LINE 友だち追加

ブログ

腎臓が悪いとむくむ?検査(eGFR、クレアチニン)で何が分かる?受診の目安も解説

「むくみ(浮腫)」と検索すると「腎不全」「透析」という言葉が目に入り、不安になって受診される方がいらっしゃいます。実際、腎臓の病気がむくみの原因になることはあります。ただし、むくみは腎臓だけで起こるものではなく、心不全、静脈のうっ滞、薬の影響、肝臓の病気などでも起こります。

この記事では、腎機能障害や慢性腎臓病(CKD)とむくみの関係を中心に、検査で何を見るのか、どのような場合に受診したほうがよいのかを、総合内科・循環器内科の立場からお伝えします。

足のむくみ全般の受診目安は足のむくみ、慢性腎臓病そのものの詳しい解説は慢性腎臓病、心臓が関係するむくみは心不全もあわせてご覧ください。

むくみ・腎臓・生活習慣病であわせて見ておきたい内容


むくみは、腎臓だけでなく心臓・血管・薬の影響でも起こります

腎臓が原因のむくみは、両足や顔、とくにまぶたに出やすい傾向があります。一方で、息切れや寝苦しさを伴う場合は心不全、片足だけの腫れや痛みが強い場合は血管の病気、薬を始めた後に出てきた場合は薬剤性のむくみも考えます。

むくみの原因によって、必要な検査や緊急度は変わります。「たぶん腎臓だろう」「もう少し様子を見よう」と決めつけず、症状の出方や健診結果をもとに見ていくことが大切です。

足のむくみそのものの原因や受診の目安は足のむくみで詳しく扱っています。この記事では、腎臓の数値や尿検査異常が気になる方に向けて、腎臓とむくみの関係を中心にお話しします。


腎臓が関係するむくみ:3つのパターン

腎臓が関係するむくみには、いくつかの起こり方があります。検査結果の意味やむくみとの関係を考えるうえで、以下の3つを知っておくと理解しやすくなります。

1)水分・塩分をうまく排出できない

腎臓は余分な水分や塩分を尿として体外に出し、体液のバランスを保っています。腎機能が落ちてくると水分が体内にたまり、足のむくみや体重増加として現れることがあります。

背景には、高血圧糖尿病、加齢、慢性腎臓病などがあります。腎臓の機能低下が続いている場合は、慢性腎臓病として継続的に見ていく必要があります。

2)たんぱく尿が増えてアルブミンが低下する

尿にたんぱくが多く漏れると、血液中のアルブミンが減り、水分が血管の外ににじみ出やすくなります。まぶたの腫れ、全身のむくみ、急な体重増加が目立つことがあります。

尿の泡立ちを気にされる方もいますが、見た目だけでは判断できません。まずは尿検査で蛋白尿や血尿の有無を見ます。糖尿病がある方では、糖尿病性腎症が背景にあることもあるため、糖尿病の管理も重要です。

Case 1)

50代男性。以前より糖尿病を指摘されていましたが、しばらく治療を受けていませんでした。ここ2週間ほどむくみが出てきたということで受診されました。検査では尿蛋白3+、低アルブミン血症を認め、糖尿病性腎症からネフローゼ症候群に至っている状況でした。腎臓内科で一時的な除水を行い、透析の導入は免れましたが、今後も慎重な外来管理が必要な状態です。

3)急に腎臓がダメージを受ける

熱中症による脱水、感染症、薬剤、尿管結石や腫瘍による尿路の閉塞、急性の腎炎などがきっかけとなり、短期間で腎機能が悪化することがあります。尿量の変化やむくみが急に進む場合は、早めに評価を受けてください。

特に、ロキソプロフェンなどの痛み止めを長く使っている方、自己判断で増量している方は注意が必要です。腎機能が低下している方では、痛み止めの使い方で腎臓に負担がかかることがあります。

Case 2)

40代男性。健診でクレアチニンの上昇を指摘され、受診されました。前年までの健康診断では血圧や腎機能の異常はありませんでした。話を伺うと、最近肩の痛みで処方されたロキソプロフェンを内服しており、痛みが強い時に自己判断で倍量にしていました。薬剤による腎機能障害の可能性を説明し、内服を見直したところ、腎機能は正常範囲まで改善しました。

短期間の薬剤性腎障害では、原因薬剤を中止し、適切に対応することで改善する場合があります。一方、長期間続いた腎障害では元に戻らないこともあります。痛み止めの長期使用には注意が必要です。

腎臓が関係するむくみの3つのタイプ


むくみで行う検査:尿・血液・心臓の状態を見ます

腎臓に関連した検査では、腎臓のろ過機能が低下していないか、尿にたんぱくや血液が混じっていないか、むくみの原因が心臓やほかの病気にないかを見ます。

尿検査:蛋白尿・血尿を見ます

尿検査は、腎臓のトラブルを早期に見つけるために大切です。尿蛋白は糸球体の障害やネフローゼを疑うきっかけになります。尿潜血や尿沈渣は、腎炎の可能性を考える手がかりになります。

血液検査:クレアチニン・eGFR・BUN・アルブミンなどを見ます

血液検査では、クレアチニン、eGFR、BUN、アルブミン、電解質などを見ます。クレアチニンやeGFRは腎臓のろ過能力の目安になります。アルブミンが低い場合は、ネフローゼ、低栄養、肝疾患なども考えます。

eGFRやクレアチニンは、筋肉量や脱水の影響で変動することがあります。健診で異常を指摘されても、再検査で正常範囲に戻る場合があります。一方で、数カ月にわたって腎機能が低下している、尿蛋白が続いている場合は、慢性腎臓病として経過を見ていく必要があります。

