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「時計にこんな通知が出たんですが、これって本当なんでしょうか」
この1年ほどで、Apple Watchの画面を見せながらそう尋ねてこられる方が増えました。詳しく調べた方がいいのか、気にしなくていいのか…。迷ってしまうお気持ちは、とてもよく分かります。
先にお伝えしておくと、この通知だけで「睡眠時無呼吸症候群」の診断が決まるわけではありません。かといって、気にしなくていいものでもない。そのあたりが、この通知が出たときにどうしていいか分からない、いちばん悩むところだと思います。
実際に検査をしてみると、治療が必要な状態が見つかる方もいらっしゃいます。時計が拾ってくれたおかげで早く分かってよかった、とおっしゃる方も少なくありません。
このページでは、通知が出たあと何をどう考えていけばいいのかを、ゆっくり順を追ってご説明します。
通知が出て気になっている方へ
当院は予約なしで受診いただけます。その日のうちに検査をご希望の場合は、機器の空き状況がありますので、お電話でお知らせいただけると確実です。
このページの内容
Apple Watchは、眠っている間の手首のごくわずかな動きから、呼吸の乱れを推定しています。その乱れが何日も続いたときに、あの通知が出ます。
医療機関で行う検査とは、見ているものが違います。時計は、のどが塞がっているかどうかを直接測っているわけではありません。「呼吸が乱れているようだ」という、あくまで間接的なサインです。
ただ、この通知にはそれなりの意味があります。この機能は、ある程度以上の重さの睡眠時無呼吸を想定してつくられているためです。通知が出たということは、軽い段階ではない可能性が示されている、と受け取っていただくとよいかもしれません。
なお、この機能に対応している機種や表示のされ方は、更新されることがあります。お使いの機種が対応しているかどうかは、Appleの公式情報をご覧いただくのが確実です。
「通知が来なければ、心配ないということですよね」
そう思われるのも自然なことだと思います。ただ、残念ながら言い切れないところがあります。
この種の通知は、間違って知らせすぎないように慎重につくられています。裏を返すと、睡眠時無呼吸があっても通知が出ない方がいらっしゃるということでもあります。実際、通知は一度も出ていないのに、症状から検査に進んで見つかった方がおられます。
時計をつけずに寝た日が多かったり、バンドが緩かったりしたときも、検出されにくくなります。通知が出たかどうかより、いびきや眠気といった普段の様子のほうが、手がかりとしては確かです。次のチェックで、当てはまるものがないか見てみましょう。
当てはまるものにチェックを入れてみてください。その場で結果が出ます。入力された内容がどこかに送られることはありませんので、ご安心ください。
0/ 8 項目に該当
チェックを入れると、ここに結果が出ます。
このチェックは受診を考えるときの目安で、診断ではありません。当てはまるものが少なくても、気になることがあればどうぞご相談ください。
なかでも、早めに調べておきたい組み合わせは以下の組み合わせです
睡眠時無呼吸症候群は眠りの病気として知られていますが、いちばん負担がかかるのは心臓と血管です。
夜のあいだ、呼吸が止まるたびに血液中の酸素が下がります。そのたびに体は目を覚まそうとして、交感神経が緊張します。これが一晩に何十回、多い方では何百回と繰り返されます。それが毎晩続くと、血圧が上がりやすくなり、脈も乱れやすくなっていきます。
薬を飲んでいるのに血圧が下がらない。そうした方の背景に睡眠時無呼吸が隠れていることは、実際によくあります。ご本人が思ってもみなかった、というケースがほとんどです。心房細動や心不全との関わりも報告されています。
そのため当院では、睡眠の検査だけで終わらせないようにしています。ご家庭で測っている血圧の記録、心電図、必要に応じて心エコーも拝見したうえで、何から取りかかるかを一緒に考えていきます。睡眠時無呼吸と高血圧で別々の医療機関に通っていただくより、そのほうがご負担も少なくて済むと思います。
高血圧と睡眠時無呼吸症候群の関係について、詳しくはこちらをご覧ください
睡眠時無呼吸症候群は、自然に良くなっていく病気ではありません。「そのうち検査を受けよう」と思っている間も、夜ごとの酸素の低下と血圧の変動は続いています。忙しくて後回しになってしまうお気持ちはよく分かるのですが、ここは少しお時間をいただきたいところです。
日中の眠気は、仕事の能率だけの話ではありません。運転中の事故につながることがあります。国内でも、睡眠時無呼吸が関係した事故がいくつも報告されてきました。2023年には、睡眠の異常を自覚しながら路線バスを運転して事故を起こした運転手が書類送検されています。この方は睡眠時無呼吸と診断され、治療機器を使うよう説明も受けていたのですが、途中で使わなくなっていたと報じられました。
いびきや眠気は、長く付き合っているうちに当たり前になってしまいます。一度立ち止まって確かめてみてはいかがでしょうか。
検査には、簡易検査と精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査/PSG)の2つがあります。PSGは1泊入院して行う医療機関が多い検査ですが、当院ではどちらもご自宅で受けていただけます。
