早期発見がカギ!心不全4つのステージと治療の選択肢
「階段で息が切れるのは年齢のせいかな」「夕方になると足がむくむ」――そんな日常の小さな違和感が、実は心臓からのサインであることがあります。
この記事では、心不全のA〜Dの4ステージを中心に、今どの段階にあるのか、どのような治療や生活管理が必要になるのかを、循環器内科専門医の立場からお話しします。
心不全そのものの詳しい説明は、心不全の案内もあわせてご覧ください。この記事では、心不全の全体像を重ねて説明しすぎるのではなく、ステージ分類と早期介入の考え方に重点を置いています。
心不全のステージ分類とは?
心不全は、症状が出てから始まる病気ではありません。高血圧、糖尿病、脂質異常症、心筋梗塞、弁膜症、不整脈などが長く続くことで、心臓に負担が積み重なり、やがて息切れやむくみとして表に出てくることがあります。
そのため、現在の心不全診療では、症状が出る前の段階も含めてA〜Dの4ステージで考えます。大切なのは、「症状がないから大丈夫」ではなく、将来の心不全を防ぐために早めに対策するという視点です。
心不全と関連しやすい病気として、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心筋梗塞、弁膜症、不整脈、心房細動、慢性腎臓病、睡眠時無呼吸症候群があります。
A〜Dの4ステージ:今の位置を知ることが第一歩です
ステージA:心不全のリスクが高い段階
高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満、喫煙、家族歴などがあり、将来的に心不全を起こしやすいものの、心臓の構造異常や心不全症状はまだない段階です。
この段階では、生活習慣の見直しと基礎疾患の治療が中心になります。特に血圧、血糖、脂質、体重、睡眠の管理が大切です。
ステージB:心臓に異常があるが、症状はまだない段階
心臓超音波検査で左室肥大、心臓のポンプ機能低下、弁膜症、心筋梗塞後の変化などが見つかる一方で、息切れやむくみなどの症状はまだない段階です。
症状がないため見逃されやすいものの、ここで気づけると、ステージCへ進む前に治療を始めやすくなります。健診で心電図異常や心拡大を指摘された方は、健診での心電図異常・不整脈の案内も参考になります。
ステージC:心不全症状が出ている段階
坂道や階段での息切れ、足のむくみ、夜間の呼吸苦、体重増加、だるさなどがみられる段階です。多くの方が、この段階で初めて医療機関を受診されます。
症状のある方は、息切れ・息苦しい、足のむくみの受診目安もあわせてご確認ください。
ステージD:治療を行っても症状が残りやすい段階
安静時や軽い動作でも息苦しさが出る、入退院をくり返す、通常の薬物療法だけでは状態が安定しにくい段階です。専門施設での治療、在宅療養、緩和ケアを含めた話し合いが必要になることがあります。

実際の症例:早く気づくことで、治療の選択肢は広がります
症例1:70代男性 ステージCで受診された例
高血圧と糖尿病がありましたが、忙しさから通院が途切れていました。数か月前から階段での息切れと夕方の足のむくみが悪化し、当院を受診されました。心エコーで心臓のポンプ機能低下を認め、心不全ステージCと判断しました。
利尿薬や心不全治療薬を調整し、退院後は減塩、体重、血圧、脈拍の家庭記録を続けていただきました。症状は落ち着きましたが、早い段階で介入できていれば、入院を避けられた可能性もありました。
症例2:60代女性 ステージBで見つかった例
健診で心電図異常を指摘され、症状はありませんでしたが受診されました。心エコーで軽度の左室肥大を認め、心不全ステージBとして血圧管理と定期的な経過観察を開始しました。
症状が出る前に心臓の変化が分かったことで、治療の目的を「症状を取る」だけでなく「進行を防ぐ」ことに置けました。
受診の目安:こんなサインは要注意です
次のような症状は、ステージCの心不全でみられることがあります。
- 坂道や階段で前より息切れが増えた
- 夕方になると足首に靴下の跡がくっきり残る
- 横になると息苦しく、上半身を起こして寝たくなる
- ここ2〜3日で体重が2kg以上増えた
- 夜間に何度もトイレに起きるようになった
- 動悸や脈の乱れを感じる
動悸を伴う場合は、動悸・脈が飛ぶもご参照ください。胸の痛みや冷汗を伴う場合は、胸が痛い、狭心症、心筋梗塞の可能性も考えます。

検査と診断:今の心臓の状態を見える形にします
当院では、症状と診察に加え、必要に応じて次の検査を組み合わせて評価します。
- 心電図検査:不整脈、左室肥大、心筋虚血の手がかりを調べます。