心臓の検査:心不全によるむくみを見逃さないために

むくみに息切れ、寝苦しさ、体重増加を伴う場合は、心不全も考えます。その場合は、心電図検査レントゲン検査心臓超音波検査(心エコー)を組み合わせて評価します。

血管の検査:片足のむくみや足の冷えがある場合

片足だけが腫れる、足の冷えやしびれがある、歩くと足が痛くなる場合は、血管の病気も考えます。動脈硬化の評価としてABI検査、必要に応じて頸動脈超音波検査(頚動脈エコー)が参考になります。


早めに受診したほうがよいむくみ

次のような場合は、早めの受診をお勧めします。

  1. むくみが数日から数週間続く、または次第に強くなっている場合。
  2. 健康診断で尿蛋白、eGFR低下、クレアチニン高値を指摘された場合。
  3. 尿量が明らかに減った、尿の色が濃い、血尿がある場合。
  4. 息切れ、寝苦しさ、胸の違和感を伴う場合。
  5. 片足だけが腫れて痛む、赤みや熱感がある場合。
  6. 発熱や強いだるさを伴う場合。

一方、立ち仕事のあと夕方だけ軽くむくみ、横になると改善するタイプは、静脈のうっ滞や生活習慣が関係していることがあります。ただし、いつもと様子が違う、急に悪化した、息切れや胸の違和感がある場合は早めにご相談ください。

むくみで受診を考えたいサイン


生活習慣病がある方は、腎臓と心臓を一緒に守る視点が大切です

生活習慣病は、腎臓や心臓、血管に少しずつ負担をかけます。高血圧糖尿病脂質異常症がある方では、慢性腎臓病や心不全、動脈硬化のリスクが高くなります。

高尿酸血症も腎臓や血管への負担と関係します。健診で尿蛋白、eGFR低下、クレアチニン高値、血糖値・HbA1c高値、血圧高値、脂質異常を指摘された方は、むくみが出る前から経過を見ておくことが大切です。

健診結果が気になる方は、健康診断・各種検診の結果をご持参ください。数値の変化を追うことで、今すぐ治療が必要か、生活改善を含めて経過を見るべきか判断しやすくなります。


受診前にメモしておくと役立つこと

・いつから、どこが、どの時間帯にむくむか。

・体重が増えていないか、息切れはないか。

・尿の変化(泡立ち、量、回数、色)。

・内服薬(降圧薬、糖尿病薬、痛み止め、漢方薬、市販薬を含む)。

・高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症、心臓病、腎臓病の既往歴。

これらをメモしておくと、診察がスムーズになります。健診結果やお薬手帳があれば、受診時にお持ちください。


腎臓を今以上に悪くしないために大切なこと

腎臓の数値が悪い場合は、まず原因を評価し、高血圧・糖尿病などの生活習慣病の管理を続けることが基本です。血圧・血糖・尿酸値も腎機能の悪化に影響しますし、腎障害が進行している場合には食事療法も重要です。

塩分を控え、体重や血圧を日ごろから把握しておきましょう。処方薬は自己判断で中断せず、用法用量を守ることが大切です。むくみがあるからといって、自己判断で利尿薬を服用したり、極端な水分制限をしたりすると、かえって体調を崩すことがあります。

「透析が怖い」と感じる方は少なくありません。しかし、健診での軽度異常がすぐに透析につながるわけではありません。放置せず現状を把握し、悪化につながりやすい要因に地道に対処していくことが、腎機能を守ることにつながります。


「むくみ」「腎臓の数値」が気になる方へ

本多内科医院では、むくみの原因を腎臓だけでなく、心臓・血管・薬の影響も含めて診察します。尿検査・血液検査を基本に、必要に応じて心電図、レントゲン、心エコーなども行い、専門医療機関へのご紹介も行います。気になる症状や健診結果がある方は、お気軽にご相談ください。


参考文献

① Kidney Disease: Improving Global Outcomes (KDIGO) CKD Work Group. KDIGO 2012 Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of Chronic Kidney Disease. Kidney Int Suppl. 2013.

② Kidney Disease: Improving Global Outcomes (KDIGO) Glomerular Diseases Work Group. KDIGO 2021 Clinical Practice Guideline for the Management of Glomerular Diseases. Kidney Int. 2021.

③ 日本腎臓学会 編. エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023(2023年6月20日発行).

④ 日本循環器学会/日本心不全学会. 2025年改訂版 心不全診療ガイドライン(2025年3月公開).


📞 電話:045-755-3039

📧 メール:mychondaiin@gmail.com

🏥 診療科:内科、循環器内科

🔷 日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会循環器内科専門医

📍 Myクリニック本多内科医院(横浜市神奈川区反町4丁目27-1)

この機会に下記の当院公式LINEをご登録ください。
ワクチンの予約に使用できる他、今後多方面での展開を考えております。

監修: Myクリニック本多内科医院 院長 本多洋介

友だち追加
< 足のむくみと深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)—「片足の腫れ」が気になったら
電話でお問い合わせ LINE 友だち追加 お問い合わせ アクセス