日中にどうしようもない眠気がある、会議中や運転中につい居眠りしてしまう——その背景に、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が隠れていることがあります。眠っている間に呼吸が止まることで眠りが細切れになり、本人も気づかないうちに、日中の強い眠気として表れるためです。とくに運転中の居眠りは重大な交通事故に直結するため、「年齢」「疲れ」のせいにして放っておくべきではありません。ただし、日中の眠気はSASだけが原因とは限らず、決めつける必要もありません。この記事では、日中の眠気・運転中の居眠りと睡眠時無呼吸の関係、事故のリスク、そして治療で眠気がどう変わるかを中心にお伝えします。いびきと睡眠時無呼吸のサイン、受診先や何科かは「息が止まる」と言われたら何科へでくわしく扱っています。横浜市神奈川区・反町の本多内科医院の循環器内科・総合内科専門医が、わかりやすく解説します。
この記事は「日中の眠気・居眠り運転」にフォーカスを当てています
- 受診先・何科・ご家族からの伝え方は、「息が止まる」と言われたら、まず何科へへ。
- 検査の中身・費用・流れは、睡眠時無呼吸の在宅検査と簡易検査のページへ。
- 病気の原因・タイプ・治療の全体像は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ページへ。
日中の強い眠気・居眠りは、睡眠時無呼吸のサイン?
日中の強い眠気や、運転中・会議中の居眠りは、睡眠時無呼吸でよくみられるサインの一つです。ただし、それだけが原因とは限りません。
睡眠時無呼吸では、眠っている間に呼吸が止まったり浅くなったりを繰り返し、そのたびに脳が短く目を覚まして呼吸を立て直します。本人はこの目覚めを覚えていませんが、深い眠りが妨げられて睡眠が細切れになり、夜にしっかり時間をとって寝ても休まった感じがしません。その結果、日中に強い眠気が出ます。とくに、会議中や運転中、信号待ちといった「じっとして単調な場面」で眠気が強く表れやすいのが特徴です。一方で、日中の眠気は寝不足や生活リズムの乱れ、ほかの睡眠の病気、お薬の影響、気分の落ち込み、甲状腺の働きの低下(甲状腺機能)など、睡眠時無呼吸以外の原因でも起こります。ですから「眠い=必ず睡眠時無呼吸」ではありませんが、しっかり寝たつもりでも眠い、いびきや無呼吸を指摘されている、という場合は、一度疑って調べておく価値があります。
強い眠気が睡眠時無呼吸のサインのことはありますが、原因をはっきりさせるには受診・検査が確実です。
なぜ睡眠時無呼吸で、日中に強い眠気が出るの?
睡眠中に呼吸が止まるたびに脳が短く目を覚まし、深い眠りが妨げられて睡眠が細切れになるためです。
もう少しくわしくお話しします。眠ると喉の奥の筋肉がゆるみ、空気の通り道(上気道)が狭くなります。これがふさがって呼吸が止まると、血液中の酸素が下がり、体は危険を察知して脳を一瞬だけ覚醒させ、喉の筋肉に力を入れて気道を開きます。この一連が、重い方では一晩に何十回から百回以上も繰り返されます。一回ごとの目覚めは数秒で記憶には残りませんが、これが続くと、本来まとまって取れるはずの深い眠りや夢を見る眠りがぶつ切りになります。つまり、眠っている「時間」は足りていても、睡眠の「質」が大きく損なわれるのです。だからこそ、「八時間寝たのに眠い」という、寝た時間では説明できない眠気が、睡眠時無呼吸の特徴になります。眠気だけでなく、集中力や記憶力の低下、気分の落ち込みとして表れることもあります。
眠っている時間は足りていても、その質が損なわれることが、日中の眠気の正体です。
「ただの寝不足・疲れ」との見分け方は?