| 簡易検査 | 精密検査(在宅PSG) | |
|---|---|---|
| 場所 | ご自宅 | ご自宅(入院は不要) |
| 機器の受け取り | ご来院のときにお渡しします | ご自宅に届きます(来院不要) |
| 測るもの | 呼吸の状態、血液中の酸素、いびき | 上に加えて、脳波、眼や筋肉の動き、心電図 |
| 分かること | 無呼吸のおおよその程度 | 眠りの質まで含めた確定診断 |
| 費用の目安 | 3割負担の方で3,000円ほど | 3割負担で7,000円ほど |
どちらから始めるかは、症状の内容や、ほかにお持ちの病気によって変わってきます。簡易検査の結果しだいでは、確定診断のために精密検査を行う必要があります。その場合は検査が2回になりますので、はじめから精密検査で進めたほうが早く治療にたどり着ける方もいらっしゃいます。日中の明らかな眠気、ご家族による無呼吸の指摘、無呼吸・肥満・高血圧の3つをお持ちの方は最初から精密検査を行うのも選択肢になります。どちらが向いているかは、診察のときに一緒に考えましょう。
40代・会社員/通知と、朝の頭の重さ
高血圧で通院されている方が、起きたときの頭の重さが続くのに加えて、Apple Watchに通知が出たということでご相談に来られました。ご家族からいびきの指摘もあったため簡易検査を行ったところ、AHI 67と重度の睡眠時無呼吸症候群と判断される結果でした。AHIが30以上の場合、精密検査を挟まずにCPAPを始められるため、ご本人とよく相談したうえでCPAPを導入しています。2〜3週間ほどで朝の頭の重さが軽くなり、血圧も落ち着いてきたので、飲んでいたお薬を調整することができました。
実際の診療をもとにした一例です。検査の結果も治療の経過も方によって違いますので、同じようになるとお約束するものではありません。CPAPが適しているかどうか、薬を減らせるかどうかは、検査結果と全身の状態を見て個別に判断します。
この通知だけで病気が決まるわけではありません。ただ、通知が出たということは、眠っている間の呼吸の乱れが何日か続いていたということでもあります。上のチェックで当てはまるものがあれば、一度確かめておかれると安心かもしれません。
残念ながらそうとは言い切れません。この通知は間違って知らせすぎないように慎重につくられているので、睡眠時無呼吸があっても通知が出ない方がいらっしゃいます。
通知がなくても、大きないびき、ご家族からの無呼吸の指摘、日中の強い眠気、下がりにくい血圧などがあれば、一度ご相談いただければと思います。
当院では入院は要りません。簡易検査も、詳しい精密検査(在宅PSG)も、ご自宅で受けていただけます。精密検査の機器はご自宅に届きますので、受け取りのためにお越しいただく必要もありません。お仕事を休まずに受けられます。
どちらも健康保険が使えます。簡易検査は3割負担の方で3,000円ほどが目安です。精密検査は6,000-7,000円程度が目安です。
負担の割合や、一緒に行う検査によって変わりますので、受診されたときに具体的な金額をお伝えします。費用のことは、遠慮なくお尋ねください。
使いにくいと感じる方は多くいらっしゃいます。そしてそれは、ご本人のせいではありません。圧の設定、マスクの形、加湿の具合が合っていないことがほとんどです。合う設定は方によって違いますし、同じ方でも季節によって変わります。
当院では使用状況のデータを見ながら、一緒に調整していきます。つらいときは我慢なさらずにお知らせください。設定を少し変えるだけで楽になることが、よくあります。
はい、当院で引き継げます。引っ越しや通院のご都合で治療が途切れてしまうことは珍しくありません。これまでの検査結果や、CPAPの設定が分かるものをお持ちいただけると、その後の調整がしやすくなります。お手元になくても大丈夫ですので、まずはご相談ください。
検査はご自宅で受けられますので、検査のための通院はほとんどありません。CPAPを始めてからは定期的に受診していただきますが、機器の使用データは離れていても確認できますので、通院の間隔はご相談に応じます。
横浜市内のほか、川崎市や都内から通われている方もいらっしゃいます。
体重を落とす、寝る前のお酒を控える、横向きで寝る、鼻づまりを治しておく。どれも取り組む価値のあることですし、高血圧や糖尿病の予防にもつながります。
ただ、中等症以上の睡眠時無呼吸がこれだけで良くなることは、多くありません。生活の見直しと検査は、どちらかを選ぶものではなく、両方あってよいものだとお考えいただければと思います。
睡眠時無呼吸症候群は、ご本人がいちばん気づきにくい病気です。ですから、受診のきっかけは何でもかまいません。時計が知らせてきた、家族に言われた、健診で血圧を指摘された。どれも十分な理由になります。
当院は予約なしで受診いただけます。いびきが気になる方、通知が出て落ち着かない方、高血圧や糖尿病で通院中の方、他院でCPAPを続けていて転院をお考えの方。「こんなことで受診してもいいのかな」と迷われる必要はありませんので、どうぞお気軽にお声がけください。
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