ軽くむくむが、休むと戻る
- • 大きな痛みはないが、気になる日が増えた
必ずしも病気によるむくみではないこともありますが、検査結果が問題ないことを確認することで、「相談してよかった」「安心した」とおっしゃる方も多いので、気になる場合には医療機関に相談しましょう。
診察で何を確認し、どんな検査につながるの?
当院では、むくみを「足だけの問題」と決めつけず、まず身体全体を診るようにしています。
1)問診・診察
「時間帯・左右差・押して凹みが残るかどうか」を中心に診察します。息切れや動悸など心疾患や腎疾患を疑う症状が無いかも確認します。足に関しては皮膚の状態や血管の見え方もチェックします。
2)必要に応じた検査(血液検査・心電図など)
両足のむくみが強い方や、息切れ・動悸を伴う方では、心臓や腎臓の疾患の除外が必要です。多くの場合、心電図、胸部レントゲン、検尿、心臓超音波検査である程度の推測が可能です。
3)下肢静脈エコー(duplex ultrasound)
下肢静脈瘤を評価するときの基本検査です。静脈の逆流の有無や範囲を確認します。ガイドラインでも、静脈瘤の診断のためにduplex ultrasoundを用いることが推奨されています。
当院が大切にしていること
足のむくみは、「これくらいは仕方ない」「年だから仕方ない」と思いがちですが、生活の質に深く関わる症状です。「夕方がつらい」「夜に足がつる」「検索しても結局よく分からない」。そんな時ほど、ひとりで抱え込まずにご相談ください。
当院は、総合内科専門医・循環器内科専門医の立場から、まず危険な原因を見落とさないことを大切にし、そのうえで下肢静脈瘤の可能性を丁寧に評価します。必要に応じて、下肢静脈エコーの手配や、血管外科への連携も含めてご案内します。
予約なしで診察を受け付けていますので、「一度相談してみよう」と思い立った時点で、お気軽にお越しください。診療時間やアクセスなどは、当院ホームページでご確認いただけます。
参考文献
- • 2013: National Institute for Health and Care Excellence (NICE). Varicose veins: diagnosis and management (CG168).
- • 2018: Lim W, et al. American Society of Hematology 2018 guidelines for management of venous thromboembolism: diagnosis of venous thromboembolism. Blood Adv.
- • 2019: 日本静脈学会. 下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術のガイドライン2019.
- • 2024: Gloviczki P, et al. The 2023 SVS/AVF/AVLS clinical practice guidelines… Part II. J Vasc Surg Venous Lymphat Disord.
📞 電話:045-755-3039
📧 メール:mychondaiin@gmail.com
🏥 診療科:内科、循環器内科
🔷 日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会循環器内科専門医
📍 Myクリニック本多内科医院(横浜市神奈川区反町4丁目27-1)
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ワクチンの予約に使用できる他、今後多方面での展開を考えております。
監修: Myクリニック本多内科医院 院長 本多洋介


