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心不全で足がむくむ原因は?仕組み・危険サイン・受診の目安を医師が解説

心不全で足がむくむ原因は?仕組み・危険サイン・受診の目安を医師が解説

「夕方になると足がパンパン」「靴下の跡が深く残る」。足のむくみ(浮腫)はよくある症状ですが、背景に心不全が隠れていることもあります。とはいえ、むくみ=心不全と決めつける必要はありません。大切なのは、“今すぐ急ぐべきサイン”を見逃さず、必要なときに医療機関へ受診することです。この記事が「むくみで病院に受診するか迷う」時の参考になれば幸いです。

急いで受診するべきサイン:こんなときは早めに相談してください

  • ・安静でも息苦しい/横になれない、胸の痛みがある
  • ・むくみが急に強くなり、数日〜1週間で体重が増えた(目安として1週間で2〜3kg増えるようなときは要注意です)
  • ・片足だけ急に腫れて痛い、赤い、熱い(血栓や感染の可能性)

上のいずれかがある場合は、迷わず医療機関へ受診してください。


心不全とは

心不全というと「心臓が悪い」と思いがちですが、心臓の動きそのものを示しているというより、心臓の働きが弱った結果として、息切れやむくみなどの症状が出てくる”状態”のことを示します。心機能が落ちていない心不全と呼ばれる状態もあり、原因は高血圧、狭心症・心筋梗塞、弁膜症、不整脈などさまざまで、年齢とともに増えやすいのが特徴です。

心不全には3つのタイプがあるって知ってた?HFpEF、HFmrEF、HFrEFを循環器内科専門医がやさしく解説はこちらもご覧ください。


心不全で足がむくむ「2つの仕組み」

心不全のむくみは、①静脈の渋滞と、②体が水分をため込む反応が重なって起こります。

1)血液が戻りにくくなる(静脈圧が上がる)

心臓へ戻る血液が渋滞し、足の静脈の圧が上がって、水分が血管の外へしみ出しやすくなります。

2)腎臓が塩分・水分を保持する方向に働く

体が「循環が足りない=身体の危機である」と判断すると、ホルモンの働きで塩分・水分をため込みやすくなり、むくみや体重増加につながります。


心不全の浮腫の特徴(足のむくみが「心臓由来」か見分けるヒント)

心不全によるむくみは、見た目の特徴が比較的そろいやすいのがポイントです。キーワードは「重力で下にたまる」「押すとへこむ」「左右がだいたい同じ」です。

1)出やすい場所は「下になっているところ」

むくみは、足首〜すねから始まり、進むと膝上まで広がることがあります。寝ている時間が長い方は、足よりも腰〜背中(仙骨部)など“下になっている面”にむくみが出ることがあります。

2)触ったときの典型は「圧痕性(押すとへこむ)」

すねや足首を指で数秒押して、指を離したあとにへこみがしばらく残るタイプ(圧痕性浮腫)が多いです。皮膚がつっぱって光って見えたり、靴下の跡が深く残ったりします。

3)左右差が小さく、痛みや熱感は目立ちにくい

典型的には左右がだいたい同じ程度で、強い痛みや熱感、赤みは前面に出にくいことが多いです。寝るときの身体の向きがいつも決まっている方は下にしている足がよりむくんでいることもあるので、注意が必要です。

“時間帯による変化”もヒントになります

初期は「夕方にむくんで、朝は少し楽」というパターンがよくあります。重力の影響で日中に水分が下にたまり、夜に横になると戻りやすいからです。ところが心不全のうっ血が進むと、朝も引きにくくなったり、むくみが慢性化したりします。「だんだん引かなくなる」変化は、悪化のサインといえます。

むくみ以外の重要な症状

心不全では体に水がたまる“うっ血(congestion)”が問題になります。むくみに加えて、次が一緒にあると心不全の可能性が高まります。

  • ・動くと息切れ、疲れやすい/階段や坂がつらい
  • ・横になると苦しい、枕を高くしたくなる、夜間に息苦しくて目が覚める
  • ・数日〜1週間で体重が増える、腹部の張り
  • ・夜間頻尿(夜にトイレ回数が増える)

ご高齢の方が”年のせい”としてしまいがちな心不全の症状

初期の心不全症状は目立たないものも多く、ご本人が「年のせい」と我慢してしまうことも少なくありません。次の変化に気づいたら、受診を勧めるきっかけになります。

  • ・靴が入らない、ズボンの裾がきついなど、むくみが目で見て増えた
  • ・夜に何度もトイレへ起きるようになった
  • ・横になると咳が増える、息苦しさで座って寝ている
  • ・食欲が落ちて体力が急に落ちた、会話中に息が上がる