- レントゲン検査:心拡大、肺うっ血、胸水の有無を確認します。
- 心臓超音波検査(心エコー):心臓の動き、弁膜症の有無、ポンプ機能を直接評価します。
- 血液検査:BNP/NT-proBNP、腎機能、電解質、貧血、血糖、脂質を確認します。
- 尿検査:腎臓病や糖尿病の合併を評価する手がかりになります。
脈の乱れが一時的で診察時に分からない場合は、ホルター心電図検査を行います。動脈硬化の評価として、頸動脈超音波検査(頚動脈エコー)やABI検査が役立つこともあります。いびきや日中の眠気がある方では、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査も検討します。
ステージ別の治療と生活のポイント
ステージA:発症予防が主役です
減塩、適正体重、禁煙、節酒、運動習慣を整えます。生活習慣病の管理は心不全予防の土台です。必要に応じて、生活習慣病外来、高血圧外来、糖尿病内科、脂質異常症の管理を行います。
ステージB:症状が出る前に先手を打ちます
心エコーや心電図で変化を追いながら、血圧管理や心臓への負担を減らす薬を検討します。弁膜症や心房細動がある場合は、状態に合わせて治療方針を決めます。
ステージC:薬物療法と自己管理を組み合わせます
HFrEFでは、β遮断薬、ARNI/ACE阻害薬/ARB、SGLT2阻害薬、MRAなどを病状に合わせて調整します。むくみや体液貯留がある場合は利尿薬も使います。体重、血圧、脈拍、息切れの記録が再入院予防に役立ちます。
ステージD:高度治療と生活の質を両立します
専門施設での治療が必要な場合は速やかに連携します。年齢や生活背景によっては、苦痛を和らげる医療や在宅療養を含めて、ご本人とご家族の希望を丁寧に伺います。
心不全のステージに関するよくある質問
Q. 心不全は治りますか?
A. 心不全は、長く付き合っていく病気です。一度弱った心機能を完全に戻すことが難しい場合もありますが、適切な治療と生活管理で安定した状態を保てることがあります。
Q. 運動しても大丈夫ですか?
A. 症状や心機能に合わせた安全な範囲の運動は、体力維持や再発予防に役立ちます。病状によって適した運動量が変わるため、医師に確認しながら始めましょう。
Q. 塩分はどのくらいにすればよいですか?
A. 目安は1日6g程度ですが、いきなり厳密に行うのは難しいことがあります。まずは外食、加工食品、汁物を見直し、今より少し減らすところから始めます。
Q. 心不全の4ステージは心機能の数値で決まりますか?
A. 4ステージは、心臓の収縮力だけではなく、リスク、心臓の構造異常、症状の有無、治療への反応を含めて考える分類です。EFによるHFrEF、HFmrEF、HFpEFの分類とは別の見方です。
当院の強み
- 循環器内科専門医が診察:症状の小さな変化も見逃さず、必要な検査や治療につなげます。
- 予約なしで受診可能:息切れやむくみなど、気になる症状が出たときに相談できます。
- 当日検査に対応:心電図、血液検査、レントゲン、心エコーなどを組み合わせて評価します。
- 生活習慣病から心不全まで一貫して診療:血圧、血糖、脂質、睡眠、腎機能まで含めて全身を見ます。
- 訪問診療に対応:通院が難しい方や退院後の再発予防を在宅で支えます。
受診を迷う方へ:今日からできる3つの自己チェック
- 体重:毎朝、同じ条件で測る。前日比+1kg、数日で+2kgは相談の目安です。
- むくみ:足首やすねを軽く押して、跡が残るかを見ます。
- 息切れ:1階分の階段で、以前より苦しくないかを振り返ります。
一つでも気になる点があれば、遠慮なくご相談ください。症状の原因が心不全であれば、早期の介入が重要です。
まとめ――今の行動が、これからの心臓を守ります
心不全の4ステージは、症状が出てから治療するのではなく、症状が出る前からリスクを見つけて対策するための考え方です。ステージA・Bでの介入はもちろん、ステージCでも適切な治療と自己管理により、再入院を防ぎ生活の質を保てる可能性があります。
「年齢のせい」「少し疲れているだけ」と片づけず、息切れ、むくみ、体重増加、健診異常が気になるときは、一度ご相談ください。
📞 電話:045-755-3039
📧 メール:mychondaiin@gmail.com
🏥 診療科:内科、循環器内科
🔷 総合内科専門医、循環器内科専門医
📍 Myクリニック本多内科医院(横浜市神奈川区反町4丁目27-1)
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監修: Myクリニック本多内科医院 院長 本多洋介

