このような血圧の方はご相談ください
「自分は受診した方がよいのか分からない」という方は、まず以下に当てはまるか確認してみてください。
健康診断で血圧高値を指摘された方
135/85mmHg以上が続いている方
内服中でも血圧が十分に下がらない方
頭痛・動悸・息切れ・むくみがある方
当てはまる方は、健診結果・お薬手帳・家庭血圧の記録をお持ちいただくと診療がスムーズです。
健康診断で血圧が高いと言われた方、血圧が気になっている方はご相談を。
高血圧は自覚症状が少ないことが多い一方で、脳卒中や心筋梗塞、腎臓病のリスクを高めることがあります。
「自分は受診した方がよいのか分からない」という方は、まず以下に当てはまるか確認してみてください。
健康診断で血圧高値を指摘された方
135/85mmHg以上が続いている方
内服中でも血圧が十分に下がらない方
頭痛・動悸・息切れ・むくみがある方
当てはまる方は、健診結果・お薬手帳・家庭血圧の記録をお持ちいただくと診療がスムーズです。
生活習慣の見直しだけでなく、必要に応じてお薬の調整を行います。
さらに、ABI(足の血管の検査)、頸動脈エコー、心エコーなどで動脈硬化や心臓の状態も評価しています。
血圧とは、血液が動脈を流れる際に血管の内側にかかる圧力のことです。よく、血圧の「上」とか「下」という言い方をしますが、上は心臓が収縮して血液を送り出したときの「収縮期血圧」のことで、下は心臓が拡張したときの「拡張期血圧」のことです。
診察室で140/90mmHg以上、家庭血圧で135/85mmHg以上の時、高血圧と診断されます。診察室で測った場合と自宅で測った場合で定義が違うことに注意しましょう。
血圧は変動するのが一般的で、たまたま測った血圧が高いときには血圧が高いといえますが「高血圧症」とは言い切れません。高血圧症とは、繰り返して測っても血圧が正常より高い場合をいいます。
| 測定場所 | 高血圧と診断される値 |
|---|---|
| 診察室 | 140/90 mmHg以上 |
| 家庭(自宅) | 135/85 mmHg以上 |
高血圧はその数値によって下の図のように細かく分類されています。しかし、年齢や合併症にかかわらず、すべての成人高血圧患者さんにおける主要な降圧目標は「130/80mmHg (家庭では125/75mmHg)未満」とシンプルで明確なものに設定されています。
降圧目標は原則 130/80(家庭では125/75)未満
高血圧管理・治療ガイドライン2025
日本の高血圧患者は、全体として約4,300万人いると推定されており、日本人のおよそ3人に1人が高血圧という状況です。ではその原因は何なのでしょうか。
高血圧の90-95%は「本態性高血圧」であり、遺伝的要因と食生活、運動不足や精神的ストレスなどの環境的要因が重なって引き起こされると考えられています。残りの5-10%は二次性高血圧といわれ、ホルモンの異常や薬物の副作用など、何らかの原因がある高血圧です。この中には、腎動脈狭窄、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫などのように外科手術により高血圧の治療が期待できるものが含まれます。
また、薬を飲んでいても血圧が下がりにくい方や、朝の血圧が高い方では、睡眠時無呼吸症候群が関係していることがあります。いびき、日中の眠気、夜間の息苦しさ、起床時の頭痛などがある場合は、高血圧と睡眠時無呼吸症候群|薬を飲んでも血圧が下がりにくい方へもあわせてご覧ください。
ただ、高血圧そのものは無症状であることが多いので、健康診断などを通じて早期に発見し、適切な対策を講じることが大切です。家庭用血圧計を購入し、自宅で毎日測る習慣をつけることをお勧めします。健診で血圧高値を指摘された場合には、放置せず、一度当院へご相談ください。
高血圧は動脈硬化の病気のリスクを高めます。
血圧の高い状態が続くと、血管の壁が圧力やストレスにさらされ続けることになります。その結果、血管の壁が厚くなったり、硬くなったりする動脈硬化の原因となります。そして、狭心症や心筋梗塞、脳卒中などの重篤な血管疾患や、腎臓病なども引き起こしやすくなります。
高血圧は、収縮期血圧が140以上の人たちでは3.5倍、収縮期血圧が160以上の人たちでは4~8倍に脳・心血管疾患発症リスクが上昇すると言われています。また、高血圧の診断基準は診察室血圧140/90mmHg以上ですが、正常高値血圧(収縮期血圧120〜129mmHgかつ拡張期血圧80mmHg未満)の段階でも、脳・心血管疾患の発症リスクが約2倍に上昇したとする報告があります。
頸動脈あるいは冠動脈などに狭窄がある場合,血圧を下げると悪影響を及ぼすから下げすぎは良くないという意見もかつてはありましたが、今現在はほぼ否定されており、逆にそのような動脈硬化のリスクが高い人ほどより血圧を低めを保った方が良いというデータが多くなっています。そのため、原則として130/80未満を目標にしますが、高齢の方やふらつきが出る方では無理のない範囲で調整も行います。
当院では循環器内科専門医として動脈硬化性疾患の検査やフォローアップも行っています。血管年齢を測るABI(足関節上腕血圧比)検査や首の血管の動脈硬化を見る頸動脈エコー検査、心臓の機能をチェックする心臓超音波検査も行っていますので、動脈硬化が心配な方は一度ご相談ください。
Kuwahara K, et al. Hypertens Res. 2024;47:1861-1870.