「いつもと違う」が何より大切なサインです。


受診を急いだ方がよい危険サイン

次の症状があるときは、様子見より「早めの受診」が安全です。

  • ・安静でも息苦しい/会話がつらい、横になれない
  • ・胸の痛み、冷や汗、意識が遠のく感じ
  • ・急な体重増加+むくみの悪化(体に水が急にたまっている可能性)
  • ・片足だけの急な腫れ+痛み/熱感/赤み(血栓や感染の可能性)


ご自宅でできる簡単チェック

診断はできませんが、受診のときに役立つ情報になります。

  • ・すねを指で押して、へこみが残るか
  • ・むくみは両足か/片足か
  • ・夕方に悪化するか、朝も引きにくくなってきたか
  • ・息切れの変化(階段・坂・歩行でどうか)
  • ・体重が増えていないか(体重の記録を毎日つけましょう)


医療機関では何を確認する?(心不全の初期評価の流れ)

診察では、むくみの様子だけでなく「心臓・肺・腎臓・肝臓・血管」など全身の視点で原因を探します。一般に、次の検査を組み合わせて評価します。

  • ・問診/診察:むくみの左右差、圧痕、体重変化、息切れ、薬、既往歴
  • ・血液検査:腎機能・肝機能、貧血、炎症、心不全の指標(BNP/NT-proBNPなど)
  • ・心電図:不整脈や心筋虚血の手がかり
  • ・胸部X線:心拡大、肺うっ血、胸水の確認
  • ・心エコー:心臓の動き、弁、ポンプ機能、右心系の負担など

必要に応じて下肢静脈エコー(血栓の評価)なども追加します。


受診の目安(内科・循環器内科へ)

  • ・むくみが数日以上続く、以前より明らかに強い
  • ・むくみ+息切れ/夜間頻尿/体重増加をともなう
  • ・高血圧・糖尿病・心房細動などの持病がある

「受診するほどか分からない」段階でも、早めに相談して頂くことが望ましいです。心不全は早期に治療を開始すれば入院を避けることもできますが、悪化してからだと内服薬だけでの管理が難しく、入院が必要になることも多いです。


よくある誤解:水分・薬の自己調整は要注意です

「むくむから水を飲まない」「利尿薬を増やせばいい」と考えたくなる気持ちはよく分かります。ただ、心不全の背景には腎機能の低下や貧血、脱水が隠れていることもあり、自己判断での水分制限や薬の調整は、ふらつき、腎機能悪化、電解質異常などにつながることがあります。生活上の工夫やお薬の調整は、必ず医師と相談して進めましょう。


当院での診療の流れ

初診では「今日すべきこと」と「次に確認すべきこと」を整理します。たとえば、診察と必要な検査で心不全が疑わしければ、生活で気をつける点(塩分・体重の見方など)をお伝えしつつ、内服調整や追加検査の計画を立てます。緊急性が高い所見があれば、連携医療機関へ速やかにご紹介します。受診後に「今わかっていること」「次はどうするのか」が伝わるように、できるだけ分かりやすく説明します。

心不全の診断に関しては「心不全の診断はどう行う?症状・検査・基準を、循環器内科専門医が解説します 」の記事もご覧ください。


横浜市神奈川区のクリニックとして:気になるときは早めにご相談ください

Myクリニック本多内科医院は、横浜市神奈川区のクリニックとして、足のむくみや息切れなど、心不全が疑われる症状のご相談に対応しています。

総合内科・循環器内科の視点で「何が心配で、何を優先して確認すべきか」を一緒に整理し、必要な検査と次にやるべきことを分かりやすくご提案します。

予約なしでも受診いただけますので、迷う段階でも遠慮なくご相談ください。


参考文献

  • Bozkurt B, Coats AJS, Tsutsui H, et al. Universal Definition and Classification of Heart Failure. J Card Fail. 2021.
  • McDonagh TA, Metra M, Adamo M, et al. 2021 ESC Guidelines for the diagnosis and treatment of acute and chronic heart failure. Eur Heart J. 2021.
  • Heidenreich PA, Bozkurt B, Aguilar D, et al. 2022 AHA/ACC/HFSA Guideline for the Management of Heart Failure. Circulation. 2022.
  • 日本循環器学会/日本心不全学会合同ガイドライン. 2025年改訂版 心不全診療ガイドライン. 2025.

 


📞 電話:045-755-3039

📧 メール:mychondaiin@gmail.com

🏥 診療科:内科、循環器内科

🔷 日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会循環器内科専門医

📍 Myクリニック本多内科医院(横浜市神奈川区反町4丁目27-1)

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監修: Myクリニック本多内科医院 院長 本多洋介

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