LINE 友だち追加
糖尿病と動脈硬化|総合内科専門医・循環器内科専門医|横浜市神奈川区の本多内科医院

糖尿病と動脈硬化
心臓・脳・足・腎臓の血管を守るために

糖尿病は「血糖値が高い病気」というだけではなく、全身の血管に負担をかけ、動脈硬化を進める病気です。大血管障害(心臓・足の血管)だけでなく、微小血管障害(腎臓・目・神経)にも注意が必要です。当院では、血糖値やHbA1cだけでなく、心臓・血管・腎臓のリスクも含めて診療します。

糖尿病がある方、血管の病気が心配な方へ

糖尿病による動脈硬化は、初期には自覚症状がないことがほとんどです。以下に当てはまる方は、心臓・血管・腎臓の状態も含めて確認することが大切です。

HbA1cが高い

健診で血糖値・HbA1cの異常を指摘された方

高血圧・脂質異常症もある

血圧やLDLコレステロールも高い方

胸・息切れ・足が気になる

胸の違和感、息切れ、足の冷えやしびれがある方

腎機能や尿蛋白を指摘

eGFR低下、クレアチニン高値、尿蛋白がある方

健診結果やお薬手帳をお持ちいただくと診療がスムーズです。当院では、糖尿病だけでなく、心臓・血管・腎臓への影響も含めてご相談いただけます。

糖尿病と動脈硬化の診療で大切なこと

糖尿病を、心臓・血管・腎臓の病気の予防まで見据えて診療します

糖尿病では、血糖値だけでなく、高血圧、脂質異常症、腎機能、尿蛋白、心電図異常などの「糖尿病から起こる合併症」を一緒にチェックしていくことが大切です。当院では、循環器内科専門医の視点から、将来の心筋梗塞・脳梗塞・慢性腎臓病・心不全の予防を視野に入れて診療します。ABI検査・頚動脈エコーなど、動脈硬化を非侵襲的に評価する検査も当院で対応しています。

初診時にあるとよいもの

初診時にあるとよいもの

  • 健康診断の結果
  • お薬手帳
  • 過去の血糖値・HbA1c・血圧・脂質・腎機能の記録
  • 胸の症状、息切れ、足の症状がある場合は、その経過が分かるメモ

お気軽にご相談ください

目次

糖尿病は血糖値だけの病気ではありません

糖尿病というと、「血糖値が高い」「HbA1cが高い」という数値に目が向きがちです。糖尿病を管理するという面でこれらの数字はもちろん重要です。しかし、糖尿病で本当に注意したいのは、高血糖の状態が長く続くことで血管が少しずつ傷み、全身の臓器に悪影響が出ることです。

糖尿病による血管障害は大きく2つに分けられます。心臓・脳・足など大きな血管が障害される「大血管障害」と、腎臓・目・神経など細い血管が障害される「微小血管障害」です。どちらも、高血糖が続くほど進行しやすくなります。

当院では、血糖値・HbA1cの管理と並行して、循環器内科専門医の視点から心臓・血管・腎臓の病気の予防を目指しています。

なぜ糖尿病で動脈硬化が進むのか:4つのメカニズム

動脈硬化とは、血管が硬くなったり、悪玉コレステロールなどが蓄積してできるプラークが形成され、血流が悪くなる状態です。糖尿病では、以下の4つのメカニズムが重なり合い、動脈硬化が健常者よりもはるかに速く進みます。

  • ① 血管内皮障害
    高血糖が続くと、血管の内壁を覆う内皮細胞が傷つきます。傷ついた内皮はLDLコレステロールや脂質を取り込みやすくなり、プラーク(血管のこぶ)の形成が始まります。

  • ② 酸化ストレスの増大
    高血糖状態では活性酸素が過剰に産生され、血管壁を酸化・傷める「酸化ストレス」が高まります。これが血管炎症をさらに促進します。

  • ③ AGEs(終末糖化産物)の蓄積
    余分な糖とタンパク質が結びついてできる物質をAGEs(エイジス)といいます。AGEsは血管壁に蓄積して弾力を奪い、血管を直接硬化させます。一度蓄積したAGEsは通常の治療では除去できないため、高血糖を避けることが重要です。

  • ④ 慢性炎症の促進
    高血糖は血管壁の慢性的な炎症を引き起こし、プラークを不安定化させます。不安定なプラークが破裂すると、急性心筋梗塞や脳梗塞につながります。

