心房細動で脳梗塞が心配な方・抗凝固薬を内服中の方へ
心房細動では、心臓の中に血栓ができやすくなり、脳梗塞の原因になることがあります。 このページでは、心房細動で脳梗塞が起きる仕組み、抗凝固薬による予防、薬を飲む際の注意点、抗凝固薬が使いにくい場合の治療について、循環器内科専門医の視点で解説します。
心房細動の症状・原因・検査については、「心房細動」のページもあわせてご覧ください。
このページは、心房細動による脳梗塞予防と抗凝固療法に特化したページです。 心房細動の症状、原因、検査については親ページを、薬物療法やカテーテルアブレーションを含む治療全体については治療ページをご覧ください。
心房細動では、心房が規則正しく収縮できず、心房の中で血液の流れがよどみやすくなります。 特に「左心耳」と呼ばれる袋状の部分では血栓ができやすくなります。
この血栓が血流に乗って脳の血管に詰まると、心原性脳塞栓症という脳梗塞を起こすことがあります。 心原性脳塞栓症は大きな血栓が詰まることがあり、重症化しやすく、後遺症が残る場合もあります。
そのため、心房細動では「動悸を抑える治療」だけでなく、「脳梗塞を防ぐ治療」がとても重要です。
心房細動による脳梗塞予防についてより詳しく知りたい方は、抗凝固薬の役割を患者さん向けに解説している日本脳卒中協会の「心房細動からの脳梗塞予防に抗凝固薬を服用される患者さんへ」も参考になります。また、抗凝固薬が使いにくい場合の左心耳閉鎖術については、国立循環器病研究センターのAF(心房細動)外来でも紹介されています。
心房細動に関連した脳梗塞では、麻痺や言語障害などの後遺症が残ることがあります。 実際の診療でも、発症後の生活に大きな影響が出る方がいます。だからこそ、発症する前にリスクを見極め、予防につなげることが大切です。
心房細動の患者さんすべてに同じ治療を行うわけではありません。年齢、持病、過去の脳梗塞の有無などから、抗凝固薬が必要かを判断します。
CHADS₂スコアでは1点以上で脳梗塞リスクが上がると考え、2点以上では抗凝固療法を積極的に検討します。CHA₂DS₂-VAScスコアでは、男性2点以上、女性3点以上が抗凝固療法を強く検討する目安です。ただし、実際には腎機能、出血リスク、年齢、転倒リスク、併用薬なども含めて総合的に判断します。
抗凝固薬の必要性は、脳梗塞リスクだけでなく、腎機能、出血リスク、転倒リスク、併用薬、生活背景も含めて判断します。薬を始めるか迷う場合や、すでに内服中で不安がある場合はご相談ください。
抗凝固療法は、血液を固まりにくくして血栓の形成を防ぐ治療です。心房細動に伴う脳梗塞予防の中心となる治療です。
以前から使われている抗凝固薬です。効果に個人差があり、PT-INRという血液検査で効き具合を見ながら調整します。
直接経口抗凝固薬のことで、アピキサバン、リバーロキサバン、ダビガトラン、エドキサバンなどがあります。
脳梗塞予防効果だけでなく、出血リスク、腎機能、年齢、体重、併用薬、生活状況をふまえて薬を選びます。
抗凝固薬は血を固まりにくくするため、出血が止まりにくくなることがあります。
ワーファリンではビタミンKを多く含む食品に注意が必要です。DOACでは原則として特別な食事制限は少ないです。
市販薬、サプリメント、歯科治療、内視鏡、手術の予定があるときは、事前に申告してください。
出血リスクが高い、抗凝固薬を継続しにくいなどの理由がある場合、左心耳閉鎖術が選択肢になることがあります。 左心耳は心房細動で血栓ができやすい場所であり、ここを閉鎖することで脳梗塞リスクを下げることを目指します。
方法には、心臓手術と同時に行う外科的な閉鎖、胸腔鏡を用いた方法、カテーテルでデバイスを留置する経皮的左心耳閉鎖術などがあります。 いずれも専門施設で適応を判断する治療です。
心房細動の状態、年齢、持病、過去の脳梗塞の既往などをもとにリスクを評価します。
出血歴、転倒、貧血、腎機能、併用薬などから抗凝固薬を継続して安全かどうかを評価します。
必要に応じて、左心耳閉鎖術に対応した専門医療機関へ紹介します。
必ず必要とは限りません。年齢、心不全、高血圧、糖尿病、脳梗塞の既往などをもとに、脳梗塞リスクを評価します。出血リスクや腎機能も含めて治療方針を決めます。
ワーファリンはPT-INRという血液検査で効き具合を調整し、食事や薬の影響を受けやすい薬です。DOACは食事の影響が少なく使いやすい一方、腎機能や年齢、体重に応じた用量調整が重要です。
鼻血が止まりにくい、血尿、黒色便、皮下出血が増えた、突然の頭痛やふらつきがある場合は早めにご相談ください。自己判断で中止すると脳梗塞リスクが高まることがあります。
自己判断で中止しないでください。治療内容や出血リスク、脳梗塞リスクによって対応が変わります。歯科や内視鏡、手術の予定がある場合は、事前に主治医へ相談してください。
出血リスクが高い方や、抗凝固薬の継続が難しい方では、左心耳閉鎖術などの選択肢が検討されることがあります。専門施設での判断が必要なため、状態に応じて紹介します。
「抗凝固薬が必要か知りたい」「出血が心配」「薬をいつまで続けるのか不安」「歯科治療や手術前の薬の扱いを相談したい」など、心房細動の脳梗塞予防には個別の判断が必要です。 本多内科医院では、循環器内科専門医が患者さんの状態に合わせて診療を行います。
内科・循環器内科
日本内科学会総合内科専門医
日本循環器学会循環器内科専門医
横浜市神奈川区反町4丁目27-1
当院は予約なしでも受診いただけます。抗凝固薬の相談、治療中の不安、検査結果の相談もお受けしています。
監修:Myクリニック本多内科医院 院長 本多洋介
日本内科学会総合内科専門医
日本循環器学会循環器内科専門医