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「糖尿病と睡眠時無呼吸症候群の危険な関係」放置すると何が起きる?医師が解説

この記事は、総合内科専門医・循環器内科専門医である内科医が、日本のガイドラインや主要な研究報告をもとにまとめています。

糖尿病の治療では、食事・運動・薬が大切です。ところが、きちんと取り組んでいるのにHbA1cが下がりにくい方の中には、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が隠れていることがあります。

外来でよく伺うお悩みです。

  • 食事も運動も薬も続けているのに、HbA1cがじわじわ上がってきた
  • 最近体重が増え、家族からいびきを指摘された
  • 眠ったはずなのに、朝からだるく頭が重い
  • 朝の血圧が高く、日中も眠気が強い

糖尿病と睡眠時無呼吸症候群は別々に見えて、実際には互いに悪影響を及ぼすことがあります。この記事では、糖尿病のある方・健診で血糖値やHbA1cを指摘された方が、どのようなときに睡眠時無呼吸症候群を疑うべきかを中心にお伝えします。


眠っているあいだの呼吸が、血糖に影響することがあります

糖尿病の治療では、食事療法・運動療法・薬物療法が基本です。ただし、これらを続けていても血糖コントロールが悪くなる場合、睡眠中の呼吸障害が関係していることがあります。

睡眠時無呼吸症候群では、眠っているあいだに低酸素と睡眠の分断が繰り返されます。その結果、交感神経が活発になり、アドレナリンやコルチゾールなどのストレスに関係するホルモンが増えやすくなります。

この状態が一晩のうちに何度も起こると、次のような変化につながることがあります。

  • インスリンが効きにくい「インスリン抵抗性」が進みやすい
  • 夜間から朝にかけて血糖値が上がりやすい
  • 高血圧を合併しやすい
  • 朝のだるさ、頭重感、日中の眠気につながりやすい

糖尿病の詳しい診断基準や治療全体については、糖尿病内科で解説しています。この記事では、血糖が下がりにくい背景としての睡眠時無呼吸症候群に焦点を当てます。


睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、眠っているときに呼吸が止まる、または浅くなる状態を何度も繰り返す病気です。

  • 10秒以上呼吸が止まる「無呼吸」
  • 呼吸が浅く弱くなる「低呼吸」
  • 低酸素と覚醒反応が睡眠中に繰り返される

いびきや日中の強い眠気が有名ですが、本人に自覚がないことも珍しくありません。家族から「息が止まっている」「いびきが急に止まり、その後大きな呼吸をする」と言われて気づく方もいます。

咳や息切れなど別の呼吸器症状が目立つ場合は、咳が続く息切れ・息苦しいといった症状から考える病気もあります。


糖尿病の方に隠れやすい「眠りのサイン」

糖尿病や高血糖の方で、睡眠時無呼吸症候群が重なっている場合、血糖・血圧・心臓の症状が同時に悪く見えることがあります。

次のようなサインがある方は、一度確認しておくと安心です。

  • 血糖値・HbA1cが高い、または下がりにくい
  • ここ数年で体重が増え、お腹まわりや首まわりが太くなった
  • 家族から「いびきが大きい」「息が止まる」と言われた
  • 朝起きたときに頭痛、のどの渇き、強いだるさがある
  • 昼間の会議中や運転中に眠気が強い
  • 血圧が高い、特に朝の血圧が高い
  • 動悸・脈が飛ぶ感じがある
  • 足のむくみや息切れが気になる

動悸や不整脈を指摘された方では、心房細動不整脈の評価が必要になることもあります。息切れやむくみがある場合は、心不全の確認も大切です。


肥満だけではありません。日本人では首・あご・体型も関係します

睡眠時無呼吸症候群は「かなり太った人だけの病気」と思われがちですが、実際には軽度肥満の方や、やせ型でもあごが小さい方にも見られます。

日本人では、欧米人に比べてあごが小さい傾向があり、少し体重が増えただけでも気道が狭くなりやすい方がいます。加齢による筋肉の低下も、睡眠中の気道の狭さに関係します。

肥満がある場合は、糖尿病、高血圧脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群が重なりやすくなります。これらが重なると動脈硬化が進み、狭心症心筋梗塞慢性腎臓病のリスクにも関わります。