SPRINT Research Group. N Engl J Med. 2021;384:1921-1930.
高血圧の治療では、まずは生活習慣の改善による血圧コントロールがメインになります。減塩を中心とした食事療法や有酸素運動を中心とした運動療法をまずは日々の生活に取り入れていき、「1カ月以内に再評価」を行います。
生活習慣の改善指導を行い、目標が達成されなければ、ガイドラインに沿って血圧を下げる薬(降圧剤)の開始を検討します。もちろん、 「仕事が忙しく改善していくのに時間が必要」「生活習慣の改善が実践できてきたのでもう少し薬を使わずに様子を見たい」など個々の患者様に合わせた方法を一緒に考えていきます。
なお、合併症のリスクが高いと判断した場合には、降圧剤を処方することもあります。その場合は薬物療法と生活習慣の改善を並行して行い、血圧の数値が安定していれば薬を減らしていく、さらには中止にすることを目標にしていきます。
長時間作用型ジヒドロピリジン系 Ca 拮抗薬(アムロジピン・アゼルニジピン・シルニジピンなど)
レニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬(オルメサルタン・アジルサルタン・テルミサルタンなど)
少量のサイアザイド系利尿薬(ヒドロクロロチアジド・フルイトランなど)
β遮断薬(カルベジロール・ビソプロロール・アテノロールなど)
の 4種が治療開始時から使用する主要な降圧薬に位置付けられています。β遮断薬は頻脈傾向や心不全リスクのある高血圧患者に有効であり、サイアザイド系利尿薬は塩分過多や体液貯留傾向の患者に顕著な降圧効果が得られる場合があります。血圧の数値だけではなく、他にお持ちの疾患も考慮した薬剤選択を常に心がけています。
薬をなるべく飲みたくないと思われる方もいらっしゃいますし、それも当然のお気持ちだと思います。しかし、生活習慣病の治療を先延ばしにすると心臓や脳・腎臓へ負担がかかることがあります。当院は生活習慣の改善を土台にして、必要最小限の薬剤を選び、将来的な減量・中止も視野に入れて二人三脚で治療を進めます。
A. 1回だけ高かった場合でも、すぐに異常と決まるわけではありません。ただし、健診で血圧が高めと言われた方は、家庭でも血圧を測って確認することをおすすめします。家庭でも高い状態が続く場合は、高血圧の可能性があります。特に、何度か健診で高値を指摘されている方、家族に高血圧や脳卒中・心臓病の方がいる方、糖尿病や脂質異常症がある方は、一度ご相談ください。
A. 数値だけで一律に決まるわけではありません。診察室で140/90mmHg以上(家庭血圧で135/85mmHg以上)が続く場合に高血圧と診断し、まずは1か月程度、減塩や運動などの生活習慣の改善を行って再評価します。それでも目標に届かない場合にお薬を検討します。ただし血圧が著しく高い方や、糖尿病・腎臓病・心臓の病気があり合併症のリスクが高い方では、はじめからお薬を併用することがあります。
A. 血圧の数値によっては内服する必要があります。高血圧は症状があるから治療を行う病気ではなく、脳出血や脳梗塞・心筋梗塞などの重篤な病気にならないために治療していく病気になります。
A. 血圧はある程度は変動があるのが一般的です。夜勤明けだったり夜更かしをした後は高いということもあります。早朝の高血圧などは睡眠時無呼吸症候群の関与なども考えられるため、変動がある場合には朝・夕と測定し、記録を医師にお見せください。
A. 朝の血圧測定は起床後1時間以内で排尿を済ませた後で、服薬や朝食より前に座った状態で行いましょう。夜の血圧測定は就寝前の落ち着ける時に座った状態で、入浴、飲酒、食事の直後の測定は避けましょう。
A. はい、朝だけ血圧が高い場合でも注意が必要です。朝は起床後に血圧が上がりやすく、脳卒中や心筋梗塞などの病気が起こりやすい時間帯でもあります。そのため、朝の血圧が高い状態が続くと、血管や心臓に負担がかかることがあります。家庭血圧を朝・晩で記録していただくと、治療が必要かどうかの判断に役立ちます。
A. 血圧が安定している方では1〜3か月に1回程度が目安です。お薬を始めた時期や種類を変更した時期は、効果と副作用を確かめるため2〜4週間ごとにお越しいただくことがあります。毎回の診察で家庭血圧の記録を拝見し、そのうえで次の間隔を決めていきます。採血や心電図などは、状態に応じて年1回程度から行います。