これらの変化は、高血圧・脂質異常症・喫煙・肥満・運動不足が重なるとさらに加速します。糖尿病の方では、血糖値だけでなく血圧・LDLコレステロール・中性脂肪の管理、腎機能や尿蛋白を定期的にチェックすることが、動脈硬化の予防に直結します。

糖尿病が動脈硬化を進める4つのメカニズム(血管内皮障害・酸化ストレス・AGEs・慢性炎症)

大血管障害:心臓・足の血管に起こりやすい病気

心臓・脳・足など比較的大きな血管が動脈硬化で障害されることを「大血管障害(macrovascular disease)」といいます。糖尿病は大血管障害の主要な危険因子であり、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病は、血管を傷めて動脈硬化を進め、心筋梗塞・脳梗塞・足の動脈硬化のリスクを約2〜4倍に高めると報告されています。

特に注意が必要なのは、糖尿病の方は心筋梗塞があっても典型的な胸痛を感じにくい場合(無症候性心筋梗塞)があるという点です。神経障害が痛みの感覚を鈍らせるため、「胸が痛くない=心臓は大丈夫」とは限りません。息切れ・だるさ・胸の違和感といった非典型症状にも注意が必要です。

糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病が動脈硬化性疾患のリスクを高める目安

画像をクリックすると拡大表示できます

大血管障害(macrovascular disease)

微小血管障害:腎臓・目・神経への影響

大血管障害とともに、糖尿病に特有の合併症として重要なのが「微小血管障害(microvascular disease)」です。毛細血管など細い血管が高血糖によって痛むことにより、腎臓・目・神経に障害が生じます。代表的なものが糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害の三大合併症です。

微小血管障害(microvascular disease)

糖尿病性腎症と慢性腎臓病(CKD)

糖尿病性腎症は、高血糖が腎臓の糸球体(フィルター機能を持つ毛細血管の集まり)を傷めることで起こります。初期は尿蛋白の出現(微量アルブミン尿)から始まり、進行するとeGFR(腎臓のろ過機能)が低下し、慢性腎臓病(CKD)へと移行します。重症化すると透析が必要になることもあります。

糖尿病性腎症は、慢性腎臓病・透析導入原因の第1位です。HbA1cや血圧のコントロールに加え、尿蛋白・eGFRの定期的な確認が不可欠です。当院では、腎機能の経過を追いながら、必要に応じて腎保護効果のある薬剤(SGLT2阻害薬など)の導入も検討します。

なお、糖尿病性網膜症(目の合併症)や糖尿病性神経障害(手足のしびれ・自律神経障害)も微小血管障害によるものです。これらは当院での専門的な対応が難しい場合、適切な専門施設へご紹介します。

糖尿病がある方で注意したい症状

糖尿病による動脈硬化は、初期には自覚症状がないことがほとんどです。一方で、胸の違和感・息切れ・足の冷えやしびれ・歩くと足が痛くなるなどの症状がある場合は、心臓や血管の病気が隠れていることがあります。また、無症候性心筋梗塞を念頭に置き、症状がなくても定期的な検査が重要です。

  • 胸が痛い、胸が圧迫される
  • 階段や坂道で息切れする
  • 動悸がする、脈が乱れる
  • 足が冷える、しびれる
  • 歩くとふくらはぎが痛くなる
  • 足の傷が治りにくい
  • 足のむくみがある
  • 健診で心電図異常を指摘された
  • 尿蛋白や腎機能低下を指摘された
  • 糖尿病の合併症が心配である

当院で確認できる検査(ABI・頚動脈エコーなど)

糖尿病がある方では、血糖値・HbA1cだけでなく、動脈硬化や心臓・腎臓への影響を評価する検査が重要です。当院では、患者さんの状態やリスクに応じて以下の検査を組み合わせています。

特にABI検査と頚動脈エコーは、糖尿病患者さんの動脈硬化スクリーニングとして有用です。どちらも痛みのない非侵襲的な検査で、当院で実施可能です。症状がなくても定期的に確認することで、動脈硬化の進行を早期に把握できます。

生活習慣病をまとめて管理することが大切です

糖尿病の管理において、血糖値を下げるだけでは不十分です。高血圧・脂質異常症が重なると動脈硬化はさらに速く進行し、心筋梗塞・脳梗塞・慢性腎臓病のリスクが大きく高まります。

そのため、糖尿病の診療では血糖値・血圧・脂質・腎機能・体重・生活習慣をまとめて確認し、包括的にリスクを管理することが重要です。当院では、これらの生活習慣病を総合的に診療しています。