糖尿病・肥満・睡眠時無呼吸症候群の悪循環

糖尿病、肥満、睡眠時無呼吸症候群は、それぞれ別々の病気のように見えて、次のような悪循環を作ることがあります。

  1. 体重が増えると、首やお腹まわりの脂肪により気道が狭くなりやすい
  2. 睡眠時無呼吸症候群が起こると、低酸素と睡眠不足でインスリン抵抗性が悪化しやすい
  3. 血糖が高い状態が続くと、疲れやすくなり、活動量が落ちやすい
  4. 活動量が落ちると体重がさらに増え、睡眠時無呼吸症候群が悪化しやすい

この悪循環が続くと、心臓・血管・腎臓への負担が増えます。糖尿病だけ、いびきだけ、血圧だけと分けて考えるのではなく、全身のつながりとして見ることが重要です。

糖尿病・肥満・睡眠時無呼吸症候群の関係


CPAPは血糖の薬ではありませんが、糖尿病治療を支えることがあります

睡眠時無呼吸症候群の代表的な治療に、CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)があります。眠っている間に鼻のマスクから空気を送り、気道がふさがらないようにする治療です。

CPAPだけで糖尿病が治るわけではありません。ただし、夜間の低酸素や睡眠の分断が改善すると、日中の眠気、朝のだるさ、血圧、体調管理に良い影響が出る方がいます。その結果、食事や運動を続けやすくなり、血糖管理を後押しすることがあります。

睡眠時無呼吸症候群が疑われる方は、まず睡眠時無呼吸症候群の簡易検査で呼吸状態を確認します。検査結果や症状によって、CPAP、マウスピース、生活習慣の見直しなどを検討します。


当院での診療の流れ

本多内科医院では、一般内科循環器内科の視点から、血糖・血圧・睡眠・心臓の状態を合わせて確認します。

1. まずは症状と生活背景を伺います

  • 糖尿病、高血圧、脂質異常症の状態
  • 体重変化、食事、運動、飲酒、喫煙
  • いびき、無呼吸、日中の眠気、夜間頻尿
  • 動悸、胸痛、息切れ、むくみなどの症状

2. 必要な検査を組み合わせます

血糖やHbA1c、腎機能、脂質を確認するために血液検査を行います。腎臓への影響や尿糖・蛋白尿を確認するために尿検査も重要です。

動悸や不整脈がある方には心電図検査、発作的な症状がある場合にはホルター心電図検査を検討します。息切れやむくみがある方では心臓超音波検査(心エコー)を行うことがあります。

動脈硬化が心配な方では、頸動脈超音波検査(頚動脈エコー)ABI検査で血管の状態を確認します。

3. 睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合

いびき、無呼吸、日中の眠気、朝の頭痛、血圧のコントロール不良がある方には、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査をご案内します。自宅で行える検査を使い、普段の睡眠に近い状態で呼吸の乱れを確認します。

4. 結果に合わせて治療方針を決めます

  • 糖尿病治療の見直し
  • 高血圧・脂質異常症の管理
  • 体重管理、食事、運動の具体的な工夫
  • CPAPやマウスピース治療の検討
  • 不整脈、心不全、腎臓病がある場合の追加評価

大切なのは、糖尿病と睡眠時無呼吸症候群を別々の問題として扱わないことです。血糖、血圧、睡眠、心臓・血管の状態を合わせて見ることで、より現実的な治療につながります。


「糖尿病と眠り」が気になる方へ

次のような方は、一度ご相談ください。

  • 糖尿病と診断されている
  • 健診で血糖値やHbA1cが高いと言われた
  • いびき、無呼吸、日中の眠気、朝のだるさがある
  • 血圧のコントロールが悪い
  • 動悸、息切れ、足のむくみも気になる

「年齢のせい」「忙しさのせい」と決めつける前に、睡眠時無呼吸症候群が血糖や血圧に影響していないかを確かめることが大切です。

本多内科医院では、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病循環器内科の病気、睡眠時無呼吸症候群を、全身のつながりとして診療しています。

睡眠時無呼吸症候群の診療案内

糖尿病内科の診療案内



参考文献

  • Gentile S, et al. J Clin Med. 2025;14:5574.
  • 糖尿病12巻2号(通号122)2020年2月.
  • Tasali E, et al. Circ Res. 2025;137:764-787.
  • Herth J, et al. Eur Respir Rev. 2023;32:230083.

📞 電話:045-755-3039

📧 メール:mychondaiin@gmail.com

🏥 診療科:内科循環器内科

🔷 総合内科専門医、循環器内科専門医

📍 Myクリニック本多内科医院(横浜市神奈川区反町4丁目27-1)

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監修: Myクリニック本多内科医院 院長 本多洋介

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