A. 血圧の数値次第になります。薬を飲んでいても、食事療法や運動療法をしっかり取り入れることにより、最終的に薬の力を借りなくても血圧の管理に成功している方も多くいらっしゃいます。
A. お薬の種類によって出やすい症状が異なります。カルシウム拮抗薬では顔のほてりや足のむくみ、ACE阻害薬では空咳、利尿薬では脱水や電解質の乱れ、β遮断薬では脈が遅くなることやだるさなどが挙げられます。血圧が下がりすぎることによるふらつきが出ることもあります。多くはお薬の種類や量を変えることで対応できますので、気になる症状があるときは自己判断で中止せず、ご相談ください。
A. 自己判断での中止はおすすめできません。血圧が下がっているのはお薬が効いている結果であることが多く、急にやめると数週間で元の値に戻ってしまうことがあります。一方で、減塩や運動、体重の減少が続いて血圧が安定している方では、段階的に減らしたり中止できる場合もあります。やめたいというお気持ちは治療を見直すきっかけになりますので、次の受診の際にお聞かせください。
A. まずは減塩を意識しましょう。目標は目安1日6g未満ですが、塩分量よりも加工食品を食べない、外食を減らす、麺類は汁を飲まないなどの日々の心がけを大事にしましょう。野菜・果物・魚・大豆を中心としたDASH食も有効です。DASHは「Dietary Approaches to Stop Hypertension」の略で、高血圧を防ぐ食事法という意味です。ご興味がある方は受診時に「DASH食で摂取すべき食べ物・避けるべき食べ物」の案内をお渡ししています。
A. 禁酒が必要な方ばかりではありませんが、量を控えていただく必要があります。飲酒量が多いほど血圧は上がりやすく、1日の目安は日本酒なら1合、ビールなら中瓶1本、ワインならグラス2杯程度まで、女性はその半分程度が望ましいとされています。また、飲んだ直後は血圧が下がり翌朝に上がることがあるため、家庭血圧の記録にはお酒を飲んだ日をメモしておくと参考になります。
A. 長時間継続して行える有酸素運動を行いましょう。代表的なものとしてはウォーキング、ジョギング、ランニング、サイクリング、水泳などが挙げられます。頻度としては週に3~5日、1回あたり20分~30分以上が目安とされています。運動を始めたばかりの人や慣れていない人は、無理をしないように週に2~3回から始めて、徐々に頻度を増やしていきましょう。
A. 急激な温度差で血圧が大きく変動する「ヒートショック」への対策が大切です。脱衣所やトイレを暖めておく、湯温は41℃以下にして長湯を避ける、飲酒後や食事の直後の入浴を避ける、湯船から急に立ち上がらない、といった点を意識してください。入浴前にご家族へ一声かけておくと、万一のときの発見も早くなります。血圧のお薬を飲んでいる方や高齢の方は特に注意が必要です。
A. 調べられます。当院ではABI検査で足の血管の詰まりや血管の硬さを、頸動脈エコー検査で首の動脈の壁の厚さやプラークの有無を確認します。心臓への負担は心臓超音波検査(心エコー)で評価し、あわせて採血で腎機能も確認します。いずれも痛みを伴わない検査で、検査予約は必要ありません。長く高血圧を指摘されてきた方は、一度現状を把握しておくと治療の目標も立てやすくなります。
A. 必ずなるわけではありません。高血圧の多くは、遺伝的な体質と、塩分の多い食事・運動不足・ストレスなどの生活習慣が重なって起こります。ご家族に高血圧の方がいる場合は発症しやすい傾向がありますが、若いうちから減塩や体重管理を意識することで、発症の時期を遅らせたり程度を軽くできる部分があります。ご家族に脳卒中や心臓病の方がいる場合は、症状がなくても一度血圧を確認しておくと安心です。
済生会横浜市東部病院の循環器内科で10年以上にわたり、狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患、高血圧・糖尿病などの生活習慣病、慢性腎臓病、心房細動などの不整脈、心不全、弁膜症の診療に携わってきました。神奈川区・反町・東神奈川エリアの地域のかかりつけ医として、外来診療、在宅医療、病診連携にその経験を活かしています。