十分な睡眠時間をとっても眠気が取れない、毎日のように居眠りしてしまうなら、ただの寝不足ではなく、睡眠の質の問題が疑われます。
寝不足が原因の眠気なら、しっかり眠れば回復します。一方で、睡眠時無呼吸による眠気は、休日に長く寝ても、早めに布団に入っても、すっきりしません。自分では「ちゃんと寝ているつもり」なのに眠い、というのが見分けの手がかりです。眠気がどの程度かを客観的に確かめる目安として、医療機関では「エプワース眠気尺度(ESS)」という質問票を使います。読書中やテレビを見ているとき、乗り物に乗っているときなど、日常のさまざまな場面でどれくらい眠ってしまうかを点数にして、眠気が病的なレベルかどうかを評価するものです。当院でも、問診のなかで眠気の程度をお伺いしています。こうした自己チェックはあくまで目安で、最終的な診断は検査で行いますが、次のような眠気が続くなら、ただの疲れと片づけずに調べておくと安心です。
- 平日も休日も、しっかり寝たつもりなのに強い眠気が残る
- 会議中・運転中・信号待ちなど、じっとしているとつい眠ってしまう
- 朝すっきり起きられず、起床時の頭痛やだるさがある
- 周囲から、いびきや「寝ている間に息が止まっている」と指摘されたことがある
- 居眠りでハッとしたり、運転中にヒヤッとした経験がある
寝ても取れない眠気は、ただの寝不足ではなく、睡眠の質の問題のサインのことがあります。
運転中の居眠りはなぜ危険?——事故のリスク
睡眠時無呼吸による眠気は、自分では気づかないうちに数秒間眠ってしまうことがあり、運転中だと重大な事故に直結します。
強い眠気があるとき、人は「マイクロスリープ」と呼ばれる、数秒間の瞬間的な居眠りに陥ることがあります。やっかいなのは、本人にその自覚がほとんどなく、目を開けたまま意識が一瞬飛んでしまう場合があることです。時速六十キロで走っていれば、一秒でおよそ十七メートル、数秒では数十メートルを、ほぼ無意識のまま進んでしまう計算になります。「気をつければ大丈夫」という心がけだけでは防ぎきれないのは、このためです。実際、睡眠時無呼吸のある方は、そうでない人に比べて交通事故を起こすリスクが高いことが、複数の研究で報告されています。国土交通省も、睡眠時無呼吸では運転中に突然強い眠りに陥ってしまうことがあるとして、ドライバーへの注意を促しています。居眠りそのものだけでなく、注意力が散漫になる「漫然運転」につながることもあります。逆に、適切な治療によって眠気が改善し、事故のリスクが下がることも知られています。
強い眠気があるときは、運転を控えてください
- 「少し眠いだけ」でも、睡眠時無呼吸では一瞬意識が飛んでしまうことがあります
- 運転中に眠気を感じたら、無理をせず安全な場所に停車し、短い仮眠をとってください
- カフェインや窓を開けて一時的にしのいでも、根本の眠気は解決しません
居眠り運転は、ご自分だけでなく、ほかの人の命にも関わります。強い眠気が続くなら、運転の前に一度ご相談ください。
「気をつければ防げる」眠気ではないからこそ、原因を調べて治療することが、事故予防につながります。
仕事で運転する方・職業ドライバーの方へ
トラック・バス・タクシーなど運転を仕事にする方にとって、睡眠時無呼吸の早期発見・治療は、安全運転に直結する大切な健康管理です。
国土交通省は、運送事業者向けに「自動車運送事業者における睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル」を作成し、職業ドライバーへのスクリーニング検査の普及と、早期発見・早期治療を強くすすめています。制度の面でも動きがあり、睡眠時無呼吸が疑われる居眠り運転・漫然運転による事故は、二〇二二年(令和四年)四月から国に報告することが求められ、二〇二五年(令和七年)からは、事故が起きたときにそのドライバーのスクリーニング検査の受診状況を報告することも明示化されました。つまり、職業ドライバーの睡眠時無呼吸対策は、個人の健康管理にとどまらず、社会全体で重視されている課題です。健診や会社のスクリーニングで指摘された方、日中の眠気が気になる方は、本多内科医院では自宅でできる簡易検査から始められ、必要に応じて精密検査(在宅PSG)、その後のCPAP治療まで一貫して対応できます。入院がいらないため、長く仕事を休まずに検査・治療を進められます。
運転を仕事にする方こそ、眠気を放置せず、早めに検査・治療につなげることが大切です。
治療で眠気や居眠りは良くなる?