受診の目安

糖尿病がある方、または健診で血糖値・HbA1cが高いと言われた方で、以下に当てはまる場合はご相談ください。

  • HbA1cや血糖値が高いと言われた

  • 糖尿病治療中だが、HbA1cが安定しない

  • 高血圧や脂質異常症もある

  • 腎機能低下や尿蛋白を指摘された

  • 胸の違和感、息切れ、足の冷えやしびれがある

  • 家族に心筋梗塞・脳梗塞・透析の方がいる

  • 糖尿病の合併症(目・腎臓・神経・血管)が心配である

健診結果やお薬手帳をお持ちいただくと、診療がスムーズです。当院では、糖尿病だけでなく、心臓・血管・腎臓のリスクも含めて診療しています。予約なしでもご相談いただけます。

糖尿病と動脈硬化に関するよくある質問Q&A

糖尿病だと必ず動脈硬化になりますか?

糖尿病があれば必ず動脈硬化が重症化するわけではありませんが、高血糖・高血圧・脂質異常症が重なるほどリスクは高まります。血糖値だけでなく、血圧・脂質・腎機能も含めて総合的に管理することが、動脈硬化の進行を抑える最も重要な対策です。

HbA1cが少し高いだけでも受診した方がよいですか?

HbA1cが高い状態が続く場合は、糖尿病または糖尿病予備群の可能性があります。症状がなくても、早めに確認することで血管へのダメージが蓄積する前に生活習慣の見直しや治療につなげられます。早期介入が最も効果的です。

胸の痛みがない場合も、心臓の病気に注意が必要ですか?

糖尿病の方では、神経障害の影響で心臓の病気があっても典型的な胸痛が出にくいことがあります(無症候性心筋梗塞)。息切れ・だるさ・胸の違和感・むくみなどの非典型症状がある場合や、症状がなくても定期的な心電図・心エコーによるチェックが重要です。

動脈硬化はどのような検査で分かりますか?

血液検査・尿検査・心電図に加え、ABI検査(足の血流評価)と頚動脈エコー(頚動脈のIMT・プラーク評価)が動脈硬化のスクリーニングに有用です。これらはいずれも痛みのない検査で、当院で実施できます。症状やリスクに応じて心エコーを組み合わせることもあります。

尿蛋白を指摘されましたが、糖尿病との関係がありますか?

糖尿病がある方で尿蛋白(特に微量アルブミン尿)が認められる場合、糖尿病性腎症の初期段階である可能性があります。放置すると腎機能が低下し、慢性腎臓病(CKD)へ進行することがあります。早期の血糖・血圧管理と腎保護薬の導入が有効ですので、早めにご相談ください。

糖尿病と高血圧・脂質異常症をまとめて診てもらえますか?

はい。当院では糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病をまとめて診療しています。心筋梗塞・脳梗塞・慢性腎臓病を予防するためにも、複数のリスク因子を包括的に管理することが大切です。

糖尿病がある方、健診で血糖値・HbA1cが高いと言われた方は、血糖値だけでなく、心臓・血管・腎臓への影響も含めて確認することが大切です。

執筆・監修

本多 洋介

本多内科医院 院長

日本内科学会総合内科専門医
日本循環器学会循環器内科専門医

院長紹介はこちら

本ページは、総合内科専門医・循環器内科専門医である院長が、 医学的知見に基づいて内容を確認しています。 症状の感じ方や検査結果の意味は、お一人おひとりで異なります。 気になる症状がある方、健康診断で異常を指摘された方は、 自己判断せず医療機関へご相談ください。

最終更新日:2026年5月19日

参考文献・ガイドライン

  • Lewington S, Clarke R, Qizilbash N, Peto R, Collins R; Prospective Studies Collaboration. Age-specific relevance of usual blood pressure to vascular mortality: a meta-analysis of individual data for one million adults in 61 prospective studies. Lancet. 2002;360:1903-1913.
  • Cholesterol Treatment Trialists’ Collaboration. Efficacy and safety of more intensive lowering of LDL cholesterol: a meta-analysis of data from 170,000 participants in 26 randomised trials. Lancet. 2010;376:1670-1681.
  • 日本動脈硬化学会 編. 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版. 日本動脈硬化学会, 2022.
  • 日本糖尿病学会 編・著. 糖尿病診療ガイドライン2024 第12章 糖尿病性大血管症. 南江堂, 2024.
電話でお問い合わせ LINE 友だち追加 お問い合わせ アクセス