睡眠時無呼吸が原因の眠気は、CPAPなどの治療で多くの場合改善し、日中のすっきり感や運転中の安全につながります。
閉塞性の睡眠時無呼吸に対するCPAP療法は、睡眠中に鼻に当てたマスクから空気を送り、その圧で気道を内側から広げて、無呼吸を防ぐ治療です。続けるうちに、多くの方で朝の目覚めがよくなり、日中の眠気が軽くなっていきます。「朝すっきり起きられるようになった」「会議や運転で眠くならなくなった」と変化を実感される方は少なくありません。軽症の方や、CPAPが体質的に合いにくい方には、マウスピース(口腔内装置)という選択肢もあります。あわせて、減量・節酒・横向きで眠る工夫など、生活面の見直しも行います。治療の効果・費用・続け方のくわしい説明は、CPAP療法のページにまとめています。
長距離の運転を仕事にされている五十代の方が、日中の強い眠気と、運転中に何度かヒヤッとした経験を心配して来院されました。ご家族からは、いびきと、寝ている間に息が止まっていることを指摘されていました。自宅でできる検査で中等症の睡眠時無呼吸が見つかり、CPAP療法を始めたところ、数週間で朝の目覚めが変わり、日中の眠気と、運転中にヒヤッとする場面が減ったと話されました。(患者さんが特定されないよう一般化した例です)
原因が睡眠時無呼吸であれば、治療によって眠気の改善が期待でき、運転の安全にもつながります。
こんなときは受診を
十分に寝ても日中の強い眠気が続く、運転中・仕事中に居眠りしてしまうなら、内科・循環器内科に相談しておくと安心です。
一度きりの寝不足で慌てる必要はありませんが、次のようなサインが続くなら、年齢や疲れのせいにせず、一度調べておくのがおすすめです。本多内科医院では、自宅で一晩眠るだけの簡易検査から始められ、必要に応じて精密検査(在宅PSG)も入院せず行えます。あわせて、心電図・採血・心臓の超音波で心臓の状態も確認できます。睡眠時無呼吸は高血圧・心房細動・心不全といった心臓や血管の病気と深く関わるため、循環器内科の視点からまとめて評価できることが、当院の強みです。
- しっかり寝たつもりでも、日中に強い眠気が続く
- 会議中・運転中・信号待ちなど、じっとしていると居眠りしてしまう
- 運転中に居眠りやヒヤッとした経験がある
- いびきや無呼吸を家族に指摘されている、起床時に頭痛がある
- 薬を飲んでも血圧が下がりにくい、心房細動などを指摘されたことがある
どの科を選ぶか・ご家族からの伝え方は「息が止まる」と言われたら何科へ、検査の中身や費用は睡眠時無呼吸の在宅検査にまとめています。
関連記事 検査の中身・費用・流れは「睡眠時無呼吸の検査を自宅で受ける方法」へ寝ても取れない眠気や運転中の居眠りは、放置せず、一度相談しておくのがおすすめです。
よくあるご質問
日中の眠気は、睡眠時無呼吸のサインですか?
睡眠時無呼吸でよくみられるサインの一つですが、それだけが原因とは限りません。寝不足やほかの睡眠の病気、お薬の影響、甲状腺の病気なども眠気の原因になります。とくに、しっかり寝たつもりでも眠い、いびきや無呼吸を指摘される、という場合は、一度確認しておくと安心です。
しっかり寝ているのに、なぜ日中に眠くなるのですか?
睡眠時無呼吸では、眠っている間に呼吸が止まるたびに脳が短く目を覚まし、深い眠りが妨げられます。眠っている時間は足りていても、睡眠の質が大きく落ちるため、日中に強い眠気が出ます。「八時間寝たのに眠い」という、寝た時間では説明できない眠気が特徴です。
運転中によく眠くなります。受診したほうがよいですか?
はい、おすすめします。運転中の居眠りは重大な事故に直結し、睡眠時無呼吸では自分でも気づかないうちに数秒間眠ってしまうことがあります。強い眠気があるときは運転を控え、眠気が続くようなら早めにご相談ください。とくに運転を仕事にされている方は、なおさら早めの検査・治療が大切です。
治療をすれば、日中の眠気は良くなりますか?
睡眠時無呼吸が原因の眠気は、CPAP療法などの治療で多くの場合改善します。朝の目覚めがよくなり、日中の眠気や運転中の眠気が軽くなったと実感される方が多くいらっしゃいます。治療の効果や続け方は、検査結果をもとにご説明します。
いびきをかかないのに日中眠いです。睡眠時無呼吸ではないのでしょうか?
いびきがなくても睡眠時無呼吸のことはあります。息を吸う努力が弱まる「中枢性」のタイプや、呼吸が浅く弱くなる「低呼吸」が中心のタイプ、痩せ型・女性などでいびきが小さいケースでは、いびきが目立たないまま眠気が出ることがあります。いびきの有無だけで判断せず、日中の眠気が続くようなら、確認をおすすめします。
日中の眠気・居眠りが気になる方へ
日中の眠気や運転中の居眠りが気になる方は、予約なしでご相談いただけます。
本多内科医院では、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査・精密検査(在宅PSG)をいずれもご自宅で行え、循環器内科の視点から血圧や心臓の状態もあわせて評価します。日中の眠気の原因が睡眠時無呼吸なのか、ほかにあるのかは、検査ではっきりさせられます。必要に応じてCPAP治療を行い、より専門的な治療が必要な場合は、適切な医療機関へご紹介します。反町駅から徒歩4分、東神奈川駅から徒歩12分です。日中の眠気が気になる方も、運転中の居眠りが心配な方も、どうぞお気軽にお越しください。
日中の眠気・運転中の居眠りが気になる方は、お気軽にご相談ください。
予約なしで受診可|反町駅 徒歩4分|東神奈川駅 徒歩12分|循環器内科/総合内科専門医が診療|在宅で検査可能
強い眠気を感じているときは、運転を控え、安全な場所で休息をとってください。
